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ストレスだらけの「働き方改革」【現場教師を悩ますもの】

連載
諸富祥彦の「現場教師を悩ますもの」

「教師を支える会」代表

諸富祥彦

「教師を支える会」を主宰する『現場教師の作戦参謀』こと諸富祥彦先生による連載です。教育現場の実状とともに、現場教師の悩みやつらさを解決するヒントを、実例に即しつつ語っていただきます。

【今回の悩み】現状に合わない「働き方改革」でストレスが増えています

「働き方改革」の一言で、毎日午後7時に職員室から追い出されます。実際の仕事量は減っていないので、結局は持ち帰り仕事が増えるだけです。超過勤務時間を減らすことを教育委員会から言われているのだと思いますが、現状に合っていません。

どうしても学校でしかできない仕事もあるので、朝早く出勤すると、これも超過勤務になるので、朝8時過ぎの適当な時間を出勤時間として入力しています。これではストレスが増すばかりです。

(中学校教諭・女性、教職年数:30年以上)

構造を変えない限り解消しないストレス

「働き方改革」は仕事の総量を減らさない限り、形だけのものとなってしまいます。ご相談いただいた先生のように「帰れ」と言われても、その日にやるべきことができなくなったりして、余計に負担感が増えるのです。

「働き方改革」といった構造的なものに由来するストレスは、その構造を変えない限り解決しません。心理学で解決するのは難しく、社会学が解決すべきことでしょう。ですから、学校の働き方改革を見ていて、先生方は本当に大変だなと思います。ご相談の先生の気持ちがよくわかりますし、全く同意です。理不尽な怒りではなく、よくわかる怒りです。

ただ、無茶な構造を押し付けてくる管理職だって、好きで職員室から先生方を追い出しているわけではありません。中間管理職として言われたことをやっているだけなのです。校長だって自分のポリシーで出勤時間の入力を変更させているわけではないのです。

特に今はコロナ禍の緊急事態宣言で、店舗が早めに営業を終えざるを得ない中、学校だけが遅くまで明かりをつけているわけにもいかないのが現状でしょう。ですから、文句を言っても始まらない、と考えたほうがいいのではないでしょうか。

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