通知表・夏休み指導・連絡帳・トラブル・・・夏の保護者対応のキモをまとめます!

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【通知表特集】所見欄の具体的な書き方から「出さない」選択まで
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季節ごとの行事について保護者対応の方法を紹介します。この記事でとりあげた事例やヒントをもとに、ぜひ保護者とのよりよい関係を築いていただければと思います。今回は「夏」の季節にある保護者対応の紹介です。

信頼される通知表にするには

通知表は、子どもにとっても保護者にとっても楽しみなものです。また、通知表を重くとらえている保護者が多いことも事実です。だからこそ、保護者から信頼される通知表を作成しなくてはなりません。

担任は、さまざまなことに気を配って通知表を作成します。ですが、クレームをつけられることも少なくありません。ここでは、通知表へのクレームの対応を考えてみましょう。

通知表へのクレームの分類

手続き・外見の不備からの不満
評価についての不満
所見欄の表現への怒り

クレームを未然に防ぐ努力を

印字もれ、誤字、脱字などの記載ミスを防ぐために、下記のようにチェックしましょう。

❶下書きをする。(エンピツ書き)

❷下書きの段階で、学年の先生や副校長などの管理職に見せて、表現のおかしいところ、記載ミスをチェックしてもらう。

❸清書したら必ず校長に見てもらう。(最終チェック)

クレームへの具体的な対応

成績や行動の様子などについて、学年で評価の基準を明確に決め、保護者からの疑問や質問に答えられるようにしておきます。

保護者の疑問・質問とは

「うちの子は、○○さんよりテストの点数がよいのに、なぜBしかもらえないのでしょうか。○○さんはAだと聞きましたが。」

このようなクレームには、まず、保護者の気持ちをじっくり聞いてから、通知表で友達と比較するのは本人のためにはならないと伝えます。そして、通知表のねらい(学習をどのくらい理解したか、何が課題なのか、これからどのように取り組めばよいのかなど)をよく理解してもらいます。

どうしてBの評定になったのか、保護者が納得する記録や資料を見せ、担任の思いや考えを伝えましょう。Aの数だけで判断せず、子どものがんばりを少しでも見取り、励ます材料にしてほしいことを伝えます。

信頼される通知表作成のポイント

悪い例
▶〜ができません。
▶忘れ物が多くて困ります。
良い例

▶〜ができるように今後も指導します。
▶〜しようとする姿勢が見られ、その成長をうれしく思います。

【所見欄について】

子どもの学校でのようすを文章で表す欄ですが、人権感覚をしっかりともち、否定的、断定的な表現は避けます。できるだけよさを認め、子どもを励ます表現をします。改善点については、前向きにがんばろうと思える、そして、勇気や励ましを与えられるような表現方法を工夫します。

【係活動、委員会、クラブなど特別活動の欄】

係の名前だけを書くのではなく、活躍したことやその活動ぶりを具体的に記入するようにします。係活動での活躍ぶりなどもわかり、保護者としてはわが子の知らなかった部分を知ることができます。担任がわが子をしっかりみてくれていることが、保護者にとってはなによりうれしく、大きな信頼となります。

係活動の様子を具体的に書く
係活動の様子を具体的に書く
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夏休み中の生活に関する指導

保護者の意識を高めるための工夫を

夏休み中は、子どもを家庭に返すということを保護者に十分に理解してもらい、長い休みを有意義にすごすにはどうすればよいか、家族で話し合って計画を立ててもらいます。夏休み中の生活について、保護者の意識を高めるために担任として工夫をしましょう。

保護者は、子どもたちが漫然と夏休みをすごすのではなく、充実した夏休みになることを望んでいます。また、夏休みの計画を保護者が一緒に考え、「こんなことができるかもしれないね。」などのアイディアを出せば、子どもたちもやる気になるということが、保護者にも実感としてわかってもらえるでし

保護者も一緒に取り組めるものを提案

【夏休みに、親子で一緒にやってみよう】

○親子でラジオ体操に参加し、規則正しい生活をしよう!

これは、長い休み中に規則正しい生活リズムですごすことが目的です。保護者も一緒に取り組むことによって、その重要性を認識してもらい、保護者の意識を高めます。

親子でラジオ体操に参加する指導

❶ラジオ体操参加カードを作成して、保護者の分も夏休みに入る前に配付しておく。
❷「皆勤賞」「ともにがんばったで賞」などクラスで賞を決め、夏休み後に表彰することを事前に伝えておく。

○自由課題は親子で取り組もう!

とくに自由研究については、保護者が一緒に参加して取り組めるようなテーマのヒントを、事前に学級だより等で知らせておきます。

自由研究は親子で取り組めるようなアドバイスを

〈ヒント・例〉
・夏の夜空の観察
・親子でクッキング
・気になるニュース

・親子で体力づくり(マラソン、水泳、ウォーキング等)

新学期に保護者参加の発表会を開催

新学期が始まってから、夏休み中の取り組みについて、保護者参加型の発表会を行います。また、同時に作品展も開催します。

【夏休み作品展について】

夏休み作品展

保護者の意識を高め、いかに関心をもってもらうかはとても大切なことです。そのため、意図的、計画的に保護者へ働きかけることを考え、保護者をまきこんでのシステム、保護者参加型の取り組みをしていくことが有効です。ともに子どもを育てていくパートナーであるという意識づけをするよう、機会あるごとに工夫して実践しましょう。

保護者に作品展を鑑賞してもらい、あらかじめ用意しておいた鑑賞カードへの記入をお願いします。(感想、印象に残った作品等)

鑑賞カードの例
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鑑賞カードに書いてもらった感想は、学年だよりや学級だよりに載せ、ほかの保護者にも知らせます。その際は、ただ感想を載せるだけでなく、担任からも、保護者の感想へのお礼や感謝の気持ちを言葉にして載せましょう。こうして、教師と保護者の双方向のやりとりができるように工夫します。

学級だよりに感謝の言葉を載せる
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連絡帳の活用法

連絡帳を書かせるねらい

子どもに連絡帳を書かせることには、次の二つのねらいがあります。その一つは、学習道具、宿題、提出物などの忘れ物をしないようにするため。連絡帳に、宿題や持ち物について毎日書くことで、忘れ物を防ぐことになります。

二つめは、黒板の字を書き写すことにより、板書したものを正確に速く書き写すことができるようにするためです。また、ときには板書せずに聞くだけで書かせることもあります。これは、人の話を正確にききとり、正確に書くというねらいがあります。

連絡帳の書かせ方は、それぞれの学年の発達段階に応じて工夫するとよいでしょう。連絡帳が、学校と家庭で子どもを育てる実践の場となるよう、また、保護者とよりよい連携を図るための道具として、効果的な活用のしかたを工夫しましょう。

担任と保護者の間では

書類の提出や納入代金の遅れについて、学校での子どものようすで気になることなど、担任が保護者に連絡したいことがあれば、連絡帳に書きます。

保護者ヘの連絡事項
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保護者からは、わが子が欠席するときに連絡帳に書いて担任に知らせます。また、わが子に関して、担任に知らせたいことがあるときにも書きます。

連絡帳に書いてくる苦情への対応

連絡帳に苦情やむずかしい質問を書かれて返事に困ったときは、まず、学年の先生や管理職に相談します。直接話したほうがよいと思われるときは、連絡帳には「あらためてお電話させていただきます。」と書き、どんな対応をしたらよいかを管理職等に相談してから電話をします。

保護者からのクレーム
保護者からのクレーム

用件に担任の一言をそえて

欠席などの連絡に対しては、「わかりました。お大事に。」だけでなく、担任の思いを一言そえると、信頼度や好感度があがります。「○○さんがお休みしているとさみしいです。クラスのみんなも、早く元気になって登校できるのを待っています。」とそえましょう。

連絡帳を活用するための子どもへの指導

連絡帳を提出したか確認

まず、連絡帳の書き方の基本を教え、毎日決まった時間に書かせて習慣化しましょう。しゅ(宿題)、も(持ち物)、わ(忘れ物)など、書く項目を覚えやすく工夫しましょう。子ども同士の相互チェック(内容が書けているか)も効果的です。

また、子どもみんなに自分だけのオリジナルサインを考えさせ、友達の連絡帳をチェックさせるのもよいでしょう。

低学年の場合は、連絡帳に保護者からの連絡が書いてあっても、朝のうちに提出しないことがあります。登校したら、必ず連絡帳を担任に提出する習慣をつけましょう。

連絡帳・例

子どもには、毎日必ず連絡帳を書く習慣をつけます。保護者にも、連絡帳を毎日見る習慣をつけてもらいます。友達に何かをした、迷惑をかけた、というようなマイナスイメージを伝えるだけに連絡帳を使ってはいけません。子どものよいことをたくさん見つけて、どの子にもよいことを書いてあげられるようにしましょう。

【子どもが毎日書く連絡帳・例】

連絡帳の例
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【保護者に連絡するとき・例】

連絡帳の例
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友達関係のトラブル

迅速、正確、公平な連絡を

友達同士のトラブルは、子どもの発達段階によってその内容がだいぶ違ってきます。また、保護者への対応も、トラブルの内容によって違ってきますので、担任の判断力や人間力が求められます。

トラブルの事例と対応の基本

トラブルが発生したら

低学年で多く見られるトラブル
○物を隠された
○仲間はずれにされた
○いやなことを言われたり、されたりした など

トラブルが発生したら

高学年で多く見られるトラブル
○物(ゲームソフト、マンガ)の貸し借りをする
○おごったり、おごられたりする
○メールやインターネットで悪口を書かれた
○仲のよいグループで仲間はずれにされた など

学年会議で情報を共有

低学年は、その日のうちに担任がしっかり指導すれば早く解決するトラブルが多く、子どもへの指導はしやすいものです。

しかし、低学年の保護者は、このようなトラブルに対して経験が浅く、神経質になっていることがあります。担任は慎重に、そして、早期に対応することが大切です。

高学年になると、トラブルの内容が複雑な場合があります。子どもへの指導や保護者への対応を、担任だけでなく、学年のほかの先生や管理職とチームを組んで行ったほうがよいケースもあります。

トラブル後の保護者への対応

保護者へは直接話す

ポイント❶:トラブルを起こした子どもたちから、そのときの状況を聞き、事実関係を明確にして、正確に情報を把握する。
ポイント❷:把握した情報をもとに、子どもたちへの指導を行う。
ポイント❸:トラブルの事実と指導までの状況を、正確かつ公平に保護者に知らせる。

「おごったり、おごられたり」

漫画「おごったり、おごられたり」
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連絡帳での連絡だけでなく、直接保護者に話したほうがよいと判断した場合は、まず、電話で伝えます。さらに、直接会って話したほうがよいと判断した場合は、保護者の都合を聞いたうえで家庭を訪問したり、学校に来てもらって話すようにします。

トラブルの原因が、当事者の子どもたちにともにあるときは、どちらの保護者にも、連絡の方法など、同じように対応します。直接会って話ができるときは、保護者の思いや願い、言い分をじっくり聞き、公平・中立の立場で担任の思いや考えを伝えます。

トラブルがいじめにつながるおそれがあると考えられるときには、毅然とした態度で担任としての思いを保護者に伝え、一緒に解決するための方法を考える姿勢を示します。そして、保護者を非難するだけでなく、ともに育てるというパートナーシップの立場であることを理解してもらいます。

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執筆/長谷川かほる、イラスト/たなかあさこ

教育技術MOOK『COMPACT64 保護者対応12か月』より

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