小4国語「『ゆめのロボット』を作る」指導アイデア
教材名:「『ゆめのロボット』を作る」(東京書籍 四年下)
指導事項:書くこと(1)ウ 読むこと (1)イ・エ・オ
言語活動:ウ
執筆/京都府公立小学校教諭・川見典子
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、京都府公立小学校校長・藤本鈴香
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、二つの文章を関係付けて読み、考えたことを友達と伝え合い、自分の考えを深めたり広げたりすることができる力の育成を図ります。そして、二つの文章を関係付けて読んだことを生かして、自分の考えを書く力の育成もめざしています。
②言語活動とその特徴
本単元は、インタビュー記事と説明文という形式の違う二つの文章を関係付けて読み、それを基にして、自分が考える「ゆめのロボット」を紹介するという学習構成になっています。
本教材は、子供にとって関心の深いロボットについての研究を題材としていて、「ロボット」というものについての考えを広げ、これまでとは違ったものの見方や新しい発想を生み出すおもしろさが伝わってくる文章になっています。
インタビュー記事では、ロボットの概要や筆者の研究の大枠を理解することができ、説明文では筆者の考えるロボットについて、より具体的に知ることができます。
二つの文章を読んだことを基に自分の「ゆめのロボット」を考えたり、「ゆめのロボット」を紹介するポスターを作ったりすることへとつなげていくようにします。
自分の考えた「ゆめのロボット」について紹介し合う時間には、互いの感じ方の違いに気付いたり、さらに考えを深めたりすることを目標に学習を進めていきます。
単元の展開(11時間扱い)
主な学習活動
第一次(1~2時)
①二つの文章を読み、ロボットについて初めて知ったことや考えたことを交流する。
②二つの文章に書かれていることを関係付けて読み、「ゆめのロボット」を紹介するという学習課題を設定し、学習計画を立てる。
【学習課題】
二つの文章に書かれていることを関係付けて読み、わたしの『ゆめのロボット』を紹介しよう。
※ロボットに関する図書、図鑑や資料を整備し、三次までに「ゆめのロボット」を考えるための情報を集めておく。
第二次(3~6時)
③インタビュー記事を読み、「ゆめのロボット」がどういうものかをまとめる。
④説明文を読み、「着るロボット」がどんなものかをまとめる。
⑤二つの文章を関係付けて読んだことを基に、筆者の考えや願いをまとめる。
→アイデア1 主体的な学び
⑥筆者の考えや願いを交流し、自分の考えをまとめる。
第三次(7~11時)
⑦並行読書をして集めてきた資料を基に、自分の「ゆめのロボット」について考える。
⑧「『着るロボット』を作る」を読み、構成や書き方の工夫を見付ける。
→アイデア2 対話的な学び
⑨⑩「ゆめのロボット」を紹介するために自分の考えをポスターにまとめる。
⑪自分の考えた「ゆめのロボット」を発表し合い、感想を交流し、感じたことを伝え合う。
→アイデア3 深い学び
アイデア1 二つの文章を関係付けて読んだことを基に、筆者の考えや願いをまとめよう
筆者の考えや願いをまとめるという目的をもって二つの文章を関係付けて読んでいきます。そのときに、筆者の考えや願いが書かれているところに線を引いたり付箋を付けたりしながら、主体的に読み進めていくことができるようにします。
インタビュー記事と説明文をそれぞれ一枚ずつのシートにし、関係付けやすいようにすると効果的です。
▼教材文を全文掲載したワークシート例
このように読む視点を明らかにしながら付箋に書き出していくことで、筆者の考えや願いをまとめることへとつなげられるようにします。
アイデア2 「『着るロボット』を作る」を読み、構成や書き方の工夫を見付けよう
「『着るロボット』を作る」を読んで、作者はどのように工夫して説明をしているのかを話し合います。話し合ったことを基に、どんなことを書いていけばよいのかまとめていきます。

▼書く内容(例)
・どんなロボットか
・どんな人のために作ったのか
・ロボットの働き
・どんな効果があるのか
・活用例(活躍できる場面)
・願い
・理由
▼「ゆめのロボット」をポスターにまとめる例
ポスターにまとめるときには、名前やキャッチコピーを見やすく書いたり、話す順番にまとめたりするなど、レイアウトを工夫することが大切です。また、説明は簡潔に、箇条書きにするとよいでしょう。
アイデア3 自分の考えた「ゆめのロボット」を発表し合い、感想を交流し、感じたことを伝え合おう
学習の最後に自分の考えた「ゆめのロボット」について紹介します。相手に自分の「ゆめのロボット」についてより分かりやすく伝えるために、ポスターを指し示したり相手に呼びかけたりしながら伝えられるようにします。


聞き役の子供は、次のような視点をもちながら聞くことができるようにしましょう。
・分かりやすかったところ
・共感できたところ
・さらに聞きたいこと
・疑問に思ったこと
・発表を聞いて考えたこと など
発表の形態は、子供たちの実態に合わせて工夫しましょう。
▼発表の形態例


〇〇さんの考えた子供たちの安全を守ってくれるロボットがあると、安心して横断できると思いました。
子供たちだけでなくて、お年寄りにも役立つロボットだと思いました。
イラスト/やひろきよみ 横井智美
『教育技術 小三小四』2020年1月号より