小2生活「三年生にチャレンジ!」指導アイデア

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執筆/宮城県公立小学校教諭・山田麗圭
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、宮城県公立小学校教諭・鈴木美佐緒

桜の下でばんざいをする子供
写真AC

期待する子どもの姿

二年生の子どもたちも、もうすぐ三年生です。具体的な活動や体験を通して自らの思いや願いを実現していく生活科の学習は、総合的な学習の時間に連続発展していきます。今月は、三年生になった子どもたちが、総合的な学習の時間と素敵な形で出会えるようなアイディアとヒントを紹介していきます。

子どもの意識と指導の流れ  

こんな声や姿を学習につなげたいですね。

単元を始める前に

アイデア1  子どもが身に付けた力を確認しよう。

この子たちの、興味・関心の対象は何かな?

生活科で、様々な対象と関わり、体験活動をしたね。自ら人と関わる力はもう一息かな。

毎年7月に地域で「〇〇祭り」が開かれるよ。 地域と一緒に何かできないかな。

○○地区では、新しく地下鉄の駅ができるよ。設計者と関わる活動も考えられるな。

町探検で学んだことや身に付けた力を三年生で生かすためには、どうしたらいいのかな。

アイデア2  素材を模索しよう。

先生「すみません、7月の「〇〇まつり」はどのような意図で始まったのですか。」地域の人「地域のコミュニケーションの場となってほしいという願いがありました。」先生「売るだけではなくて、ものづくりの体験なども行っているようですが、どのように決めているのですか。」地域の人「毎年実行委員会を開き、テーマを設定しています。そのテーマに合ったワークショップを行っていますよ。」

単元が始まったら

アイデア3  子どもと共に生活科の学びを振り返ろう。

先生「町探検では、繰り返し体験をして町の良さを発見しているね。様々な表現方法を学んでいるな。友達以外の人を前に発表する経験もしているね。」子供1「町探検には、何回も行ったよ。最後は好きなお店を決めて、お手伝いもしたんだよ。」子供2「お家の人を呼んで発表会をしたよ。私は人形劇で発表したよ。模造紙や劇、スライドショーで発表した子もいるよ。」

アイデア4 子どもの意欲を引き出そう。

先生「来週○時頃、子どもたちが地域の実態を調べに町を歩きます。インタビューされたときは、答えていただけますか。」店の人「いいですよ。どんなことを答えましょう?」
矢印
子供1「うれしいことや楽しいことを教えてください。 」店の人「地域の人に喜んでもらいたくて、毎月、新作を考えるよ。勉強のために京都に行っているんだよ。 」子供2「へえ!和菓子をつくるだけじゃないんだね。どうやってデザインしているのですか? 」店の人「一緒に考えてみるかい?  」

活動のポイント1 
子ども・地域・学校の実態を把握する!

アイデア1 について

各学校で総合的な学習の時間の目標を定めることになっています。どのような子どもを育てたいのか、どのような資質・能力を育てるのかを明確にした上で、子どもの実態、地域や学校の特徴が生きる単元づくりを行います。仮に、学校にすでに単元計画がある場合でも、改めて目の前の子どもの実態に応じて単元をつくることが必要です。

●総合的な学習の時間の構造のイメージ(小学校)

総合的な学習の時間の構造のイメージ表
『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総合的な学習の時間編』p18より

活動のポイント2 
学習の可能性を広げる!  

アイデア2 について

地域には、探究的な学習を実現させる素材(人・ もの・こと)がたくさんあります。しかし、何でもよいのではなく、教師が教育的な意図で選択して取り上げたものが、子どもにとっての関心や疑問につながっていることが大切です。一つの素材から、様々な可能性が広がります。

また、学習過程において、一つの単元の中で複数の内容が見込まれたり、子どもの興味・関心が教師の予測を超えていくことがあったりします。できるだけ拡散的に、あらゆる学習の可能性を想定しておくことで、子どもの探究的な学びを実現させることにつながります 。

イメージマップ

和菓子についてのイメージマップ

活動のポイント3 
子どもと共に楽しむ!

アイデア3について

例えば、三年生で地域に根ざす和菓子屋を訪ね、店主の思いや地域との関わりを追究していくには、生活科での町探検の中ではどのような経験を行い、何を学んでいるのかを確認した上で学習を構想しなくてはなりません。

生活科でできるようになったことや印象に残っている経験を授業の中で振り返ると、子どもの内面を見取ることができます。

活動のポイント4 
探究が連続するように仕掛ける!

アイデア4について

単元で扱う素材や探究課題(※)を設定したら、教師が意図的な働きかけをすることも必要です。教師がじっと待てば、探究的な学びが持続していくというわけではありません。素材との出会いや体験を意図的に設定し、子どものそれまでの意識や考えとの「ずれ」を実感させることが大切です。

例えば、「どうしてこうなっているのかな?」「初めて知った!」という感情は、その後の課題意識を高めるきっかけとなり、学習が連続発展することにつながります。

※探究課題…目標の実現に向けて学校として設定した、子どもが探究的な学習に取り組む課題。

子供1「和菓子屋のご主人は、お客さんのために、毎月自分でデザインをしているんだって。どうやってデザインしているのかな?】和菓子をつくることだけがお仕事だと思っていたけど、一生懸命、勉強しているんだね!『一緒にやってみる?』って聞いてくれたよ。やってみたいな!」

イラスト/熊アート、横井智美

『教育技術 小一小二』2020年3月号より

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