ページの本文です

「ちゃんと」「きちんと」を使わずに指導できますか?

国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭

沼田晶弘

斬新な授業で、子どものやる気をグングン引き出すカリスマ教師「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生が、低学年の自主性を育む実践を紹介する記事の後編です。あえて教師の登場を減らす、その先にはどのような効果が?

「ちゃんと」「きちんと」という声かけからの解放

学校には様々なルールがあります。

時間を守る。チャイムが鳴ったら席に座る。ドアを開けたら閉める・・・。これらのルールが守られない時、つい「『きちんと』時間を守りましょう」「『ちゃんと』ドアを閉めましょう」といった声かけや指導をしてしまいがちです。

しかし、低学年にはこうした指導は入りません。

なぜなら、「ちゃんと」「きちんと」という言葉はとても曖昧で、「こうしてほしい」という先生の気持ちを子どもが忖度して動かないといけないからです。低学年に忖度を求めることは難しいでしょう。高学年の子どもは、「時間を守るのは、世の中では大切だ」「クーラーの冷たい空気が逃げないように『ちゃんと』ドアは閉める」と理屈を説明すれば行動に移してくれます。

しかし低学年では、理屈はわかっても、メンタルの部分で負けてしまう場合が多いのです。決して時間を破ろうとしているわけではないし、ドアをちゃんと閉めようと思っていても、つい夢中になって忘れてしまうのです。

つまりそこには子どもを夢中にさせる「魔力」があり、その魔力に負けてしまうことが原因なのです。だからこそ、魔力に打ち勝ち、先生が一日中「ちゃんと!」「きちんと!」と叫ばなくてもよいシステムをつくることが最善の策なのです。

ルールを忘れる「魔力」に勝つシステムづくり

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!

人気記事ランキング

学級経営の記事一覧

フッターです。