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あなたの教育理念を込めて、学校経営方針を立てていこう

連載
タバティのLet’sスマイル (レッツスマイル)学校づくり
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教育コンサルタント

田畑栄一

年度末に入り少しホッとしている方も多いと思います。卒業式・修了式を終え、子どもたちは春休みで解放されますが、教職員や校長は年度の整理と、新年度に向けて様々な準備をする時期で、1年の中で最も気忙しい季節です。ご自愛ください。
さて、今回は、新年度に向けての準備の一つ「学校経営方針」について考えてみます。新校長として赴任をする人や、異動に伴って新しい学校に赴任する人にとって、特にワクワク感とドキドキ感が共存し揺れ動く心境ではないかと察します。こういう時ほど一呼吸おいて笑顔で楽しむ余裕をもちたいものです。

【連載】タバティのLet’sスマイル(レッツスマイル) 学校づくり #20

空を仰ぐ先生
写真AC

学校経営方針を立てる難しさ

校長にとって新年度の初仕事は、学校経営方針を教職員に伝えることです。4月2日頃に行われる新年度第1回目の職員会議が、その場になるのではないかと思います。新任の校長にとっては、赴任からわずか数日しか時間がありません。とても赴任校の実態を踏まえた方針の策定はできません。そこで、新任の校長は特に、今年の経営方針は前年踏襲しよう、と考える方も多いのではないかと思います。それは決して悪いことではありません。学校経営方針は、学校を舵取りしていく上でのグランドデザインです。そのため、様々な要素を、その言葉の中に込めることができます。例えば、「創立以来の伝統を受け継ぎ、新しい時代に生きていける子どもを育成する」という学校経営方針があったとします。良い意味で抽象的なので、あなた自身の教育理念を反映させる余地がたくさんあるのではないでしょうか?
教職員は、校長が何を基軸に教育活動を進めるかを期待しています。明確なビジョン、時間的配慮、内容の充実が大事になります。そこで、赴任から職員会議までの僅かな時間、可能な限り教職員との対話を通して昨年度の状況を把握してください。そして、既存の学校経営方針をあなたの頭の中で整理し、解釈して、あなた自身の言葉で教職員たちに伝えていくようにしましょう。もちろん、あなた自身が、新しい学校経営方針を立てるのも素晴らしいことです。
ただ、いずれの場合においても、学校経営方針を実行するために第1回職員会議では、思い切って理念に絞って伝えることです。その理念に基づいて、第二回目の職員会議で具体的な施策や方針を説明し、実行していくのが効果的です。

経営方針は「不易」と「流行」の2段階で

学校経営方針とは、学校を運営する上での大元となる理念です。これは、歴史的・文化的に尊ぶべき「守られるべきこと」と、刻々変化する社会情勢に対応する「変わっていくべきこと」に分けられると思います。前者は「不易」、後者は「流行」と言い換えられます。既存の経営方針であっても、新たに策定する方針であっても、それをあなたが考える「不易」と「流行」の要素に分けて考えると、優先順位や重軽がはっきりしてきます。
学校経営方針で大事にしなくてはならないのは、教育の不易の部分です。「校長になったらこれだけはやろう」と思い続けてきた「核」が誰にでもあると思います。あなたが大事にしている教育理念を示す時です。説明の重点も、実施の順番も、「不易」→「流行」となるようにします。
このように優先順位をつけて、あなたの言葉で語ることにより、あなたの教育理念が反映されやすくなり、教職員の理解や共感も得やすくなります。また、経営方針のプレゼンにはいろいろな手法があると思いますが、次の3点がポイントだと思います。

①時間は30分以内
②視覚的な内容。文章よりもプレゼン資料のような見せ方で
③第1回目は不易(理念)を中心に。第2回目は不易な目標に至るための具体策などの「流行」部分を

年度初めの多忙期、教職員が何より欲しているのは、学年会議や事務作業に割ける時間です。校長自ら、教職員の時間を逼迫させるようなことだけは避けましょう。

学校経営方針の策定と実施~私の場合~

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