読書の秋〜本に親しみ、学級づくりに生かす〜
読書指導は、短期的に行うものではなく、年間を通して行っていくことが大切です。読書をすることで、文字を覚えたり、感情を読み取ったりすることができるなど、本から学ぶことがたくさんあります。近年、活字離れや読書離れの子供たちが増えていると言われています。読書の秋と言われるこの時期だからこそ、読書の習慣を身に付けられるように、指導に力を入れるとよいでしょう。たくさんの本に出合えるように、読書指導を工夫することで、子供たちが読書の魅力に気付き、活字に親しむ態度を育てていきましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・西田あすか

目次
本に親しむ環境づくり
学級文庫を充実させる
子供たちの読書離れの原因の一つには、本が身近にないことが挙げられます。教室に学級文庫がなかったり、あったとしても、子供たちの興味のわく本がなかったりすることはないでしょうか。
本を選ぶために、学校図書館に行く子供は少ないかもしれません。隙間の時間に読書をするためには、子供の身近に本があるということが大切になってきます。
特設コーナーを作る
期間限定の特設コーナーなどを作ると、子供たちも意識して読書をすることができます。
教科学習と関連させて
教科学習と関連する本は、子供たちの興味・関心がとても高いものです。学校司書に相談して、学級単位で借りられるようにしてもらえるとよいでしょう。もちろん、学習にも利用することで、自然と読書をする機会を増やすことができます。
先生お薦めの本
先生の読んでいる本や、お薦めの本を置いてみるのもよいでしょう。「先生の読んでいる本」というだけで、興味を示す子供たちも増えます。定期的に本を変えることで、興味・関心も高めることができます。

読み聞かせを行う
誰かに本を読んでもらう経験は、大きくなるにつれて減ってしまいます。個人で読書をすることも大切ですが、担任による読み聞かせも子供たちは大好きです。紙芝居や絵本のような、それぞれの登場人物になりきった話し方で読んだり、じっくり考えてもらいたいことを諭すように読んだりすることで、本の世界に入っていくような環境をつくることができます。自分では気付かなかった本の楽しさを見付ける経験が、読書に親しむきっかけの一つになります。
担任だけではなく、学校司書に読んでもらったり、係活動の一つとして生かしたりするのもよいでしょう。
学校図書館を利用する
この時期は、意図的に学校図書館を利用する機会をつくるとよいでしょう。たくさんの本に囲まれる環境に、居心地のよさを感じる子供もいるかもしれません。
読み終わっても新しい本をすぐ選べたり、教室にはない種類の本も置いてあるので、選ぶ楽しみを見付けたりすることもできます。図書の時間の終わりには、一人一冊本を借りて教室に戻るようにすると、また学校図書館を利用するきっかけとなります。