小一小二の席替え 決め方のポイント
席替えは、子供たちの気分を一新します。席替えを楽しみにしている子供も多いでしょう。しかし、思い通りの座席にならなかったり、周囲の友達に対する不満が出てきたりもします。教室は、学習活動と集団生活を行う場です。個々の思いを通してよいところではないということを示す必要もあります。誰とでも仲よく学習や生活をすることができるよう、指導しましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・源 憲一
目次
席替えの基本
席替えの頻度
2か月に1度程度がよいでしょう。落ち着いて学習や生活ができるようになるには、このくらいの時間が必要です。
男子・女子
必ずしも男女を意識して座席を決める必要はありません。しかし、学級の実態や指導のねらいによって、男子と女子を隣同士にすることも考えられます。協力してさまざまな学習活動に取り組むことができるようにしましょう。
視力、聴力などの健康状態
視力や聴力に配慮して、どの子も集中して学習に取り組むことができるような座席にしましょう。学校で行う健康診断の結果だけでなく、保護者からの申し出を基に、配慮事項をしっかりと確認することが大切です。
席替えの方法
低学年のうちは、学級経営の視点から教師が決めていくのがよいでしょう。友達関係、健康状態への配慮、特別支援の必要性など、さまざまなことを考慮して決めるようにします。
子供一人ひとりの状態や集団へのなじみ具合なども見ながら、徐々に人間関係を広げることができるようにしましょう。
席替えをしたら、簡単なゲームを行うとよいでしょう。隣の人が呼ばれたら自分が返事をするゲーム、教師が手に隠している数字を二人で相談して当てるゲームなど、協力して取り組む内容にすると、早く新しい座席の雰囲気に慣れることができます。
グループ名
低学年の子供たちにとってなじみがあって、覚えやすい名前がよいでしょう。例えば「○号車」です。この「○号車」のなかにも二つの班があるとよいでしょう。学習の内容や形態によって、「○号車」とグループを使い分けます。グループの人数は4〜6人にして、「○号車」は多くても10人程度にしましょう。30人学級であれば、グループは六つ。1〜3号車ということになります。
特別支援の視点
特別支援を要する子供には、その子に応じた配慮をしましょう。周りからの刺激が少ない場所、指示がよく聞こえる場所など、どの子も落ち着いて学習することができる環境を整えるように努めましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年6月号より