• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

【新採先生へ】自分の教育観を作るための「学び」とは

2019/9/20

新採教員として生活を始めたみなさん、学校の環境にも慣れてきたら、自分自身の教育観を作り、教員としてのステップアップを目指していきましょう。オーソドックスな視点を大切にした上で、先生として成長するための学びのポイントをアドバイスします。

執筆/岡山県公立小学校・南 惠介

新規採用 教室環境の確認
他の先生方の教室を覗いてみよう

その1:周囲から学ぶ

成長するために最も大切にするべきことは、周囲の先生から学ぶということです。

まずは、その学校の文化を理解しつつ、そこに根ざした教育を進めている、「職員室の先生」から多くの情報を得るようにしましょう。

「周囲から学ぶ」とは、具体的にどうすればよいのでしょうか。具体的には次の二つです。

○ 職員室の先生に聞くこと
○ 教室を覗くこと 

まず、職員室の先生方は「あなた」のことをよく知っています。だからこそ、あなたに合った方法を考えてくれます。

また「聞く」ことで、人間関係がつくられていきます。

じつは、初任者に気を配っている先生方は案外多いのですが、その一方で、なかなか声をかけづらいと考えている先生も多くいます。「お忙しいのにすみません」と一声かけて、ぜひ教えを請いましょう。

次に「教室を覗くこと」について述べます。

初任者ということで、授業を見せてもらうことは多いと思います。しかし、それ以上に、自分からこの先生の授業が見たいと声をかけ、一つでも多くの授業を見せてもらうことは非常に有益です。

そして、授業だけでなく、放課後にいろいろな教室の様子を見に行くのも勉強になります。

掲示、机の配置、小物の使い方、整理整頓の仕方などを見ていくことで、教室環境のつくり方を学ぶ機会となるだけでなく、学級経営や授業づくりも間接的に学ぶことにつながります。

その2:書籍や校外の研修で学ぶ

今の学級の課題や皆さんの興味や必要感に応じて、校内の研修が進むことはまずありません。その時々で必要なことや、興味があることは自分からどんどん学んでいきましょう。そのためには、本を読むことが一番適しているように思います。

また、校外の研修にも参加してみましょう。

著作を持つ先生方の中には、官製研修や民間のセミナーなどで講座を持つなど、実際に話を聞くことができる人も少なからずいます。また、それほど有名ではなくても、実力があり、話が上手な先生方もたくさんいます。

その3:子どもから学ぶ

教師自身を伸ばしていくために一番大切で、そして一番難しいことは、やはり「子どもから学ぶ」ということでしょう。

子どものその時の表情や行動の表面から学ぶことは、本当に多いものです。

特に先生を困らせる子、学習が苦手な子。そのような子を表面だけでなく背景も含めて、「見取ろう」とし、そのために自分は何ができるかを考えることで、本当に力のある教師に成長していくと思います。

新規採用 子どもから学ぶ

これは一朝一夕にはいきませんが、今から意識して教室で過ごすことで、いろいろなことが見え、そして手立てを打つことができる教師に成長していきます。

その4:教育観をつくる

誰と一緒にいる時間が長いかは、実は大きな問題です。

この時期に「この先輩すごいな」「こういう先生になりたいな」と思える先生を見つけ、できるだけ一緒にいて、話をしたり、仕事の仕方を見たりするとよいでしょう。

そういう先生に限って多くの仕事を抱えて、非常に忙しそうにしています。しかし、だからこそ声をかけ教えを請う。いや、同じ空気感を感じることですら価値があるのだと思います。

新規採用 教育観をつくる

自分に関わろうとしてくれる先生も大切にしつつ、しかし、それ以上にモデルとなる先生に食いついていくことは、後の教師人生に大きな影響を与えます。

それは現段階のあなたが、「現場でどういう先生になりたいか」ということが、「教育観を選んでいる」ことに他ならないからです。

もう一つ付け加えると、書籍やネットなどの実践やネタの裏側には、「どういう先生か」イコール「どういう教育観か」が潜んでいます。

良いアドバイス、実践やネタでも「自分に合わないな」と思えば、それは「しない」という選択をするのが、じつは正解だと思います。

ただ、年齢やキャリア、生活の変化に応じて「教育観」は変わっていきます。いろいろな先生の考え方を尊重しつつ、柔軟に多くの考えに触れながら学んでいくとよいでしょう。

おわりに

最後になりましたが、若い時期の「先生」って、やっぱり特別です。周囲のアドバイスも大切にしつつ、あなたらしさも大切にしてください。そして、子どもたちにとって「お姉さん先生」「お兄さん先生」であることを存分に楽しみつつ、皆さんが子どもと一緒に成長していかれることを願っています。 

イラスト/バーヴ岩下

『教育技術 小一小二』2019年9月号より

関連する記事

職員室記事一覧

兵庫教育大学大学院教授・藤原忠雄
教師の心と体を守るためにキャリア発達に応じた適切な支援を

平成30年版「過労死等防止対策白書」によると、教職員の80.7%は業務に関連するストレスや悩みを抱えているといいます。特に最近、現場で目立つのは何らかの悩みを抱…

新時代に求められるマネジメント型リーダーとしての校長

新時代の学校課題に直面する学校組織のリーダーとして、いま校長にはどのような役割が求められているでしょうか? 人材育成や保護者・地域との連携など、多様な教育課題の…

青空と白い雲
自らの心と体を守るための「教師のストレスチェック」

教師が健康な心の状態を保つためには、常に自分のコンディションを知っておく必要があります。ここで紹介する「ストレスチェックリスト」を試してみましょう。

【新採先生へ】自分に足りないことを気にせず、自分の強みを生かそう

新規採用の担任として過ごす毎日は、緊張感あふれるものだったと思います。日々奮闘する若手の先生方に、毎日の仕事を楽しんでいる先輩教師からのエールをお届けします。 …

【新採先生へ】自分の教育観を作るための「学び」とは

新採教員として生活を始めたみなさん、学校にも慣れてきたら、自分自身の教育観を作り、教員としてのステップアップを目指していきましょう。オーソドックスな視点を大切に…

明日からできる!働き方改革のヒント

世界中の教師の中でもっとも労働時間が長いと言われている日本の先生。効率化できる仕事は少しでも時間を短縮して、笑顔で子どもたちと向き合う時間をできるだけ長く確保し…

2019/9/12

慌ただしく働く先生
NO残業で成果あり「とっておき時短術」Q&A

行事が多く、何かと気ぜわしい二学期。教材の準備、テストの丸付けやノートのチェック、保護者への対応などに追われ、今日も残業…という先生も多いようです。残業の原因を…

2019/9/7

習熟度別指導─効果的に機能させるには集団づくりから

学力の格差問題を長年研究してきた大阪大学大学院の志水宏吉教授に、格差を縮小するために学校ができること、習熟度別指導を導入する際の注意点などを聞きました。

「新時代の学びを支える先端技術活用推進」で見えてきた本格的なICT教育

2018年11月に文部科学省から公表された「柴山・学びの革新プラン」。その方向性に、教育再生実行会議などの議論の結果等も踏まえ、2019年6月25日に最適な先端…

2019/8/10

〈学校環境整備〉特別支援学校と普通校の校舎合築で子ども・教師の心が育つ

設計から6年をかけて完成。小学校と特別支援学校を合築した、新潟県糸魚川市立糸魚川小学校と 糸魚川市立ひすいの里総合学校を紹介します。インクルーシブや地域との交流…

2019/8/9

もっと見る