小5[A真理の探究]真理を大切にし、物事を探究しようとする心をもつにはどうすればよいかを考える授業【文部科学省教科調査官同行監修】動画・道徳科実践レポート
今回は小5の内容項目[A 真理の探究]「真理を大切にし、物事を探究しようとする心をもつこと」の授業レポートをお届けします。世の中が不安定になっている時代だからこそ、特に道徳性を養う道徳科の授業が重要視されています。今回はスペシャル企画で、特別に浅見哲也教科調査官の授業実践を動画で分かりやすく紹介します。調査官のふり返りの動画もぜひご覧ください。
授業者/文部科学省教科調査官・浅見哲也
目次
小5[A 真理の探究]真理を大切にし、物事を探究しようとする心をもつにはどうすればよいかを考える授業
主題名:問題を解決するために 内容項目[A 真理の探究]
教材名:「天からの手紙」(文部科学省)
本時のねらい:真理を大切にし、物事の本質を見極め、工夫して生活をよりよくしていこうとする態度を育てる。
導入
1 真理の探究に関わる経験の想起
●日常生活をふり返り、真理の探究に関わる経験を想起し、問題を解決するために自分に必要なものは何だろうという問題意識をもつ。
生活で何か困ったことはありますか。
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困ったことを自分で解決したことはありますか。
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展開
2 教材「天からの手紙」の読み聞かせを聞き、中谷宇吉郎さんのすごいところを見付ける
●学習課題は「困っていることを解決するために必要なものは何だろう」。その学習課題について考えていくために、教材「天からの手紙」を活用し、雪の研究で世界的に有名な科学者、中谷宇吉郎さんの真理の探究に向かう道筋をたどりながら、子供たちが自分事として考えられるようにする。
●学習課題である「困っていることを解決するために必要なものは何だろう」を声に出して言う。
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●教材「天からの手紙」の読み聞かせをする前に、「『天からの手紙』を読みますので、みなさんに探してほしいことがあります。それは中谷宇吉郎さんのすごいなと思うところです。後で聞きますので、考えながらお話を聞いてください」と伝え、教師の読み聞かせを聞く視点がもてるようにする。
中谷宇吉郎さんのすごいところは見付けましたか。
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3 学習課題について、考えを深めていく
●「興味をもつこと」→「興味をもったものが、困っているものを解決することにつながるか」→「中谷さんの発想がすごいとはどういうことか」→「どんなことを考えると解決するための発想が見付かるのか」という道筋をたどりながら、子供たちが自分事として、解決するために必要なものを考えていく。
興味をもつことは何かありますか。
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発想がすごいとはどういうことですか。
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「興味、関心をもつ」「解決する発想をもつ」「あきらめずに努力する」この三つの中で自分に欠けているところはどこですか。
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問題を解決していくためには、どんなことを考えるとよいのでしょうか。
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みんなが困っていることを解決できる、あったらよいと思うものはありますか。
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4 自分自身をふり返り、学習課題について考えをもつ
●ワークシートに書く活動を取り入れ、自分自身を見つめ、ねらいとする道徳的価値の理解のもとに、自己の生き方についての考えを深める。
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終末
5 教師の説話を聞く
●星野富弘さんの詩を紹介する。そのなかで、「自分の0.1は何か」を考えて、真理の探究についての意欲をもつ。
●困っていることを解決するためには、自分の発想や想像力などを使って、試してみたり挑戦してみたりしてあきらめずにやれば乗り越えられることだってあることに気付いた。一人で考えなくてもみんなと話し合って答えを見付けてたどりついてもいいと分かった。
●身の回りをよく見るといろいろな発想ができるかもしれない。だからこそ、小さなことから大きなことにつなげていきたい。ぼくは、そのように生きていきたいです。
●一人ひとり違うことがあり、興味をもっている人や発想がある人、あきらめずに努力する人など、人それぞれ。自分ができることは一つではなく、たくさんありそう。今日のことを生かしてこれからも自分のすごいところや友達のすごいところを見付けていきたいと思います。
文部科学省教科調査官・浅見哲也先生の授業実践のふり返り
<浅見先生のふり返りはこちら>
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プロフィール
浅見哲也(あさみてつや)
文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官/1967年埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、1990年より埼玉県熊谷市及び深谷市内公立小学校教諭、埼玉県教育局指導主事、深谷市教育委員会指導主事、深谷市内公立学校教頭、小学校校長兼幼稚園長を経て、2017年より現職。どの立場でも道徳の授業をやり続け、今なお子供との対話を楽しむ道徳授業を追究中。
取材・文・構成/浅原孝子 撮影/北村瑞斗