ことば遊びでノートに書くことを身に付けさせる 【小1国語 京女式書くことの指導】3

連載
吉永幸司の京女式「書くことの指導」
【小1国語】1年生の賢い子を育てる「京女式 書くこと指導」

今回は、言葉遊びで言葉を広げる指導です。ノートの書き方も始めましょう。単行本『はじめてのひらがな、カタカナ 1年生担任の京女式国語の教育技術』(小社)を再編集して、1年生の国語の指導ポイントをわかりやすく紹介するシリーズです。

執筆/元京都女子大学教授・同附属小学校校長・吉永 幸司

大好きな言葉遊び

しりとりをしよう

しりとりは子供たちの大好きな言葉遊びです。「知っている」「できる」という気持ちが広がるからです。言葉遊びに満足させながら、したことをノートに書かせると「書くことは大事」という気持ちを育てます。「しりとり」の面白さは、幼稚園や保育園、子ども園をはじめ、家庭においても、手軽に遊べるとともに、言葉を増やす大事な遊びです。

その経験を生かして小学校で行う意味は、文字と語句、そして、意味をつなぐという役割があるのです。それは、「あ・い・う・え・お」という文字が「め」とつながって、「あめ」という意味をもつ語句になります。さらに「あめ」は「雨」という意味を持ちますが「飴」という意味にもなります。 文字を書きながら、語句になり、語句が意味をもっているという、当たり前のようなことを習得するのです。その意味において、1年生にとって楽しい活動ですが、教師にとっては言葉を広げる、言葉を楽しくなるように指導をする大事な学習活動なのです。

ノート例1


ノートに書く「はじめて」は学習をした日を書かせることです。「5がつ」の3文字でもかなりの時間をかけます。しっかりと書けたという満足感をもたせるためです。「先生といっしょに書く」という「いっしょ」には、簡単に見えます。しかし、手間と時間をかけて指導をするのが効果をあげる指導の秘訣です。1年生が「先生といっしょ」「みんなといっしょ」を理解し、行動ができるようになると、国語の授業だけでなく、日頃の生活にも役立つことが多くなります。「日付を書く」ことは、これからの学習でずっと続きます。


「めあて」と板書します。そのあと、「しりとりをしよう」というように目標を書かせます。ここには大事なことを書いているという気持ちをもたせます。
「しりとり」という言葉はなじみがあります。文字の「し・り・と・り」は、文字として書きやすいので、すらすらと書けるように見えます。勢いのある子より、戸惑っている子、早く書けることがいいことだと思っている子にしっかりと書くことの大切さを指導する時期であり、時間です。


「鉛筆の持ち方は正しいですか」「ヒトマスあけましょう」「書くところを指で押さえなさい」というように、鉛筆で文字を書くまでの指導をきめ細かに行うことがノートの学習習慣を育てます。

ことば集め

「ことば集め 」は、1年生においても大事な学習です。ひらがなが読めるようになった、ひらがなで言葉が書けるようになった、言葉をたくさん覚えたということから、国語の勉強に自信が生まれるからです。いろいろな言葉を知り、覚えるうえで効果がある学習活動です。

「ひらかな」の文字指導の教材のワークシートには、ことば集めで「似ていることば」が並び、その挿絵がたくさん書かれています。楽しく学習する工夫として、色をぬるようにもなっています。活用の仕方によっては効果がありますが、文字へのエネルギーがぬりえに向かう子もいますので、気を付けたいことの一つです。

<ワークシート> にている けれど ちがう ことば
このワークシートは、ダウンロードできます。

ことばと関わるようなノートの書き始めでは、「日付・めあて」を毎日続けると、ノートの使い方に慣れてきます。

ノート例2


「今日は、5月22日です」と書く文字を予告します。次に、「『5がつ』と書きましょう」と、月と日を短く切って書かせるようにします。一つ一つの語句を覚えさせながら書かせるようにします。大事なことは、慌てさせない、急がせない、速さを競わせないことです。


子供は「あいうえお」の五十音表をもとにノートにことば集めをさせる学習方法が大好きです。

しかし、子供のなかには、文字を読むのが苦手な子もいます。繰り返し見る、声に出して読む、「あ・か・さ・た・な」のように横に読むというように、習得を目的にしないで、五十音表に慣れる、親しむということを大事にする方が、入門期においては効果があります。 


「ヒトマス空ける」という指示は簡単です。しかし、書かせることは難しい学習事項です。指示だけでできるようにするためには、時間をかけて丁寧に指導をすることです。重要なのは「どの子もできるようになる」ということです。1年生の1学期は、「このくらいのこと」と思えることができないのです。繰り返し続けることを経験させることも大事です。


黒板に書いた通りにノートに書けているかどうかを評価し、個々に指導していきます。ノートの完成した形を考えて板書計画を立てるようにするのです。

<ダウンロード資料>

<ワークシート> にている けれど ちがう ことば

吉永幸司(よしながこうし)
元京都女子大学教授・同附属小学校校長
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、国語指導、道徳指導に長年携わる。国語教育、道徳教育の大家として定評が高く著書も多数。『教育技術ムック 考える子どもを育てる京女式ノート指導術 小学校国語』小社ほか。

構成/浅原孝子

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