これから先生になるあなたへ①自己紹介のポイント|樋口綾香のすてきやん通信

Instagramでは1万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生による人気連載です。今回から新シリーズ、『これから先生になるあなたへ』が始まります!
執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香

目次
「準備」が大切な理由
これまで国語の授業づくりやICTを中心にお話ししてきましたが、今回からは、4月から先生になる人に向けて、伝えたいことを綴っていこうと思います。
私は、大学を卒業してすぐに大阪府の公立小学校で働き始めました。数日経って感じたのは、「なぜもっと準備しておかなかったのだろう」ということです。
何もしなかったわけではありません。私は昔から心配性であり、あがり症でもあったので、「必要なものを揃えなきゃ」「初日の挨拶は何て言おう」など、春休みの間はいろいろと考えていました。でも、私の準備のしかたは、間違いだらけだったのでしょう。目先のことにばかりとらわれて、先を見通すことができていなかったのです。
今思えば、これは当然のことだと思います。当時、準備をするために相談していたのは、同じ大学の友人でした。現場で働いたことがない者同士、どこかから得た曖昧な情報を頼りにどれだけ準備をしても、万全とはいえません。
また、私がおこなったのが、「物の準備」に偏っていたことも要因でしょう。準備が必要なのは、決して物に関してだけではありません。「心の準備」や「言葉の準備」も大切です。
そして、どうにか初日を乗り越えられても、毎日の仕事は膨大です。あっという間に子どもと出会う日がやってくるため、学級経営や授業に関する知識・技能を習得しておくことが必須です。このような準備が不十分な場合、心の余裕がなくなり、疲弊してしまいます。そして、子どもと笑顔で向き合うことが難しくなってしまいます。
これから先生になる人が、少しでも安心して働き出せるように、この連載で準備のお手伝いをしたいと思います。