二学期は学級目標を見直そう
夏休み明けの初日、担任は、登校してきた子供たちを笑顔で迎え、新たなめあてを立てられるように支援しましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・塚本裕美
目次
学級目標を再確認する
学級目標は、「こんな学級にしたい」という、みんながめざす学級の姿の「道しるべ」になるものです。まずは、一学期の学級のあゆみを、教室の掲示物を見ながらみんなでふり返り、学級目標を確認しましょう。
思いや願いを出し合う
コロナ禍では感染症予防のために活動に制限があり、学級の仲間と思い切り活動することが難しかったと思います。二学期も感染予防の観点は継続しますが、そんななかでも、「こんな学級にしたい」「こんなことを学級のみんなでやりたい」という子供たちの思いや願いを出し合い、共有しましょう。
一人ひとりの思いが分かるように、模造紙や短冊に書いて掲示したものを貼り出してもよいでしょう。
学級のみんなで二学期のめあてを決める
子供たちの意見をまとめ、二学期に学級全員でがんばりたいことや取り組みたいことを決めましょう。
今年度は、二学期も「学級づくり」の時期と捉えて、焦らず、子供同士のつながりを築けるように教師は支援していきましょう。集団活動の楽しさを味わえるのが学級です。さまざまな制限のある日常ですが、そんななかでも、「学校生活をもっと楽しくしたい」「これならみんなでできるよ」と、子供たちの前向きな気持ちや豊かな発想力を生かし、みんなで活動する楽しさを感じられるように計画を立てていきましょう。
個人のめあてを考える
次に、夏休み前に書いたふり返りカード(キャリアパスポート)を基に、個人のめあてを考えます。具体的な場面や活動を思い浮かべて、自分の成長に気付くことができるように、ふり返りカードのほかに、次のような資料を示すとよいでしょう。
これらの資料があることで、より自分事として課題を見いだし、具体的なめあてを立てることができます。また、学級目標を再確認し、学級でめざす姿を改めて共有することで、学級目標を基にした個人のめあてをもつことができます。そして、自分がめあてに向かって努力すれば、学級もよくなる(学級目標が達成される)と感じられ、学級への所属感も高まります。
考えためあてを出し合い、全体で共有します。友達の考えと比較したり、友達の考えのよいところを取り入れたりしながら、「自分のめあて」を決めていきます。
また、その日に決めてしまわずに、「これにしようかな」と考えためあてで1週間ほど生活してみるのもよいでしょう。決めためあてが、自分に合っているかを確かめることができます。
ふり返りの機会を設ける
二学期のめあてを決めたら、自分のめあてをいつでも見ることができるように、教室内に掲示しましょう。
そうすると、子供たちがお互いのめあてを知ることができるので、がんばりを認め合う機会を教師が意図的に設けることができます。
こまめにふり返りを
週1回、月1回など、自分のめあてについてふり返る機会を設けます。このときに、一人ひとりの実態に合わせて、めあてを継続するか、修正するか考えるようにします。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年9月号より