挙手をためらう子供の背中を押す魔法の一言【動画】

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新任教師の悩みにお答え! ミサエラジオ
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佐賀県公立小学校教諭

小倉美佐枝

多くの若手教師から慕われる小倉美佐枝先生が、連載記事「令和2年度新任教師のリアル~実習と通常授業の間にある大きな壁~」を読んで、アドバイス! 今回は、「子供たちからの挙手がなく、授業に苦労している」という新任教師に、ミサエ先生から一言。 その極意とは?

実習時と教師になってからの授業のギャップ

教育実習時におこなう授業は、担任の先生がつくった学級の中でやるものなので、自分が教師になって授業をすると、その違いに気づくことがたくさんあります。でもそれを「ダメだ」と思ってしまうのではなく、ポジティブに捉えてほしいのです。きっと、学生の頃とは違う新たな発見があります。

日々接しながら、自分の言葉遣いや動きをこんなふうに配慮すれば、子どもたちにわかりやすく伝わるんだなという感覚というか体感というか。それは毎日何時間も授業をするからこそ、感じられる大事な宝物です。

それに実習生の頃と違って、担任は1年かけて反省点、気がついた点を改善していける環境にあります。チャンスと思ってあきらめないでほしいです。

ミサエ先生画像1

子供が「挙手」して発言するとは限らない

若手の先生の中には、マンガやTVのシーンでよく見かける、挙手して発言するみたいな授業のイメージを持っている人も多いと思います。挙手した子供の発言を元にした授業の進め方が基本になっていると、最初は苦労するかもしれません。

そこで、一年目はぜひ他のクラスの授業を参観することをお勧めします。授業の進め方、子供への問い返し方、教具、教室環境などいろいろなことが学べます。私も週1回、1年間参観を続けましたがすごく勉強になりました。

特に高学年の子供たちは挙手が苦手です。挙手中心で授業を進めていくと、どうしても停滞してしまう事があります。低学年は手を挙げてくれる子が多いけれど、高学年になるとそれがしんどくなってしまうことも。

以前は私も、最初が肝心と新学期の授業で手を挙げさせようと試みましたが、子供がなかなか反応してくれないこともありました。そんな時は、挙手するとはどういうことなのか、考えてみるのもいいかもしれません。自分の考えを伝える方法は、挙手だけではないことを知っておくのもいいですね。

「挙手」以外で発言させる方法とは?

授業中、発言を促した際、子供がフリーズしてしまう場面をしばしば見かけます。皆の前でいきなり発言しなきゃいけないという緊張感だったり、自分の考えに自信がなかったりという不安からでしょうね。

そういう時、私の場合は必ずワンクッション置くようにしてます。いきなり挙手させるのではなく、「隣や近くの席の人に思ったことを話して」と伝えてます。

その際もいきなり、「話してごらん」と言い放ってしまうのではなく、「“ここまで分かったけれど、この先が分からないんだ。〇〇さんならどう思う?”と、一言添えてから話してごらん」と、その子が話しやすくなるきっかけを与えて、負担を軽くするような声かけをしています。

「分からない」ということを、そのまま口にしてもいいのです。友達と交流を深めて、自分とは違う意見をまわりから取り入れられるチャンスなのです。

そうして、皆が話し合っているところを歩いて回り、「今、いいこと言ってたね!」と褒めたり、「その意見大切だから、皆に伝えてくれるかな」と言うと、嬉しそうに皆の前で発表してくれます。その積み重ねの経験によって、この学級では自分の考えを言ったら受け止めてもらえるという、子供たちの安心や自信に繋がるのです。

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こんな状況だからこそ、学校を一つのチームとして団結を

今年度は休校によって、授業時数の不足や遅れを取り戻すために、追い詰められた感が教師や子供にあるかもしれません。そうするとつい欠けてしまうのが、学校生活の『楽しさ』や授業の『面白さ』。すると子供たちは「学校に行きたくない…」「勉強したくない…」なんてことに繋がってしまいます。やる気を無くさないよう、そこは工夫が必要なのかなと思います。

例えば授業づくりでは、単元の強弱のつけ方とか時数の作り方など、一人ではなく、各教科ごとに学校全体で考えて工夫ができたらいいなと思います。「導入・展開・まとめ」の手順通りにいかなくても、「今日はここが大切」と思う部分だけはブレないようにすれば、いろいろなやり方があっていいのでは。45分という授業を15分単位で区切って学習していくのも、ありだと思います。

いろいろな方法がありますが、それを自分一人だけで考えるのは正直難しい。なので、まわりの先生方にたくさん頼ってください。学年の先生に聞くもよし、その教科が得意な先生に聞くもよし。学校を一つのチームとして皆で知恵を出し合って、工夫をしていければいいなと思います。

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ミサエ先生による愛あるメッセージいかがでしたか?
挙手が苦手な子もお隣さんとの会話でなら、臆することなく自分の考えを伝えられますよね。子供の心を軽くするちょっとしたアイデア、ぜひ試してください!

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小倉美佐枝(おぐら・みさえ)
若手教員向けのセミナーで圧倒的支持を集める個性派ポジティブ教師。共著に『女性教師の実践からこれからの教育を考える!』(学事出版)ほか。

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