朝の5分間が5時間につながる活動を【子供同士をつなぐ1年生の特別活動】①


1年生の子供たちは、初めて集団活動を体験します。主体的・対話的な態度を育てるとともに、子供同士をつなぎよりよい人間関係を築きましょう。この連載では、『日常アレンジ大全』(明治図書出版)や『教室ギア55』(東洋館出版社)などのヒット著者の鈴木優太先生が、小1「特別活動」のさまざまなアイデアを紹介していきます。月1回公開、全12回の連載です。

鈴木優太(すずき・ゆうた)●宮城県公立小学校教諭。1985年宮城県生まれ。「縁太(えんた)会」を主宰する。『教室ギア55』(東洋館出版社)、『日常アレンジ大全』(明治図書)など、著書多数。
目次
「朝の会」で習慣化したい2つの活動
連載第1回は、「朝の5分間が5時間につながる活動」を提案します。
学級で最も大切にしたい2つの活動は、毎日の「朝の会」で必ず行います。
1)名前を呼び合う →『健康観察リレー』
2)話を聞き合う →『要約までペアトーク』
朝の会のプログラムでこの2つの活動に取り組んでも、30名の学級で5分間もかかりません。
健康観察リレー
①子供たちは出席番号順にリレーのように呼名する
②持ち物チェックを併せて行う
③教師は子供たちの観察に専念する
日直「健康観察リレー!」
全員「健康観察リレー!」
日直「Aさん!」
A児「(起立)はいっ!(ハンカチ&ティッシュを左右の手にそれぞれ持って掲げながら)元気です! Bさん!」
B児「(起立)はぃ…風邪です」
全員「お大事にぃ~」
B児「ティッシュを忘れてしまったので、明日は持ってきます。Cさん!」
C児「(起立)はいっ! 元気です! Dさん!」

子供同士がお互いの名前を呼び合う関わりは、人間関係づくりの点からとても重要です。
はじめは、出席番号順に取り組みます。座席が離れていても、名前を呼ぶ子も呼ばれる子も互いに相手に体を向けて、目を合わせます。その他の子も座席に座っている間も体の向きをくるくると変えて、呼名された級友に正対するようにします。名前を呼び合うことや、態度や行動で思いやりを見える化することによる心地よさを、子供たちは体験の積み重ねを通して実感します。
身だしなみや学習用具を整えることを習慣化したい場合は、起立をして返事をする時に、ハテナセット(ハンカチ・ティッシュ・名札)を左右の手に持って掲げます(名札は胸に付けた状態)。習慣化できている場合には必要ありません。
やり方が十分に定着したら、座席順で行うようにアレンジしてみましょう。席替えのたびに呼名する相手が変化するため、人間関係の広がりを期待できます。