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小学生のネット動画視聴、最新調査でさらなる若年化が判明

2019/3/18

タブレット学習
写真/写真AC

内閣府の調査によると、インターネットを利用する子どもが急増するのは、小学三年生からだそうです。なんと三年生の7割近くがネットを楽しんでいるという結果が。しかも、大部分が自分専用の機器を持ち、小学生の間では、ネット利用の主な目的が「ゲーム」から「動画視聴」に変化していることも明らかになりました。

新たに始まった小学三年生までの調査で、ネット利用若年化が鮮明に

内閣府は、平成21年度から毎年、10歳から17歳を対象に「青少年のインターネット利用環境実態調査」を行っています。そして、デジタル世代の低年齢化の流れを受けて、その調査の対象年齢の変更に向けての基礎資料を得ようと、0歳から9歳児の保護者を対象に、子どものインターネット利用状況を聞いた「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査」を初めて実施し、平成29年5月にその調査結果を発表しました。

小学校の学年でいうと、一年から三年に該当する7歳~9歳の子どもたちの調査結果を中心に、今どきの小学生がインターネットとどのように関わっているのか、見ていきたいと思います。

一・二年生では2人に1人。しかし三年生では実に7割近くがネットを利用

インターネット利用状況を調べた際の対象機器は、スマートフォン、携帯電話、ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット、携帯ゲーム機、インターネット接続テレビなど。そのいずれかの機器を使ってインターネットを利用している割合は、7歳が49.7%、8歳が49.5%とほぼ同率。ところが、9歳になるとその割合が65.8%とジャンプアップ。インターネットが小学校三年生の頃から本格的に浸透していく様子がうかがえます。

9歳からスマホ利用者が増加

インターネットで使う機器別に見てみましょう。7歳、8歳ではいずれもタブレット利用が一番多く(26%程度)、2位スマートフォン(19%程度)との間に7ポイント以上の開きがあります。 ところが、 9歳を境ににスマートフォンの利用率が上昇し、1位のタブレット(28.6%)に2位スマートフォン(26.6%)がほぼ並びます。それにノートパソコン(15.1%)が続きます。

ちなみに、冒頭で紹介した、内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」(10歳~17歳対象)によると、スマートフォンは年齢が上がるに従って、利用率も右肩上がりで上昇していきます。調査時期の違いもありますが、13歳でスマートフォンの利用率(35.1%)がタブレット(29.4%)を抜いて、17歳ではスマートフォン(89.6%)に対して、2位ノートパソコンは23.9%と4倍近い差がついています。

学習教材で、自分専用の機器を持つ子供たちが大部分に

続いて、親が子どもに自分専用のインターネット利用機器を買い与えている割合を見ていきましょう。

自分専用機器によるインターネット利用率は、7歳が51.1%、8歳 64.7%、9歳 72.6%という調査結果で、三年生くらいになると大部分の子どもが専用の機器を持っていることがわかります。

子供専用の機器の内訳は、学習用タブレット(88.5%)、子ども向け携帯電話(80.5%)、子供向け娯楽用タブレット(72.7%)、子ども向けスマートフォン(71.4%)の4つの機器が上位を占めています。学習用タブレットが首位に立っていることから、タブレット学習の教材会社が広く浸透してきていることが伺えます。

ネットの1日あたりの平均利用時間は1時間前後

そうした自分専用の機器を使って、子どもたちは親と一緒ではなく自分単独で操作しながらインターネットを楽しんでいるのでしょうか? 子どもが一人で操作してインターネットを利用する割合は、7歳が80.2%、8歳 84.4%、9歳 86.3%。小学校に入ると、すでに大半の子供たちが自分一人で操作してインターネットを利用していることになります。その際の利用機器は、携帯ゲーム機が88.4%で首位という結果になっています。

気になるのが、子どもたちが1日のうちのどれくらいの時間をインターネットに使っているかということですね。

子どもたちの、平日1日あたりのインターネット利用時間は、7歳では「1時間以上2時間未満」が38.3%と最も多く、平均利用時間は74.8分。8歳はそれより少なくなって「30分以上1時間未満」が30.0%を占め、平均利用時間は56.9分。9歳は「1時間以上2時間未満」が31.3%、平均利用時間は64.7分となっていて、この調査結果では、2歳から9歳の年齢の中で、小学一年生に相当する7歳のインターネット利用時間が最も多いという意外な結果が出ています。

悪質な動画の視聴に懸念の声も

インターネットに費やす時間もそうですが、子どもたちが何を目あてにインターネット体験をしているのか、その利用内容も見逃せません。

まず、調査の対象年齢(0歳~9歳)のすべてを通じて高い割合なのが「動画視聴」。7歳でも85.2%で、2位の「ゲーム」(77.8%)を引き離して首位に。8歳では「ゲーム」(76.7%)、「動画視聴」(75.6%)とわずかな差で逆転しますが、9歳になると「動画視聴」(83.2%)、「ゲーム」(81.7%)となって、動画視聴が再び首位に立っています。

ちなみに、インターネットの利用内容の中で、小学校入学後にその割合がグーンと跳ね上がるのが「コミュニケーション」のための使い方。未就学の6歳児の「コミュニケーション」用途は2.6%にとどまっていたのが、7歳になると11.1%と2ケタに達しています。

過激な動画が社会問題になっている今、動画視聴急増の勢いには一抹の不安も感じざるを得ません。最近では、アニメ動画などを装って子どもに視聴させ、暴力や差別などの動画を見させるなど、子どもたちを心理的に傷つけようとするような動画も出てきています。自分専用の機器を持って一人でインターネット動画を楽しんでいる子どもたちが増えている現状を考えると、保護者の注意・観察もしっかり心がけておくべきでしょう。

「注意してもネットをやめない」苦慮する保護者

最後に、その保護者の対応についての調査結果を紹介しましょう。インターネットを通じて子どもと何らかのトラブルを経験した保護者に、その内容を聞いた結果です。

2歳から9歳まで共通して最も多いのが、子どもが「注意してもインターネットをやめない」というトラブル。7歳(17.3%)、8歳(20.0%)、9歳(28.2%)という割合で、2位「不適切なサイトにアクセスした」の、7歳(6.2%)、8歳(2.2%)、9歳(5.3%)という結果との差が顕著になっています。

子どもたちのインターネット利用に対して、保護者がどのように取り組んでいるか、この点も大いに気なるところです。

大半の保護者が、子供のインターネット利用をコントロール。しかし・・・!

子どものインターネット利用を「管理している」と答えた保護者は、小学校3学年を通じて、なんと100%という結果。では、どんな手段で管理しているのかですが、「大人の目の届く範囲で使わせている」が圧倒的で、7歳(96.8%)、8歳(85.7%)、9歳(90.6%)と高い割合。2位の「利用する時間や場所等のルールを決めている」も、7歳(64.5%)、8歳(42.9%)、9歳(37.7%)と比較的高い結果で、この2つがどの家庭にも共通した、子どものインターネットをコントロールする手段になっているようです。

子どもたちに有害なサイトやコンテンツにアクセスできないようにする「フィルタリング」については、「使っている」と答えたのが、一年(0%)、二年(8.6%)、三年(15.1%)と比率としては少ないようです。しかし、子ども向けに作られた機器の大半は購入時からフィルタリングの機能を持っており、親がいちいち設定する必要のない場合が多いです。そのため、この数字イコール危機感の高さとはなりませんが、昨今「エルサゲート」と呼ばれる子ども向けに見せかけた悪質動画が増えるなど、ネットの世界では既存の規制をくぐり抜けるような問題が常に生じています。動画視聴の多様化と子ども一人でインターネットを楽しむ傾向が強まっていることを考えると、子供に対するセキュリティ問題には、常に高い関心を持っておくべきだと言えるでしょう。

文・北橋克文

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