小1算数「あわせていくつ」指導アイデア《2つの数量の合併の加法の意味や式の表し方の理解》

特集
1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」

執筆/新潟市立上山小学校教諭・久道知弘
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、新潟市立新津第一小学校・第一幼稚園校園長・間嶋哲

単元の展開

第1時 2つの数量の合併の場合について、加法の意味や式の表し方を理解する。

第2時(本時)「あわせて」「ぜんぶで」「みんなで」などの言葉に着目し、2つの数量の合併の場合について、加法の意味や式の表し方の理解を深める。

第3時 2つの数量の合併の場面について、問題文から問題場面を判断し、それをブロックや図で表したり式に表したりし、答えを求めることができる。

第4時 式から合併の問題をつくることができる。

本時のねらい

「あわせて」「ぜんぶで」「みんなで」などの言葉に着目し、それらをブロック操作で表現することを通して加法における合併の意味理解を深めることができる。

評価規準

  • 合併場面をブロック操作で2数を寄せ合わせ、その集合で表すことができたり、式で表したりすることができる。(知識・技能)
  • 問われている言葉は異なっていても、ブロック操作による2数を寄せ合わせ、その集合で表すことができるものは合併場面であることに気付いている。(思考・判断・表現)
  • 合併場面におけるほかの表現方法に進んで取り組んでいる。(主体的に学習に取り組む態度)

本時の展開


お花は あわせて なん本かな。

お花は合わせて何本ですか。

3本だと思います。

どうやって考えればよかったでしょうか。

前の勉強と同じように考えればできそうです。

 前は、どうやって考えましたか。

数えました。

ブロックで考えました。式も書きました。

ブロックで考えれば、2本と1本を合わせるからこうなります。


前時に行った方法を引き出し、板書に残しておくことで、「ぜんぶで」の問題場面との共通点を見いだしやすくしておきます。

ブロックをくっつけることを、「がっちゃん」と言ったね。

式にすると2+1=3だね。


お花は ぜんぶで なん本かな。

さっきはお花を花瓶に入れるお話だったけど、今度は野原に咲いているお花が何本かを考えるお話だね。

さっきは「あわせて」だったけど、今度は「ぜんぶで」だね。

困りましたね。「ぜんぶで」は初めてするので分かりませんね。

いえ、できそうな気がします。答えは多分5です。


「ぜんぶで」は、どうやって考えたらいいかな。

見通し

どうして答えが5だと分かったのですか。

数えればいいです。

ブロックを使えばよさそうです。

すごいですね。どうしてこんなにアイデアが思いついたのですか。

だって、「あわせて」のお話と同じように考えればできそうだったからです。

なるほど。「あわせて」のお話のお勉強が使えそうですね。では考えてみましょう。

自力解決の様子

A つまずいている子

絵を見て数えることで答えを求めているが、ブロックを正しく置けていない。


B 素朴に解いている子

2数をブロックで並べ、並べたブロックの数を数えている。


C ねらい通り解いている子

2数をブロックで並べ、それを寄せ合わせ、その集合で数を捉えている。

1人1台端末活用アイデア①

ブロックを操作している様子を撮影することで、操作の場面も全体で共有したり確認したりすることができます。

ブロックで表された2数を、寄せ合わせることが合併であるということを意識させやすくなり、次の単元の増加の場面にもつなげることができます。

学び合いの計画

子供は、前時で「あわせて」の場面を、数えたりブロック操作をしたりして考えてきています。

本時では、その学習経験を生かし、「ぜんぶで」も「あわせて」と同じ合併場面であることに気付かせることが重要です。

同じ合併場面かどうかを判断するポイントがブロック操作における、2数を寄せ合わせることです。このブロック操作が同じことに気付かせることで、問われている表現は異なっていても同じ意味であることを捉えさせます。

しかし、ブロック操作で2数を寄せ合わせずに数えて答えを出す子供も一定数いることが予想されます。

そこで、まずはその考えを取り上げた後、「ひと目で答えが分かるにはどうしたらよいか」と問い、寄せ合わせる考えを引き出すことで、全員の理解を促していきます。

その後、「あわせて」の問題場面と「ぜんぶで」の問題場面を比較させることでどちらも、ブロックを寄せ合わせることで答えが出せることが同じであることに気付かせていくことが重要です。

ワークシート例

イラスト/横井智美、やひろきよみ

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