【相談募集中】中学年の子どもの扱いがわからず、クラスの荒れが目立つように

特集
学級崩壊・学級の荒れ:立て直しからリアルな緊急避難まで

愛知県公立小学校教諭

佐橋慶彦

「みん教相談室」に相談をするのは、中学校から赴任して小学四年生の担任になった50代の先生。子どもたちへの細やかな指示がわからず、クラスが騒がしくなってきたそう。この悩みに愛知県公立小学校教諭・佐橋慶彦先生は、中学年児童の特性をふまえた、子どもへの接し方や声かけを教えてくださいました。

中学年の子どもの扱いがわからず、クラスの荒れが目立つのイメージ写真
写真AC

Q.中学年の子どもたちへの細やかな指示の仕方がわかりません

二学期より中学校から小学校四年の担任になったのですが、子どもたちへの指示の通し方がわかりません。例えば、人の話を聞くとき体は教師側に向ける…とか。細やかな指示がわからず、授業中、何度言っても勝手な発言をする子どもが増えてきました。

静かだったクラスが騒がしいクラスとなっています。ご指南よろしくお願いします。

(キョロ先生・50代女性)

A.子ども扱いを避け、雰囲気を味方につけることを意識しましょう

ご質問頂きありがとうございます。中学校と小学校のギャップや、2学期からのスタートなど難しい条件が揃う中でも、子どもたちと向き合い、ご自身の指導を見直そうとされる真摯な姿勢に感銘を受けました。

キョロ先生ほど大きな変化ではありませんが、私も高学年を数年続けて受け持った後に中学年を担任した際には「なかなか話が聞いてもらえないな」「あれ、指示が通っていない」と戸惑いを感じました。その時に自分が意識していたことを中学年の児童の特性をふまえながらご紹介したいと思います。

中学年の特性を表す際に、よく使われるのが「ギャングエイジ」という言葉です。文部科学省のホームページに掲載されている「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」には、このように明記されています。

集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる一方、ギャングエイジとも言われるこの時期は、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られる。

文部科学省「3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」より抜粋

この「主体的」そして「付和雷同的」という二つの言葉をキーワードに、もう少し詳しく考えてみたいと思います。

自我の芽生えにより「主体的」に行動することが増える一方で、人の意見をそのまま受け止めたくない、自分の意見を言いたいという思いも強くなります。親や教師の言うことが本当に正しいのかと疑問を持つようになったり、干渉されることに反発したりすることも増加します。

また、このギャングエイジは社会性を身につける大切な発達過程でもあります。仲間を作り集団で行動をすることで、集団の中での役割や責任、ルールを守ることの大切さ、対人関係の築き方などを身に付けていきます。集団を優先するあまり子どもだけの集団で自分たちのルールに従って行動するものの、仲間たちの意見や行動に流されやすい「付和雷同的」な一面も見られるようです。

そこで

  • 子ども扱いを避け、一人の人間として扱うこと
  • 雰囲気を味方につけること

を意識して子どもに接するようにしていきます。

例えば、話を聞いてほしいのになかなか静かにならない、という場面を想定してみましょう。「話を聞きなさい」「今は聞く場面です」と注意をしても、先ほどのギャングエイジの特性をふまえると「なんで聞かなければいけないの?」と注意に疑問を抱く可能性が考えられます。また、こちらにその気が無くても、子ども扱いしないでほしい、と捉える児童もいるかもしれません。

そこで、まず雰囲気を味方に付けるアプローチをしていきます。

なかなか静かにならない教室を見渡してみると、何人か【①いつも騒いでしまう児童】がいると思います。逆に数名【②いつでも話を聞いてくれる児童】もいることでしょう。そして残りの多くの児童は、付和雷同的な【③その場の雰囲気によって聞いたり、聞かなかったりする児童】なのではないかと思います。

この【③その場の雰囲気によって聞いたり、聞かなかったりする児童】がどちらに傾くかで教室の雰囲気は大きく左右されます。

先生が【①いつも騒いでしまう児童】に目を向け、注意を繰り返してしまうと、騒ぐことで先生の注目を引けるという誤った認識をもたせてしまい、騒ぐ方へ流れてしまう恐れがあります。

そこで、注意だけでなく【②いつでも話を聞いてくれる児童】に感謝の気持ちを伝えるようにします。

・「いつもこちらを見て聞いてくれているから、話していてホッとします。ありがとう」
・「サッと気持ちを切り替えてくれると、話がしやすいです。助かるなぁ」

ここで、重要なのが「えらいね」「すごいね」といった言葉を使わないことです。子ども扱いされていると感じさせないように、一人の人間としての感謝を伝えます。

すると、正しい行動をすると先生に見てもらえる、先生が喜んでくれる、ということに気が付いた何人かの子どもたちは、同じように聞く姿勢を取るのではないかと思います。この、何人かが真似をし始めたタイミングを見逃さないようにします。

・「いいなと思った行動を真似してみるのは素敵だね。」
・「こうして、みんながこちらを見てくれると、とても気持ちがいいですね。時間もかからない。余った時間を使って、楽しいことができるかもしれないですね。」

このように、雰囲気を味方につけるアプローチを続けながら、少しずつ話を聞く児童を増やしていくようにしていました。

エネルギーに溢れる4年生の児童が、時に騒がしくなってしまうことはおかしなことではありません。中学年の特性と上手に付き合いながら、素敵な残り数か月を送ることができるよう願っております。


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