【相談募集中】保護者から強い口調で指摘を受け、一気に不安になってしまいました

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千葉県公立小学校校長

瀧澤 真

30代の先生から「みん教相談室」に相談が寄せられました。学級経営は順調だと思っていたのに、ある保護者からキツめの指摘をもらい、急に不安になってしまったそうです。保護者の声が怖いという相談者にアドバイスをしたのは、「保護者を味方にする学級経営術」の連載も持つ千葉県公立小学校校長の瀧澤真先生。その内容をシェアします。

怒っている女性の画像
写真AC

Q.ある保護者から強めの指摘を受け、学級経営が一気に不安に…

保護者からの声が怖いです。学級経営は割と順調にできており、トラブルなく1年を送れそうです。 しかし、先日保護者の方から「〇〇(私)先生はいつも宿題のチェックが雑」とご意見をいただきました。それも結構強めの口調で……。

この方はPTAでも中心的な方だけに「この意見は、この方だけでなく、他の保護者もそう考えている」 「きっと多くの保護者から陰口を言われていて、信頼されていないんだ」と一気に不安になってしまいました。保護者からのクレームに対しての考え方や、「他の保護者もそう思っている」という思い込み(?)への対処法を教えてくださるとうれしいです。(しん先生・20代男性)

A.人は多種多様です。1人の保護者の意見に振り回されることはありません

トラブルなく1年が過ごせたならば、たいていの保護者は先生に対して不満を持っていないはずです。先生が思うほど、多くの保護者は学校のことを気にしていないのです。学級にトラブルがあって、子どもが学校での不満を言っていれば別ですが、そうでなければ元気に学校に行っているだけで満足しています。

多くの保護者から苦情が来たら、反省すべき点があるのでしょうが、1人にそう言われただけなら、考えすぎないことです。人というのは、一部の強弁な方の意見を、代表的な意見として大げさに受け取ってしまうものです。典型的な例がSNSへの書き込みです。SNSに書き込みをするのは一部の人間、しかもわざわざ書き込みをするほどのエネルギーをもった人間です。そういう意見を目にすると、世の中のみんなが同様に思っていると勘違いしてしまうのです。

人というのは多種多様です。例えば宿題1つとっても、もっと出してほしいという親もいれば、出しすぎだという親もいます。宿題が要らないという親も、まったく無関心な親もいます。みんな自分の考えが正しいと思っています(私は全てのタイプの保護者に出会ったことがあります)。全員を満足させることは不可能です。ですので、たまたま強く言ってきた保護者の意見に振り回されないことです。

とはいえ、こういうピンチをチャンスと捉え、自分の成長に役立てることはできます。例えば、雑とはどういうことか、どうしてほしいのかを質問します。すると、漢字のはねや払いを適当に書いているのに、全部丸にしている。もっと丁寧に見ろということかもしれません。「確かにそういわれてみれば……」と思い当たる節があるならば、次回からは多少丁寧に見ていくといいかもしれません。

もちろん、できることには限りがあるので、その保護者の意見を全面的に受け入れる必要はありません。多少なりとも改善できそうなことがあれば、無理のない範囲で取り組めばいいのです。

また、せっかくの機会ですので、そもそも宿題とはなにかと根本を考えてみてもいいでしょう。本来、宿題はなくてもいいものです。それをなぜわざわざ出すのか。そういうことを考えるきっかけにするといいでしょう。いずれにせよ、無理のない範囲で、多少でも改善すればよしとしましょう。

なお、あまりにも理不尽なクレームならば、管理職に相談し、その後の対応をお願いするとよいでしょう。個人で対応する必要はありません

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