オシエルズのお笑い初任研05「首から上の事故」【コント&解説】
現役教員同士のお笑い芸人コンビ・オシエルズのコントと、みんなの先輩・公立小学校教諭の佐々木陽子先生の解説で、新人教師がついやってしまいがちな現場のNG事例について楽しく学べる「お笑い初任者研修」の時間です! 公的な研修ではなかなか教わらないような、痒いところに手が届く、超実践的な内容でお届けしていきます。
第5回目は、注意が必要な「首から上の事故」についてです! ボール遊び中の鼻血など日常的に起こる軽微なケガを含め、報告と事後の見守りの大切さを学びましょう。
目次
顔面セーフ! たいしたケガじゃないから大丈夫、ではない!?
新人 ムフフ⋯(思い出し笑い)
先輩 何、野村先生? ずいぶん楽しそうじゃない?
新人 いやね、さっきうちのクラスで体育の授業があったんですけど、ドッジボールやってて顔にボールがバーン!って当たった子がいたんですよ。で、鼻血出ちゃって、「顔面セーフ、顔面セーフ!」って言ってて(笑)。「あ、今も顔面セーフって言葉あるんだ」、みたいなのですごい笑っちゃって!!
先輩 ちょっと待って! それって⋯大丈夫だったの!?
新人 あ〜、いえいえ、大丈夫でしたよ。だって、鼻血もすぐに止まっちゃいましたし、その子も笑ってたんで。
先輩 そうじゃなくて! それって首から上の事故だよね。
新人 それがどうかしたんですか?
先輩 養護教諭とか管理職には報告したの?
新人 いえ、してないですけど⋯
先輩 いや〜、ダメだよ、野村先生!! どんな軽微なものでも、そういう首から上の事故は報告するんだから!
新人 あ、そうなんですか?
先輩 あのね、首から上の事故っていうのは、後々、後遺症になるケースが多いのよ。
新人 あぁ⋯
先輩 だから、どんな軽微なものでも報告することが大事。
新人 へぇ⋯
先輩 その場で大丈夫でも安心できない。
新人 そうなんですね。
先輩 まずは養護教諭と管理職の人に、いつ、どこで、何が起きて、ケガの程度はどうだったか、っていうことを報告しないとダメだよ。
新人 そうなんだ⋯知りませんでした。
先輩 あと、
保護者にも、様子を見てもらわなきゃいけないから、どんなことがあったかケガの程度にかかわらず報告するように。
新人 なるほど。
先輩 電話してね、ちゃんと。
新人 わかりました!
先輩 ⋯⋯大丈夫?
新人 へ?
先輩 笑うなよ、おまえ。
新人 えぇーっ!?
先輩 報告するときに笑いそうだからさぁ。
新人 いやいや、矢島先生、それは心外だなぁ〜。僕、報告するときには笑いませんよ!
先輩 えぇ? ほんとに?? じゃあ、管理職だと思って報告してみて。
新人 わかりました。⋯⋯あの、3時間目に体育△※□◎※⋯ププッ(笑)!
先輩 もうダメじゃん! なんなら「あの⋯」のときから含み笑いしてるからな。
新人 矢島先生、この顔面⋯(ププッ)セーフですよね?
先輩 アウトーーー!!
佐々木先生のコメント
いや〜、皆さん、いかがでしたか?
野村先生が言う「顔面セーフ」、私が生まれた昭和の時代からありましたよ(笑)!
今回は、鼻にボールが当たって鼻血が出てしまったケースです。
一見、鼻血が止まれば大丈夫と思いがちですが、矢島先生が言うように、首から上の事故は注意が必要です。
あとから、実は鼻の骨が折れていた!とか、目にも当たっていて目がかすむ、という症状が出てくることもあります。
必ず養護教諭や管理職へも報告してください。
そして、保護者への連絡も大切です。
いつ、どこで、何をしていてそうなったのかを詳しく説明して、おうちでもしばらく様子を見てもらうようにします。
みんなで協力して子供たちを見守っていきましょう。
それでは、また⋯じゃあね♪
佐々木陽子
小学校教諭。著書に『クラスがまとまる!小学1年生学級づくりのコツ』(ナツメ社)、『子どもの心をガッチリつかむ!とっておきの教室トーク&学級経営ネタ60』(明治図書出版)ほか。一児の母。
オシエルズ
2013年3月結成。現役教員の矢島ノブ雄(写真左)と野村真之介(写真右)によるお笑いコンビ。お笑いライブのネタやMCの出演だけでなく、企業や子どもを対象にしたワークショップ・講演・研修などを行っている。2014年11月、矢島が代表となり「FUNBEST」を設立。矢島は一般社団法人 日本即興コメディ協会 代表理事。YouTube「オシエルズチャンネル」では、漫才・コントの他、笑いのテクニックやコミュニケーションスキルについての解説動画などを発信している。