【相談募集中】自分より20才以上も年上の初任者先生との関わり方が分からない
20才以上も年上の初任者先生との関わり方に悩んでいる先生からの相談が、みん教相談室に寄せられました。元札幌市立小学校長・佐藤裕三先生は、「本当の問題」を見つけるための工夫が必要だと言います。
目次
Q. 自分より20才以上も年上の初任者先生との関わり方が分かりません
自分より20才以上も年上の講師の先生と学年を組むことになりました。以前は、別の職種だったため、小学校の現場は初めてだそうです。初任者の先生に教えるような内容を日々伝えることに疲れてしまいました。自分よりも年上なので、伝え方にも気を遣います。年上の初任者の先生とどのように関わっていけばいいでしょうか?(snowman先生・30代女性)
A. 問題を小分けにしたり、視点を変えて深掘りしたりすることが必要です
「20才も年上であること」は「悩み」の原因なのでしょうか。もしそうだとしたら諦めるしかありません。年齢差そのものは努力でどうこうできるものではないからです。年齢差は根本的な問題というよりも、「与えられた条件」として考えたほうがよさそうです。
「悩み」を大きな塊のままで感覚的に捉えていると、なかなか次の一手が見えてきません。本当の問題を見つけるには、初めに問題だと思ったことを小分けにしたり、視点を変えて深掘りしたりすることが必要です。
例えば、その講師の方が自分よりずっと年下の初任者だったら、「初任者の先生に教えるような内容を日々伝えること」に疲れるでしょうか。「やっぱり疲れるかもしれないな……」と思ったら、ひょっとしたら「仕事の責任が重くなって、家庭的な状況もあって、余裕がなくなっている今の自分」といった別の問題があるのかもしれません。「若者ならできるけれど、今の講師の先生には伝えにくい」ということなら、その「伝えにくさ」はどこからきているのかを深掘りしてみてはいかがでしょう。
「初任者といっても年齢を考えればこれくらいのことは言わなくても分かるはず」という過剰な(?)期待をしているかもしれません(特に安全や保護者対応に関わることは、「これくらいは分かるはず」という見逃しが大きなトラブルにつながるので注意が必要です)。あるいは、実は年齢差だけではない「伝えにくさ」があるのかもしれません。ではその伝えにくさの正体は何なのか……といったことを深掘りしていくわけです。
このように問題を細かく砕いて具体化していくと、その先もだんだん見えてくることがあります。
例えば、「この時間だけは自分の学級のことに専念する時間」と決めて教室で仕事をするとか、自分が感じていることを講師の先生に伝えて相手の考えも聞いてみる……、などのアクションを思いつくかもしれません。自分でできることが見えてくるわけです。
また、自分ではなく他の先生方の力を借りること。例えば、自分からは話しにくい問題については教頭先生から伝えてもらう、といったこともできるでしょう。
中には解決策がないので「諦める」しかないことがあるかもしれません。そうだとしても、なんとなくモヤモヤして過ごしているよりはずっといいと思います。
民間企業では終身雇用や年功序列がなくなって、上司と部下の年齢が逆転したり中途採用で年齢の高い新採用者が入ったりするのが当たり前になっています。学校もいずれそうなっていくことでしょう。そうした状況の中で、職場で「人を育てる」という役目はますます大きな価値をもっています。
講師の先生と一緒の1年が、snowman先生の今後のキャリアにも大いに役立つ1年になることを期待しています。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。