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【構造的板書】算数「図形の合同」「倍数と約数」

2019/8/31

スッキリした分かりやすい構成で、子どもたちに伝わりやすい板書の書き方を目指す本シリーズ。今回は、小五の算数の「図形の合同」「倍数と約数」がテーマです。
樋口万太郎先生(京都教育大学附属桃山小学校教諭)に、 情報を整理するためのグループ化と、そのために便利なシンキングツールを紹介していただきます。

樋口万太郎先生 撮影/水本克美(桑島写真スタジオ)

算数スキル1:グループで分類する

私が小学生の頃、ある・なしクイズが流行していました。では突然ですが、ある・なしクイズを1問出題したいと思います。

「食う」にはあるけど、「寝る」にはない。
「棒」にはあるけど、「剣」にはない。
「福」にはあるけど、「富」にはない。
「6」にはあるけど、「7」にはない。

さあ、答えはわかりましたか。今はこのクイズが文字で見えるため、考えやすかったかもしれません。しかし、何も書かれずに問題を口頭だけで言われたらどうでしょうか。きっと混乱するのではないでしょうか。情報を頭のなかで整理するのは難しいことなのです。

しかし、ある・なしというグループごとに分類して書くと、とてもわかりやすく、考えやすく、気づきやすくなります。この「グループで分類すること」は算数では多く使われています。

※答えは、記事の末尾にあります。

単元「図形の合同」

単元終末あたりの学習です。この単元を通して「合同」「対応する角や辺」について学習してきています。

四角形の分類をする構造的板書
四角形の分類(クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

この時間では、台形、平行四辺形、ひし形、長方形、正方形といったこれまでに学習した図形を性質によって分類していく学習をします。「性質で四角形を分類しよう」と提示した後、問題を3つ順番に出して、解決していきます。

1問目 1本の対角線で分けたときできた2つの三角形が合同であるか、合同ではないか。
2問目 2本の対角線で分けたとき合同な2つの三角形が2組ある、2組ではない。
3問目 2本の対角線で分けたときできた4つの三角形が全部合同である、合同ではない。

分類していくとき、5つの図形にはそれぞれにア~オまでの記号がついています。その記号だけで分類した様子を表すのではなく、図形を移動させ分類することで、より分かりやすくなります。図形の中に実際に対角線を引きながら考えたり、理由を発表させたりしても有効です。考えることが難しい子には縮小版の図形を配付し、書き込ませながら考えさせます。

3問目まで考えたあとには、この3問のグループ分けを比較させながら、分かったことを表現させます。その時に「①~③を考えて、分かったことは・・・」と型を与えて、表現させることでどの子も書きやすくなります。

算数スキル2:シンキングツール「ベン図」

倍数と約数

倍数、最小公倍数について学習する時間です。シンキングツールの1つであるベン図を使用します。ベン図は、何かを「比較する」「分類する」ということに便利なツールです。

本実践では1~30までの数カードを用意しておきます。ベン図を最初から提示してもいいですが、ベン図を提示せずに黒板上であたかもベン図がそこにあるかのように数カードを意図的に分類していく活動のほうが、子供たちは気づきの楽しさがあります。倍数、公倍数を実感することができます。

「1~30の数を分類しよう」と問題を提示した後、2→3→4の数カードを動かします。そして、「数カードの分け方、気づいた?」と子供に聞きます。なんとなく気づき始めている子もいることでしょう。もしかしたら「6はどこに置くの?」と言い出している子もいるかもしれません。6のカードを真ん中におき、9→10→12の数カードを置き、再び「数カードの分け方、気づいた?」と子供たちに聞きます。(子供の様子を見て、発問するタイミングを変えてください)分け方やその理由を聞いたあと、「この数はどこに置けばいいと思う?」と問いかけながら、残りのカードを子供に置かせていきます。

1~30まで置けたら、丸で囲み、ベン図にします。そして、

・2(3)に整数をかけてできる数を、2(3)の倍数ということを教える(このタイミングで2(3)の倍数とベン図の上に書く)。
・共通している部分を「2の倍数と3の倍数の公倍数」ということを教え、まとめとして書く。
・その中でも6は最小公倍数ということを教え、まとめとして書く。

ということを行います。教えることは教えないといけません。

数の分類方法を、ベン図を使って考える
ベン図(クリックすると別ウィンドウで大きくなります)

この後、3の倍数と4の倍数について考えます。このときは、ベン図を配り、子供たちにベン図に書き込ませながら、考えさせることで、公倍数についての理解を深めることができます。

時間があれば、2の倍数と4の倍数について考えてみます。ベン図が使えそうで、この場合は使えません。この場合はオイラー図というのを使用します。子供たちは不思議に、そして楽しく思うことでしょう。

あるなしクイズの答え:【ある】の単語の間に「うそ」を入れると別の言葉になります。食う「くうそう」棒「ぼうそう」福「ふうそく」6「ろうそく」


『小五教育技術』2018年7/8月号より

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