子供の写す力を伸ばす「点つなぎ」【漢字コグトレ #6】課題シート付
6回目の今回は「写す」力を伸ばすトレーニングのなかの[点つなぎ]の漢字版である[点つなぎ(漢字)]にチャレンジしましょう。「コグトレ」とは、宮口幸治先生たちが開発した「コグニティブ(認知)機能」を高めるトレーニングのことで、身体面、学習面、社会面の3方面から包括的にトレーニングする特徴があります。本連載では、学習面のトレーニング(認知機能強化トレーニング)を基に、図形や記号、数字などを漢字に置き換え、漢字に特化した「漢字コグトレ」を紹介します。
監修/立命館大学教授・宮口幸治
目次
「認知機能強化トレーニング」とは
コグトレの認知機能強化トレーニング(→詳しくは連載第1回を参照)は、以下の表のように「覚える」「数える」「写す」「見つける」「想像する」の合計5つの分野をターゲットとしたトレーニングから成り立っています。
今回は、「写す」のなかから、[点つなぎ]の課題を紹介します。
このトレーニングは、見本の形を正確に写すことで、視覚認知の基礎力の向上をめざします。学習の基本は模倣から始まります。例えば、漢字を覚える際には、漢字の見本を見ながら、ノートに正確に写すという作業から始まります。
「写す」のなかから[点つなぎ]の漢字版[点つなぎ(漢字)]に挑戦しましょう。
漢字の形を使っているので、漢字力を養うことにもつながります。また、点の上に漢字が配置されているので、習っていない漢字でも写すことが可能です。低学年も、ぜひ挑戦してみてください。
[点つなぎ(漢字)]にチャレンジ!
ねらい
見本をそのまま正確に写すことで、視覚認知の基礎力を付けます。また、漢字の形を正しく把握する力、視覚と手先運動とを協応させる力などを育みます。
進め方
上段の見本を見ながら、フリーハンドで下段に写します。
※定規を使わないように伝えましょう。
※点の上に漢字が配置されているため、漢字の形が正確でない場合があります。ここでの目的の第1は写す力を付けることなので、時間に余裕があれば正確な漢字の形を教科書や辞書などで確認しましょう。
課題シート
※①②の順に難易度アップ!
授業の進め方
進め方は以下の手順を参考にしてください。※詳しくは『子どもの認知能力をグングン伸ばす!マンガコグトレ入門』(小学館)をご覧ください。
宮口幸治(みやぐちこうじ)
立命館大学教授 一般社団法人日本COG-TR学会代表理事
京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務、2016年より現職。困っている子どもたちの支援を行う「日本COG-TR学会」を主宰。医学博士、子どものこころ専門医、日本精神神経学会精神科専門医、臨床心理士。著書『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)が大ベストセラーになる。
取材・文・構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ
出典:『コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング』(三輪書店)、『1日5分! 教室で使える漢字コグトレ 小学1~6年生』(東洋館出版社)
『子どもの認知能力をグングン伸ばす! マンガコグトレ入門』(小学館)
教室を舞台にしたマンガでコグトレの進め方を楽しく具体的に紹介しています。「コグトレを取り入れたいけれど、何からどのように始めたらよいかわからない」という方にもピッタリの1冊です。「コグトレ」の代表的な50種のトレーニングのねらいや進め方・ポイントなどを、マンガを交えて易しく解説。紹介する課題のワークシートはすべてダウンロード可能。
A5判/224頁
ISBN9784098402182