小6国語「『鳥獣戯画』を読む」指導アイデア

教材名:「『鳥獣戯画』を読む」光村図書

指導事項:〔知識及び技能〕(3)オ 〔思考力、判断力、表現力等〕C(1)ウ
言語活動:ア

執筆/京都府公立小学校教諭・深田知子
編集委員/前・文部科学省初等中等教育局教科調査官・菊池英慈 京都市総合教育センター研修主事・藤本鈴香

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

本単元では、自分の表現に生かしたい表現の工夫を捉えて読むという目的を意識し、文章と絵などの資料を結び付けて必要な情報を見付けたり、筆者の論の進め方について考えたりすることができる力の育成を目指します。

高学年では、説明的文章を読むとき、筆者が自分の考えをより適切に伝えるために、どのような事例を取り上げているのか、どのように論を進めているのかなど、説得力をもたせるための工夫について考えることが大切です。

本単元では、絵などの資料の使い方との関わりを考えて筆者が伝えたいことを捉えるとともに、取り上げたものの観点に対して、何に着目し、どのような言葉で説明や評価をしているのかを捉えることができるようにします。

②言語活動とその特徴

本単元では、「筆者のものの見方や表現の工夫を捉え、日本の文化について説明するときに生かせる表現をまとめる」という言語活動を位置付け、筆者の論の展開や表現の工夫について自分の考えをもつことを目指します。

絵と文章を照らし合わせながら読むことで、筆者が自分の見方を伝えるためにどのような工夫をしているのかを考えられるようにします。そして、自分の表現に取り入れてみたいと思ったところをまとめ、友達と報告し合うことで、次の単元の「日本文化を発信しよう」につなげられるようにしましょう。

単元の展開(6時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①これまでの学習を振り返り、「筆者のものの見方や表現の工夫を捉え、日本の文化について説明するときに生かせる表現をまとめる」という学習課題を設定し、学習計画を立てる。

【学習課題】筆者のものの見方や表現の工夫を捉え、日本の文化について説明するときに生かせる表現をまとめよう。

第二次(2~4時)

②「『鳥獣戯画』を読む」を、絵と文章を照らし合わせながら読み、内容を捉える。
→アイデア1 深い学び

③「絵」と「絵巻物」に対する筆者の評価が分かる表現に着目し、内容を捉える。

④「論の展開」「文末表現の工夫」「絵の示し方の工夫」という観点から筆者の工夫について考える。 
→アイデア2 対話的な学び

第三次(5・6時)

⑤学校図書館などを利用して日本文化について書かれた本を読み、表現の工夫に着目して書き出す。
→アイデア3 主体的な学び

⑥書き出したことを交流し、筆者の考えと表現の工夫について学んだことを振り返る。

【次単元への課題】学んだことを「日本文化を発信しよう」に生かす。

アイデア1 筆者のものの見方を捉えよう

深い学び

絵と文章を対応させながら読んでいくとき、筆者がどのように表現を工夫しているのか、子供たち自身で気付くことができるようにすることが大切です。そのために、まず、自分で絵のどこを、どのように見るかを考えます。そして、自分たちの見方と筆者の見方を比較することで、筆者の表現の工夫に着目できるようにしましょう。

このとき、絵について説明している部分と、それを評価している部分を区別することができるようにしていきます。そして、評価の言葉を付箋紙に書き出しておくことで、自分の表現に生かしたいことをまとめるときに活用できるようにします。

▼自分たちの見方と筆者の見方の比較

イラスト/斉木のりこ 横井智美

『教育技術 小五小六』2020年11月号より

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