コロナ下でもできる!6年生を送る会のアイデア
今年度はコロナ下で例年通りの「6年生を送る会」をするのは難しい状況にあります。しかし、それは「例年通り」の会をするのが難しいということに過ぎません。「6年生を送る会」の目的を達成するために、「集会」と言う形式だけではなく、「動画」や「掲示物」「校内放送」などの手段を使ったアイデアを、佐賀県公立小学校教諭・小倉美佐枝先生に教えていただきました。
目次
「一堂に会する」ことにこだわらなくていい
今の状況では、対面式の学年交流は難しいですよね。でも、「一堂に会する」形式にこだわらなくていいと私は思うんです。6年生を送る会の目的は、下級生が6年生に「ありがとう」という気持ちを伝えることにあるわけですから。
こういう行事は、それぞれ分担していろいろな準備をしますよね。昨年は、私たちの学校も、集会名を書いた題字を準備したり、出し物を準備したり、分担してやってきたのに、直前になってそれができなくなってしまった、ということが起こりました。
でもそれは「体育館では」できなくなってしまっただけのことなんです。
実際に私たちの学校ではどのようにしたのか、今年はどのようなアイデアが考えられそうかを紹介したいと思います。
動画と校内放送で作るリモート集会
昨年、私たちの学校では、各学年の出し物は動画の形で録画をしておき、集会当日は校内放送の司会進行に合わせ、電子黒板にその動画を流すという形にしました。子供たちは各クラスで着席した状態で見ることができるようにして、密にならないように配慮しました。
それで、結果として6年生の反応はどうだったのかというと、それが、とても良いものでした。体育館だと、広い場所なので下級生の子どもたちの表情とか、じっくり見ることは難しいですよね。でも、映像で見ると細かい部分までよく見えるんです。感動して泣いている子もいました。動画にしてあるので、記録に残りますし、ちょっと失敗しても修正できるし、字幕も入れられる。
良い面もたくさん発見できました。
昨年は、突然のことだったので司会は特別活動主任が行いましたが、5年生が行えばより子供たち主導で進められそうですよね。動画が始まる前に、何かメッセージを伝えるなど。ハードルが高そうに思える歌やリコーダーなどの出し物にしても、学校によっては、体育館で距離を保ちながら換気して、一学年ずつ収録したり、パネルで進行をしたり、タンバリンやすずなどの鳴り物を使って盛り上げたり、さまざまな手段が考えられると思います。
掲示物でも「ありがとう」は伝えられる
さらに、集会というイベントだけが「ありがとう」を伝える手段でもありません。例えば、全校児童が必ず通る壁を「ありがとうを伝える場所」にしてしまうという考えもできると思うんです。
私たちの学校の場合は、玄関ホールを使って、集会で使うはずだった「ありがとう集会」の題字と、6年生への感謝の気持ちを書いたメッセージなどをズラーッと貼りました。集会が中止になったから準備してきたものの意味がなくなるのではなくて、別の場所で生かせばよいのです。
6年生は、「ここから離れたくない」って言っていました。
去年は、6年生だけの卒業式となってしまいましたが、最後に写真を撮ったのもこの場所です。
学校によって、良い場所というのはさまざまだと思うんです。図書室でもいいと思います。「全員が使う場所ってどこかな?」と考えてみたら、きっとベストな場所があると思います。掲示しなくても、手紙の形だっていいんですよね。
「集会ができなくなった」ではなくて、「ありがとうの気持ちを伝えるにはどんな方法があるかな?」と、学校のみんなで考えてみたら、きっといいアイデアが生まれると思います。
構成・文/みんなの教育技術編集部
小倉美佐枝先生による、こちらの記事もあわせてご覧ください。
コロナ下でも心の距離が近づく「6年生ありがとう集会」
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