【相談募集中】タブレット端末の使用をめぐってクラスで対立が起きてしまいました

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佐賀県公立小学校教諭

小倉美佐枝

タブレット端末の使用についてどう対応するべきか、20代の男性教諭から「みん教相談室」に相談が寄せられました。これに回答したのは、みん教の音声番組・ミサエラジオでの愛情深いポジティブトークで人気の佐賀県公立小学校教諭・小倉美佐枝先生。使用ルールと共に学級づくりにも目を向けるようアドバイスしたその内容を紹介します。

イラストAC

Q.タブレットの使用ルールを守らない子どもたちにどう指導をすれば?

クラスの男子がタブレットを授業中や休み時間などの使ってはいけない時間に使っていて、注意すると反抗してきます。男子にも女子にも公平に指導しているつもりなのに、男子に「女子だけひいきしてませんか」と言われてしまいました。

ルールを破っているのを見つかるのは男子が多くて、女子は私が見ていないところで色々しているのかもしれないということは感じるのですが、目撃していないので、なんとも言えないのです。見ている男子も、注意すると「証拠はあるの?」とか「あいつもやってた」と言います。

信じてあげたいし、なるべく公平にするように努力しているつもりなんですけど……。誰かがタブレットを開いていたら、チクるみたいな制度は間違えている気がして、困っています。完璧な解決策などあるのでしょうか。(M先生・20代男性)

A.タブレット端末の意義が共通理解できるまでは使用の中止も一案です

今回のご相談を受けて、学校内でのタブレットのルール(決まり)だけでなく、学級内の人間関係について気になりました。

授業中や休み時間など、使ってはいけない時間があるのですね。ある程度、学校や学年で決められた約束の中で使用していることと思います。授業中の使用については、例えば、タブレット端末を使わずに、「今は話を聞くとき」という学習場面では、タブレットを触らずに話を聞くという状態がありますね。この点については、私はタブレットの有無に限らず、学級内での学習規律や人間関係に大きく関わることだと思います。

誰が使っている、誰が嘘をついている、誰かが告げ口をする(チクる)などの様子が学級内で飛び交っているのであれば、私は、人間関係がうまくいっていない状況にあると感じています。

タブレット端末を使用するときにだけ、このような学級の様子が見られるのであれば、すぐに管理職の先生へ相談し、一時的に使用中止をしても構わないと思います。そもそも、タブレット端末は、自分勝手にしてよい学習道具ではなく、自他ともに学びを豊かにするための道具として取り入れられているのですから、使用目的を全員でもう一度確かめ、共通理解をするまでは、中止してもよいでしょう。私ならば、管理職の先生へすぐに相談後、一時的に校長先生へ全員のタブレットを預けると思います。

GIGAスクール構想が進み、タブレット端末が導入されるとき、私が勤務する学校では、みんなの教育技術に掲載されている「GIGAスクール時代、小学生に情報モラルとリテラシーを伝える授業」を取り入れて、モラルやリテラシーについて学ぶことを大切にしてきました。学年が変わっても、毎年、この取組を行っています。

タブレット端末は学びを広げたり、深めたりするための学習用具ですから、休み時間にも授業時間にも、子どもたちが約束を守りながら自由に使うことのできる環境になるように、改めて学び直しをしてよいでしょう。

タブレット端末を一旦置いて、人間関係を見つめ直し、学級づくりに視点を向けてみてください。きっと、今回の件と関係して、つながって見える場面があると思いますよ。そこから取り組んでみてもよいですね。

「完璧な解決策」よりも、一つ一つていねいに向き合い、課題を見つけ、どうしたらよいかを周りの先生方の知恵をいただきながら考え、取り組んでみてくださいね。

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