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音楽評価|担任のモヤモヤに専科が答えます!

2019/12/2

編集部に届いたお便りで、「女性というだけで音楽を担当することが多いのですが、専門外のため、特に、創意工夫の評価がイマイチ分かりません」というご意見をいただきました。今回は、音楽専科の畠山美砂先生に、2020年実施の新学習指導要領を含め、音楽の評価についてお話を伺いました。

指導/北海道公立小学校・畠山美砂

音楽の授業
写真/PIXTA

音楽の4つの評価ポイント

音楽の評価の観点は4つあります。

① 音楽に対する関心・意欲・態度
趣旨:音楽に親しみ、音楽を進んで表現し、鑑賞しようとする。

② 音楽表現の創意工夫
趣旨:音や音楽のよさや美しさを感じ取り、それらを音楽活動の中で創意工夫し、生かしている。

③ 音楽表現の技能
趣旨:音楽を表現するための基礎的な技能を身に付けている。

④ 鑑賞の能力
趣旨:音楽を楽しく聴取、鑑賞し、そのよさや美しさを味わう。

この4つを通して、授業中の子どもを見取ります。題材や教材に合わせて具体的な評価規準を設定して授業に臨むと、より明確な評価になります。

この中で評価が難しいと思われる主に①~③について、私のこれまでの経験から少しお話します。

忘れ物は、関心や意欲が乏しいから?

私は、忘れ物は評価に入れていません。「忘れ物をするということは、その教科に関心がないからだ!」と言ってしまえばそうなのかも知れませんが、家庭の事情や環境もあります。教科書を忘れてきても意欲的な姿がみられる子もいます。

その題材での目標に対し、どのような姿が見られたのかを評価します。具体的には、「進んで歌うなど、自ら表現しようとしている姿」、「もっと聴きたいと音楽に意欲的な姿」、「真剣な眼差しで音楽に耳を傾けながら試行錯誤して音をつくっている姿」などです。授業中、一人一人をしっかりと見取ることが個の正しい評価につながると考えています。

しっかり見取る方法として、私は座席表のシートを持ち歩き、すてきな姿が見られたら、すかさずメモを取るようにしていました。1回だけでの評価では信頼性に欠けるので、毎時間のデータの積み重ねがとても大事だと考えています。

「②音楽表現の創意工夫」とは

こちらの項目が、お便りにあるように評価に悩まれる方が多いかと思います。

音楽の評価すべき表現は、「歌唱」「器楽」「音楽づくり」の3つです。この3つを、それぞれ題材の教材曲を通した「表れ」で見ていきます。

例えば、音楽をつくっているかどうか、または歌っているかどうか、器楽(鍵盤ハーモニカ・リコーダー)を演奏しているかどうかは「技能」となり、そこに音楽的な要素や仕組みを使って、より豊かな音楽にしようとしているか、どのような工夫をしようと考えているのか、その「思いや願い」を見取るのが「創意工夫」です。

個の考えを見取る「創意工夫」の評価

教師は、様々な方法で見取ります。ワークシート等への書き込みもその一つです。教科書に直接書き込めるものもありますが、そこからどのような工夫を思いついたのかを見取ります。

教師がワークシートを作成する場合には、思考の様子が見取れるようにつくりましょう。最後の感想や結果のみを書くシートではなく、「もっとここをこうして、だんだん強く歌ったら、曲の山がはっきりとしてメリハリが付き、富士山が表現できてよいかも知れない」など、工夫だけでなく、「根拠」も書かせるようにするとよいでしょう。

個の考え(試行錯誤)を見取ることができるように作成しましょう。

以前、シートへの書き込みばかりに手間取り、しーんと静まりかえり、鉛筆を書き進める音だけで、肝心な音楽(歌声・楽器に音など)が聞こえてこない授業を拝見したことがあります。それは本末転倒。簡単に、分かりやすく、そして友達と考えが共有できるシートを工夫しましょう。

また、活動場面では、ペア学習やグループ学習など学習形態を工夫して、教師が見て歩きます。どんどん発言をしながらアイデアを出している子どもの様子が見られたら、もちろん評価は「A」でしょう。教師もただ見て歩くだけでなく、指導もしながら「どうして、そうしようと思ったの?」「〇〇さんは、どんな工夫をしたのかな、先生に聞かせて」など、問いかけながらグループを回っていくと、子どもの発言からも創意工夫を見取ることができます。

子どもファーストの「技能」テストを

そもそも、小学校音楽科は、プロの歌手や演奏家を目指しているわけではありません。学習指導要領にもあるように、1・2年生、3・4年生、5・6年生と目標も分かれていますが、歌唱だと「範唱を聴いて歌ったりする技能」、「ドレミ・・・で模唱したり暗唱したりする技能」、「自然で無理のない歌い方で歌う技能」、「伴奏を聴いて友達と声を合わせて歌う技能」です。他にも、「器楽」の技能の目標や「音楽づくり」の技能の目標があります。

私は、一人一人前へ出てみんなの前で歌うテストは、聴き取りたい教師の都合のように感じています。それで自信を失い、音楽が嫌いになってしまった子どもの話も聞きます。毎時間、授業の前や朝の会などで表現する機会を設け、たった一回のテストではなく、毎時間、子どもを見取っていく評価を大切にしたいです。

そして、評価しっぱなしではなく、しっかり「指導」に生かすことが「技能の向上」にもつながりますし、これこそがよく言われている「指導と評価の一体化」なのではないでしょうか。私は、グループ4人での演奏や、ペア演奏をさせています。これなら一人より子ども達も安心して歌えますし、楽しんで取り組んでくれます。

新学習指導要領の完全実施に向けて

来年度から完全実施になる新学習指導要領では、目標に合わせて、これまでと評価の観点も「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理されるようです。

今後は授業を通して「音楽の知識」の習得が求められますし、「音楽表現を工夫する」ということについても、歌唱や器楽の学習では「曲の特徴にふさわしい音楽表現を試しながら考えたりすること」や、音楽づくりの学習では「実際に音を出しながら音楽の全体のまとまりなどを考えたりして、どのように表現するかについて思いや意図をもつこと」が大切になってきます。

執筆/みんなの教育技術編集部

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