小1生活「あきをさがそう」指導アイデア

執筆/青森県公立小学校教諭・中原由利子
編集委員/前・文部科学省教科調査官・渋谷一典、文部科学省教科調査官/愛知淑徳大学准教授・加藤智、青森県六ヶ所村教育委員会・学務課指導グループマネージャー・木村智

期待する子供の姿

知識及び技能の基礎

秋の自然と関わる活動を通して、自然の様子や四季の変化、季節によって生活の様子が変わることに気付く。

思考力、判断力、表現力等の基礎

秋の自然と関わる活動を通して、身近な自然の違いや特徴を見付けたり、遊びを工夫してつくったりすることができる。

学びに向かう力、人間性等

秋の自然と関わる活動を通して、身近な自然を取り入れ、自分の生活を楽しくしようとする。

単元の流れ(10 時間)

校庭で秋をさがそう(3時間)

  • 校庭の秋さがしの計画を立てる。
  • 校庭で秋をさがして遊ぶ。
  • 見付けた秋を発表する。

評価規準等
 諸感覚を生かして、身近な自然に関わっている。

※評価規準等の=知識・技能、=思考・判断・表現、=主体的に学習に取り組む態度の観点を示しています。

子供「てんぐのうちわみたい!」

公園で秋をさがそう(3時間)

  • 公園の秋さがしの計画を立てる。
  • 公園で秋をさがして遊ぶ。
  • 見付けた秋をカードに書いて発表する。

評価規準等
 夏と秋の自然の様子や変化に気付いている。
 これまでの学習や経験を想起して、秋の自然の特徴を探している。

子供「いろいろな色があるね。」

葉っぱや実で遊ぼう(3時間+図画工作科との関連)

  • 公園で見付けた秋について話し合う。
  • 秋の自然物を使い、簡単な作品を作ったり遊んだりする。
  • 作った物を紹介する。

評価規準等
 楽しみたい遊びを思い描きながら、遊びに使う物を選んでいる。
 楽しみたいという思いや願いをもち、試行錯誤しながら、秋の自然を生かした遊びをつくり出そうとしている。

秋のことを伝えよう(1時間)

  • 校庭や公園で見付けた「あきのおすすめ」をカードに書いて紹介する。
秋のおすすめカードを描く子供

評価規準等
 季節によって楽しめる遊びが変わるなど、季節によって生活の様子が変わることに気付いている。
 季節を生かして遊ぶことに楽しさと手応えを感じ、これからも季節の遊びを楽しもうとしている。

子供「秋だけでいろんな遊びができるんだね」

活動のポイント1 
春や夏と「違うところ」や「同じところ」という視点で活動できる指導計画の工夫をしよう

一年生は、登校途中に見付けた自然物を担任にプレゼントしてくれることがよくあります。そのときが季節を気付かせるチャンスです。「どこで見付けたの」と尋ねたり、それを身に付けて「どんな感じかな」と問いかけたりするとよいでしょう。

そして、みんなにも紹介し、季節の移り変わりを共有していきます。子供の諸感覚を刺激するチャンスは生活科の時間のみならず、さまざまな場面に転がっているので、教師のアンテナを伸ばしておきましょう。

子供「葉っぱの形は同じだけど、色が赤に変わった」

一年生は、活動や体験に熱中し没頭するなかで、さまざまなことに気付きますが、気付いたことを長く留めておくことが苦手です。そこで、校庭や公園に出かけた後に、春や夏に撮影しておいた写真や動画を見せて、「春や夏と変わったところはあるかな」 などと発問し、相違点に気付かせるようにするとよいでしょう。

また、「におい・手触り・形・大きさ・色・数」など、動植物を観察する際のポイントを春の時期に教えて教室に掲示しておくことで、共通点や相違点に気付きやすくなります。

活動のポイント2 
生活科を中心とした合理的・関連的な指導で学習効果を高めよう

春の時期の一年生は、文字で自分の思いを表現することは苦手です。そのため、自分の気持ちやふり返りを顔マーク等で表すことがよくあります。それでも活動後、ワークシートに書くことを繰り返していくうちに、短い文ながらも書けるようになってきます。

書いた内容や書き方をほめてみんなに広めることで、子供たちは「そう書けばいいんだ」と真似をして書く力が上達していきます。

夏休み明けからの学習では、1枚ポートフォリオシートなど、変容が可視化できるワークシートを使うとよいでしょう。めあてとふり返りを書く活動を毎時間繰り返します。すると、最初の頃は数行しか書けなかった子供も、最後にはどんどん自分で書けるようになります。

この経験がほかの教科にも生かされます。自分の思いを自分なりの表現で自信をもって書く子供が増えていきます。

落ち葉で絵を作る子供

また、見付けた秋を絵に表したり、葉や木の実を使って音づくりを楽しんだりすることなども考えられます。生活科を中心とした合科的・関連的な指導をすることで、学習効果を高めることが期待できます。

どんぐりの楽器で遊ぶ子供

評価のポイント 
体験と表現を繰り返し、気付きの質を高めよう

活動のポイント2で述べた1枚ポートフォリオシートを使って、活動を進めていきます。毎時間めあてとふり返りを書くことによって、自分で見付けたことの再確認になります。また、友達の発表を聞くことによって、新たな気付きも生まれます。

体験活動から表現活動に入るときに、①無自覚な気付きを価値付けて自覚化させる、②一つのことから過去も含めた他のことと関連させる、最終的には、③自分自身の成長に気付かせる、の三つを教師が意識して取り組むことが大切です。①から③のような気付きを授業で取り上げることで、気付きの質が高まっていきます。

1枚ポートフォリオシートに①~③のような記載が出てくると、概ね満足と評価してよいでしょう。

1枚ポートフォリオ(表面の一部)

1枚ポートフォリオの例

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小一小二』2021年8/9月号より

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