【相談募集中】毎年溜まる資料や教材、どのように片付けたらよいですか?
年々増え続ける資料や教材の片付けに頭を悩ませている先生から、「みん教相談室」に相談が寄せられました。これに答えてくださったのは、学校片づけアドバイザー・伊藤寛子さん。処分の基準や保存方法についての具体的なアドバイスと、途方に暮れて重くなった心が軽くなるメッセージをシェアします。
目次
Q. 毎年溜まっていく資料や教材。保存/処分の基準についてアドバイスをください
片付けについて質問です。
私は任期付きの教員で、勤め始めてから2校目です(勤務年数は5年)。
年度末、資料が沢山溜まっていくのですが、どの程度処分したり、とっておいたりした方がよいのでしょうか?
前年度までの資料や作った教材など、とっておいた方がよいもの、処分してもよいもののアドバイスが頂けるとありがたいです。(こまち先生・50代女性)
A. ポイントは「今後また使うかどうか」と「省スペース化」。
誤って手放してしまっても、後悔は案外少ないものです
はじめまして。学校片づけアドバイザーの伊藤寛子です。
横浜市立小学校教諭として31年間勤務したのち、教員の経験を活かして、今はあちこちの学校の片づけをしています。
データ化が進んでいるとはいえ、学校ではまだまだ紙の資料がたくさんありますね。この溜まる書類をどのように残し、どのように保存するか頭を悩ませること、よーく分かります。
そこで、今までの経験と、片づけを学んだことからお答えします。
1. 残す資料や教材を判断する
これは、こまち先生ご自身が、今後同じモノを使うかどうかです。
例えば、私の友人で1年生を何度も受け持つベテランがいました。こういう場合は、資料や教材は何度も使えます。
けれど、1〜6年のどの担任になるか分からないのに、いろいろ持ち続けるのはどうでしょうか? 支援級も含めると、確率は7分の1です。
資料・教材の量、それらを置いておく場所の問題もありますね。
もし、とっておいても年に一度は点検して、必要ないと思ったら手放すことをしていってください。
そして、ここに入るだけ——例えば「この箱に入るだけ」——など、場所や範囲を決めて、そこに入るだけにするというようにしてはどうでしょうか?
判断の基準ですが、「今後、2〜3年の間にまた使うことがあるかどうか?」「二度と手に入らない資料かどうか?」で考えてみてください。
時代はどんどん変わっていきます。
古い資料はどんどん使えなくなります。
教材も変わります。
アンテナを張っていれば、もっと良い資料に出合うこともあります。
1つ手放すと、また新しいモノが入ってくると言われていますから。
2. デジタル化して保存する
もう1つ、保存の方法があります。
紙の資料でしたら、簡単にデジタル化できるので、どんどんスキャンして保存します。現物はなくなりますが、資料は保存されているので、見たい時に見ることができます。
また、実物ではなくなりますが、作ったモノなどは写真に撮って保存しておきます。
昔、同僚がこんなことを言っていました。「指導案はとっておかなくても、作った人を覚えておいて、その人に元のを見せてもらえばよい」と。
これは大胆な考えですが、どこで手に入れられる資料かが分かればよいのです。
今は簡単に調べられる時代なので、手放しても大丈夫かもしれません。
3. ファイルで保存する
もう1つ、紙の資料の場合、紙で持っていたいなら簿冊式ファイル(綴じるタイプ)ではなく、バーチカルファイル(挟むタイプ)にすると、場所をあまり取らずに保存できます。
このバーチカルファイリングについては書くと長くなるので、申し訳ありませんが検索願います。
このやり方を現役の時に知っていたらどんなによかったかと、今思う私です。
まとめ〜過去のモノを失っても大丈夫
要するに、今後使うかどうかということです。これは未知のことで難しいですが……。
それから、手放しても後悔することって、案外少ないものです。
ちょっと例が違うかもしれませんが、以前スマホの写真データを誤って削除してしまったことがあります。でも、困ったことはありませんでした。
また、別の方が、「パソコンのデータが無くなってしまったけれど、何も困らなかった」と言っているのを聞きました。
案外そんなものです。
もし、「捨てなければよかった」と後悔しても、その時までにはこまち先生の経験が蓄積されているので、きっともっと良い教材が作れると思いますよ。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。