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かけ算九九はゲームで指導【前編】楽しくかけ算のよさを説明するには?

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授業で使えるゲーム特集!かけ算「九九」を簡単に楽しく覚える
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小学二年生算数の山場である、かけ算九九を、クラス全員がすらすら言えるようにするには、子供たちの「九九を覚えたい」という気持ちを引き出すのが近道。ゲーム要素を取りいれて、子供たちがはりきって取り組む学習を考えてみましょう。

執筆/富山県公立小学校教諭・前田正秀

九九のイメージかけ算

数え対決で、かけ算のよさを実感

かけ算の学習の導入では、かけ算を使うよさを十分に味わわせることが大切です。よさを実感することが、「かけ算九九を覚えたい」とう意欲の原動力となり、主体的な学習につながります。

かけ算のよさは、うまく数えられることです。同じ数のまとまりに目を向けると、やみくもに数えるよりも効率よく数えることができます。「一つ分」がどれだけで、それが「いくつ」あるかさえわかれば、全体の数を求めることができるのです。そうしたよさを味わえるように授業を仕組みたいものです。

例えば、こんなゲームはいかがでしょう。

「チョコが何個あるかな。5秒で数えましょう」と言って、チョコの絵を見せます。教室を半分ずつ二つのチームに分け、「正解が多いのは、どっちかな」と競わせると盛り上がります。ここで提示する絵にこっそり仕掛けを施しておきます。一方の子供たちに見せる絵(下図の(ア))は、ばらばらに置かれたチョコの絵、もう一方の子供たちに見せる絵(イ)は、きれいに並べられたチョコの絵にしておくのです。

チョコを数える競争

そうすると、(イ)を見た子供たちは「12個!」とみんなの答えが一致するのに対して、(ア)を見た子供たちの答えは、「11個だったかな・・・」「13個だったような・・・」と曖昧になってしまいます。勝負は(イ)のチームの圧勝となりますが、(ア)のチームの子供は納得しないはずです。「きっと、(イ)の方が簡単だったに違いない」という声があがることでしょう。

クイズは、両方とも答えは12だった

そこで、「実は(ア)と(イ)、どちらも答えは12個だったんですよ」と伝え、二つの絵を提示します。両方の絵を見た子供は「ずるーい」という声をあげ、「(イ)の方が数えやすいよ。だって・・・」と、(イ)が数えやすい理由について考えていくことでしょう。

かけ算するときのものの数え方

(イ)は、3のまとまりが四つ並んでいます。ですから縦と横の数さえ分かれば、全てのチョコを一つずつ数えなくてもよいのです。こうしたやり取りをしながら、同じ数のまとまりに目を向けるよさを実感させるのです。中には、数え方を「3たす3たす3たす3で、12」と言わずに、「3を4回たして12」といった言い方をする子も出てくることでしょう。「3たす」を何度も言うのが面倒だからです。こうした些細な言い方の工夫も大切に扱いたいものです。「3×4=12」と、かけ算の記号を用いて簡潔に表記するよさにつながります。

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