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テレビでも話題!スタンフォード大教育学博士アグネス流子どものやる気を引き出すワザ

2019/4/24

子どもをどのようにやる気にさせればよいか? どのように学ぶ意欲を身につけさせるべきか? これは教育者永遠のテーマです。しかし、スタンフォード大教育学博士アグネス・チャンさん曰く、「学ぶ意欲は人間は生まれながらに誰もが持っているもので、『身につけるもの』ではなく『保つもの』です」とのこと。目からウロコ! テレビでも話題の「アグネス式教育法」を伺いました。

アグネス・チャンさん 撮影/藤岡雅樹

「やる気」の敵は現代社会の「退屈」

私は長年、教育学と児童心理学を研究してきましたが、先進国の子どもたちの学ぶ意欲を削いでいるのは、現代社会の「退屈」であるとつくづく感じています。

人間は誰もが、みんな生まれながらに学ぶ意欲を持って生まれてくるのです。どうやって泣いたら母親が振り向き、おっぱいをくれるのか? 立つこと、歩くこと、しゃべること、すべて学ばなければ、生きていくことができないからです。

では、もともと学ぶ意欲を持って生まれてきた彼らが、次第にそれを失ってしまうとしたら、それはなぜなのか? それは、現代社会が「退屈」だからなのです。

自分が何も努力をしなくても、魔法のように親がお金を持ってきて、ご飯を用意してくれます。そのように生存するための条件が満たされた状態では、子どもが学校に行っても、そこでの学びが生きることに直結するとは感じられません。ですから、現代社会に生きる教育者に求められるのは、この「退屈」を撃退することです。常に学び続けていないと前に進んでいけないような、チャレンジしたい! と強く思わせるアイディアを、次から次へと繰り出していけるかがカギとなります。

そして、そのポイントは、「このゲームを通してこんな力をつけさせたい」などという下心を、死ぬ気で隠すことです。そういう意図が透けて見えると、子どもたちは一気に興ざめしてしまいます。

次に紹介するヒントを参考にして、ぜひ先生オリジナルの退屈撃退リストを考えてみてくださいね。

「退屈」撃退のヒント

バージョンアップ
子どもは、簡単にできることはすぐに飽きます。同じことをするにしても「スピードを上げる」「歌いながらやる」「参加人数を増やす」など、バージョンアップの準備を忘れずに。
覚えたことはゲームにする
数字を覚えたら、一人最低1つ、最高3つまで連続する数字を言って、最後に31を言うことになった人が負けというゲーム。または、ことわざを覚えたら、知っていることわざを一人1つずつ言っていくゲームなど、覚えたことをすぐに使ってゲームをするのもワクワクします。
紙と鉛筆だけで遊ぶ
家では、スマホの動画やゲームなどに触れている子どもたち。刺激の強いものを禁止するのは難しい時代です。だからこそ、紙と鉛筆だけでできる遊びを考えてみましょう。あえて、学校でそのような時間をつくることで、必要に迫られて新しいものを生み出す意欲が湧いてくるのです。

「情報提供者」になろう!

このように、本来子どもたちは、新しい知識を欲しているので、「この人からは、面白いことが聞ける」と思うと、その相手を貴重な「情報提供者」として大切にします。教育者として、ぜひそのような存在でありたいものですが、その重責を一手に引き受ける必要はありません。教室にいる誰もが、「情報提供者」であると感じさせることで、学級に耳を傾け合う空気が広がります。

ちなみに、「ところでこの椅子、どこで作られたんだろう?」と問えば、椅子でさえも情報提供者です。人も物も、すべてが知識につながっているのだ、と気付かせることができれば、子どもたちは本来の学ぶ意欲に満ちた姿を見せてくれることでしょう。

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アグネス・チャン/著 定価1400円+税 小学館

アグネス・チャン
1955年香港生まれ。歌手・エッセイスト・教育学博士。上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。1989年、米国スタンフォード大学教育学部博士課程に留学し、1994年に教育学博士号(Ph.D.)を取得。長男、次男に続き、三男も母校スタンフォード大学に合格して話題に。2018年春の叙勲で旭日小綬章を受章。

『教育技術 小一小二』2019年5月号より

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