小6らくらくUnit 8「My Future, My Dream.」③【モトヨシ先生のスライドde外国語】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 6 Unit 8「My Future, My Dream. ~夢宣言カードでスピーチしよう」第3時(友達が入りたい部活をインタビューしよう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学6年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 6」のUnit 8「My Future, My Dream. ~夢宣言カードでスピーチしよう」全8時の3時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
○単元のゴール
友達が書いた夢を英語で読んでみよう。
○本時の目標
友達が入りたい部活をインタビューしよう
【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・I want to join ~. I want to enjoy ~. I’m good at ~. I want to be ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・中学校生活や将来の夢などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
・相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、海外の国について、短い話の概要を捉えようとしている。
【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
・中学校生活や将来の夢などについて、簡単な語句や基本的な表現を理解している。
〈技能〉
・中学校生活や将来の夢などについて、書かれた英文を理解する技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味が分かり、声に出して読んでいる。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味を分かろうとし、声に出して読もうとしている。
【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉
・I want to join ~. I want to enjoy ~. I’m good at ~. I want to be ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・中学校生活や将来の夢などについて、I want to join ~. I want to enjoy ~. I’m good at ~. I want to be ~. およびその関連語句などについて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う(話す)技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、英語を使ってしたいことについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・中学校生活や将来の夢などについて、英文の語順などを理解している。
〈技能〉
・中学校生活や将来の夢などについて、例文を参考に書く技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、例文を参考に書こうとしている。
○言語材料
(表現)I want to join ~. I want to enjoy ~. I’m good at ~. I want to be ~. など
(語彙)部活動(basketball team など)、学校行事(entrance ceremony など)、動作(run など)、教科(math など)、職業(singer など)
本時の流れ(例)
- 挨拶
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- デジタル教科書 Starting Out ③④
- デジタル教科書 Let’s Try ③
- デジタル教科書 Let’s Listen ①②
- Let’s Write
- デジタル教科書 Sounds and Letters
- ふり返り
各活動の流れ
①挨拶
元気に明るく挨拶して、How are you? How’s the weather? などの質問をしてみましょう。
②単元のゴール、本時のめあての確認
単元のゴール、本時のめあてを確認しましょう。
③デジタル教科書 Starting Out ③④(P73)
教科書の Starting Out を行います。前時は①と②を行いました。本時は③と④を行います。これまでの単元よりも少し長めのスピーチなので、ワークシートを効果的に使用して内容を聞き取るなどして、語句や表現に慣れ親しませていきましょう。
1回目は通しで映像(もしくは音声)を流しましょう。どんな単語や表現が聞こえたか、どんな内容だったかをペアで話し合わせます。2回目を行う前に、「聞く」視点としてワークシートに記載されている質問を児童に与えます。
注意点としては(1)の問い What’s her name? のところで、私は映像の中の小学生、エミリーを指さして What’s her name? と児童に問うようにしています。そうでなければ、誰のことをherと言っているか分からないからです。
これまでも何度もエミリーは登場しているので、児童にとっては簡単な問題かもしれません。しかし1問目はあえて全員が答えられるやさしい問題にしています。2回目のリスニングの前に、ワークシートの質問文をペアで読ませてみると、児童が読もうと主体的に学習する姿が見られると思います。
Starting Out ④のワークシートも準備してあります。ダウンロードして同じ要領で進めてください。
④デジタル教科書 Let’s Try ③(P75)
中学校で入りたい部活動と将来なりたい職業について友達にインタビューして、分かったことを表に書いていく活動です。
教科書では入りたい部活動と将来なりたい職業の表があります。学級の友達がどの部活動に入りたいと考えているか、児童は「知りたい」という気持ちをもっていると思います。私は、普段は話をしない友達同士でもなるべくインタビューしてほしいと考えました。そこで、教科書の表ではなく、学級名簿を活用して行いました。ワークシートを準備する時間も短縮できておすすめです。
全体で表現を発話してからインタビュー活動を行うとよいでしょう。児童は、普段のインタビュー活動よりもっと「聞いてみたい」「知りたい」という気持ちがあるので、「名簿を使ってクラス全員にインタビューしよう」と伝えてもよいでしょう。私の場合は、インタビュー活動の前半では、挨拶と入りたい部活動を聞いて、簡単なリアクションをする程度の流れとしました。
Hello, how are you?
I’m fine, thank you. And you?
I’m good. What club do you want to join?
I want to join the baseball team.
That’s nice.
How about you? What club do you want to join?
I want to join the basketball team.
I see.
教師は中間指導に向けて、児童のやり取りの様子を見取りましょう。中間指導では、前半の児童同士のやり取りのよい点や改善点などを伝えましょう。
ここで後半の活動に向けて「なぜその部活動に入りたいのか」の理由を英語で考えさせてみましょう。教師は、困ったことはないか児童に問います。児童が表現したいことや伝えたいことがあり、それらが既習事項から引き出せるようであれば、全体に問い、思考させます。児童が言いたいことが既習事項から引き出すことができない場合は、ALTや教師が個別に伝えます。その際も、他の児童が分かるようなシンプルな表現にする配慮が必要です。
私が実際に授業をした際は、It’s fun. I enjoy playing basketball. I like basketball. など、簡単に表現できることを児童同士が伝え合っている姿が見られました。また、得意なことを I am good at playing basketball. と表現している児童の姿も見ることができました。
後半の活動の流れは、以下のようにしてみてはどうでしょうか。
Hello, how are you?
I’m fine, thank you. And you?
I’m good. What club do you want to join?
I want to join the baseball team.
Why?
I am good at playing baseball.
次は、児童Bが児童Aに質問していきます。
後半の活動を終えたら、何人かに発表させましょう。よいやり取りをしている児童などを意図的に指名することもできます。実態に合わせて行いましょう。
⑤デジタル教科書 Let’s Listen ①②(P74, P75)
登場人物の中学生に向けたスピーチを聞いて、分かったことを□に書く問題です。
四角い枠の右側のスペースに、聞き取ったことをメモするように伝えましょう。児童の様子を見て、スクリプトをALTにゆっくり読んでもらうこともできると思います。
⑥Let’s Write
インタビュー活動で表現した英語を、1行目は「なぞり」、2行目はまねして「書き写す」活動を行います。最後の1文は、児童が実際に入部したい部活動を Picture Dictionary を参考に書かせましょう。
ここでの指導のポイントは、教師が机間巡視をしながら Can you read this? と個別に発話させてみることです。ここで確認したいことは、音声と文字の一致です。児童が指示された英文をすらっと言えたとしたら、その児童の音声と文字の認識ができ始めていると評価することができます。逆にここで読むことができない場合は、教師自身の指導をふり返り、インプットやアウトプットが足りなかったと捉え、改善するための判断材料となります。
⑦デジタル教科書 Sounds and Letters(P95)
デジタル教科書P95のQuiz⑬の問題と名前読みの音①②を行います。
Quiz⑬は、聞こえた音の順に( )に番号を書かせます。P94で学習した音を全員で発話してから行うとよいと思います。名前読みの音①は、音声を聞いてそれぞれの文字の名前読みと音読みを全員に言わせてみましょう。名前読みの音②は、始まりの音を聞き取り、絵に合った文字を線で結ぶ学習です。デジタル教科書の音声で難しいと児童が感じているようであれば、教師やALTが再度ゆっくり繰り返して読んでみましょう。
⑧ふり返り
本時の学習をふり返り、全体で共有しましょう。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子