これだけは押さえたい! 2年生の生活指導ファーストステップ
これだけは押さえておきたい! 2年生の生活指導のポイントについて紹介します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・小田友美
目次
始業までにすることを明確化
朝、学校に来て始業時刻になるまでに、どのようなことをすればよいのかについて、明確にしておかないと、子供たちは自由に過ごしてしまい、思わぬトラブルが起きることがあります。はっきり見える形にしておきましょう。
下のように、順番に並べて掲示することで、規則性をもたせます。
子供を教室で迎えるときに、あいさつするだけでなく、様子を注意深く見ることも大切です。顔色や登校時刻など、細かく変化を見付け、声かけすることで、体調や家庭、友達関係の様子が分かることがあります。子供理解の第一歩です。
あいさつ・マナーの基礎を身に付ける
低学年は、あいさつやマナーの基礎をしっかり身に付けなければならない時期です。まずは、先生が見本となり、モデルを見せます。なかなか身に付かない場合は、上手にできる子をほめたり、何度も繰り返したりして、粘り強く指導することが大切です。
授業や活動の最初と最後に必ず、あいさつをします。
❶ 授業の一例
日直「これから、1時間目の国語の学習を始めます。よろしくお願いします」
全員「よろしくお願いします」
全員 礼
✳ ✳
日直「これで、1時間目の国語の学習を終わります。ありがとうございました」
全員「ありがとうございました」
全員 礼
❷ 給食の一例
日直「手を合わせましょう。いただきます」
全員「いただきます」
授業中の返事のしかたも統一した指導があるとよいでしょう。先生に指名を受けたら、返事をしてから答えるのがよいマナーと言えます。
❸ 返事の一例
先生 「この問題の式は、なんですか。〇〇さん」
〇〇「はい(席を立つ)」
「4×5です」
先生「正解です。返事も大きな声でよくできましたね」
指名を受けて席を立つとき、椅子を机にしまう場合や席の横に立つ場合など、クラスに合った方法できまりをつくりましょう。学年の先生と相談して共通のルールをつくっておくと、クラス替えをした三年生になったときに、同じルールで引き継ぐことができます。
提出物は習慣化する
宿題や連絡帳など、提出物は必ず朝、先生に出すという習慣づくりをすることが大切です。どこに、どのように提出するのか、分かりやすい方法を決めておきましょう。
私は、全員一斉に集める場合と生活班ごとに集める場合で、提出方法を変えています。
休み時間を有効活用しよう
授業が延びてしまい、少しくらいなら休み時間を削ってもよいのではないかと考えがちです。しかし、授業中にトイレを我慢している子がいるかもしれません。小さなトラブルを抱え、ストレス発散や気分転換をしたい子もいるでしょう。休み時間はただの休憩時間ではないのです。
時間を守ることは、生活指導上とても大切なことです。先生がその手本となるためにも、授業と休み時間の時間はきちんと守りましょう。しかたなく、授業が延びてしまった場合は、別の時間にその分の時間を確保しましょう。
また、休み時間は、子供理解や学級経営にとってとても重要です。どの子がどんな遊びが好きなのか、どの友達と仲がよいのかといったことが分かります。さらに、子供たちは一緒に遊んでくれる先生が大好きです。子供たちとの距離が近くなり、仲よくなれます。休み時間を有効に使いましょう。
イラスト/バーヴ岩下
『教育技術 小一小二』2021年4/5月号より