子供が進んで取り組む当番活動にするポイント
係活動とは異なり、なくてはならない活動である当番活動。低学年であってもその意義をしっかりと理解できるようにしましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・木村綾子
目次
当番活動とは
当番活動は、学校生活に必要なものを学級のみんなが輪番で役割分担をするものです。当番活動の主なものとして、「給食当番」「掃除当番」「日直」があります。
「学習指導要領」第6章第2〔学級活動〕2「内容」のなかに、「学級内の組織づくりや役割の自覚」という文言があります。係活動とは異なり、なくてはならない活動であること、ないと学級生活を送るうえで困るものであるという当番活動の意義は、低学年であってもしっかりと理解できるようにする必要があります。低学年でそのような意識が育つことで、中学年や高学年になっても当番活動をしっかりと行えるようになっていくからです。
一年生の当番活動
特に一年生は、小学校生活が何もかも初めてなので、ていねいに指導していくことが大切です。
教師が率先して当番活動に取り組み、モデルを見せていくこともよいでしょう。ただし家庭や幼稚園、保育園での経験がどの程度あるか、状況を把握しておくことが大切です。そのうえで、どのような指導を行うのかを考えていきましょう。
一人ひとりが責任をもって当番活動に取り組むことができるようになると、教師が声かけをしなくても、自分たちで進んで活動が行えるようになっていくでしょう。
二年生の当番活動
二年生の当番活動では、一年生のときの経験を生かして、さらに自分たちで進んで当番の活動を行えるようにしていきたいものです。そうしていくことで、自分の成長を自分自身で感じられるようになるでしょう。
例えば、子供たちが当番活動をしっかりと行うことで、互いへの感謝の気持ちを育てていくこともできます。その場合は、当番活動と道徳の授業とを関連付けることも有効です。
第一学年および第二学年の道徳科の内容には「働くことのよさを感じて、みんなのために働く」という項目があります。低学年では、みんなのために働くことを楽しみ、進んで行う姿が多く見られます。その実態をふまえて、道徳科の授業では、自分が働くことで相手の役に立てたという「うれしさ」や「役立ち感」を感じられるようにしていきます。そのことを実際の当番活動の場面での意欲や態度に結び付けていくことができます。
給食や掃除のしかたについては、学校全体で統一している場合があります。事前に資料で確認したり教員間で確かめ合ったりしておくことが大切です。また、入学当初の一年生は、保護者や六年生などのサポートが入る場合もあるので、学校の状況も確認しておきましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年4/5月号より