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【指導計画】5年体育 リズムに乗って走り幅跳び【陸上運動】

2019/4/23

国立教育政策研究所教育課程調査官の監修による、教科指導のアイディアと授業のヒントをまとめた指導計画例です。次時の授業にお役立てください。

執筆/広島県安芸郡熊野町立公立小学校教諭 河野紘範
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官 高田彬成
      広島県安芸郡熊野町立公立小学校校長 平岡弘資

授業づくりのポイント

今回の走り幅跳びでは、その行い方を理解するとともに、試技の回数や踏み切りゾーンの設置などのルールを決めて競争したり、自己の記録の伸びや目標とする記録の達成を目指したりしながら、リズミカルな助走から力強く踏み切って跳ぶようにすることを目標にします。

授業づくりのポイントは2 つあります。1 つ目は、課題発見・解決型で単元構成することです。学習を通して、助走・踏み切り・空中姿勢・着地の4 つの動きから自己の課題を見付け、試行錯誤しながら課題解決できるように、それぞれの課題に応じた複数の場を準備するなどの工夫をするとよいでしょう。

2 つ目は、子供相互で観察する際の視点の明確化です。友達との教え合いは子供の思考を伸ばすことにつながります。その際、教師がどの動きに絞って観察し合うのかを明確にしておかなくてはなりません。また、観察する動きについてICT 機器を活用して確認すると、イメージもわきやすく、アドバイスの質も向上していきます。

単元計画の例(全7 時間)

単元計画の例
PDFでダウンロードする

やってみる

ここではまず、正しい計測の仕方や記録計測の役割分担など、円滑に学習を進めるために必要なことを決めておきます。また、立ち幅跳びの記録から目標記録を決めることで、個に応じためあてで学習を進めることができます。
子供自身が自分の動き等の課題を見付けるために、正しいフォームの図や子供の動きを録画するタブレットなどの活用が有効です。これらの活動は子供の思考力の向上にもつながります。また、グループ学習を通して、同じグループで子供相互が課題解決に取り組むことで、さらに思考力や表現力が高まります。

チャレンジタイム(課題発見・学習を試す場)

子ども「スタートの位置をどうしよう?」「踏み切る前のリズムが大切!」「着地は『ん』の姿勢」「高く踏み切ると、遠くに跳べるね」

助走・踏み切り・空中姿勢・着地のどれかに絞って観察することが大切です。タブレットで撮影して、動きを確認してみよう!

レベルアップタイム(助走・踏み切り)

子ども「踏みきり足が一歩目」「タ・タ・ターン」

踏み切り足を決めて、1 歩目を踏み切り足からスタートするといいよ。

「最後の3歩が速くなるといい感じ」「タン・タン・タ・タ・タ・タ・ターン」

助走はリズムが大切! 3 歩→ 5 歩→ 7 歩→ 9 歩と、少しずつ伸ばしていきましょう。

レベルアップタイム(踏み切り・空中姿勢・着地)

子ども「高く跳び上がるぞ」「膝を引き付けて跳んでいていいね」

空中姿勢を確認してみよう。

<着地の場合>
台の上から、短い助走から
「ん」の姿勢

着地の姿勢はどうかな?

ふかめる

ここでは、自己の課題解決に向けて、さらに動きの質を高めていく学習です。その際に注意したいことは2 つあります。

1 つ目は、「観察し合う視点」を再度徹底しておくことです。練習の場の数が多くなると具体的なアドバイスをすることが難しくなります。「観察し合う視点」に基づいた子供相互の質の高い関わりができるようにすることが大切です。

2 つ目は、個々の課題を明確にすることです。この学習の段階では、子供の課題もさまざまになってきます。一人ひとりの課題を把握し、練習の場を設定したり、アドバイスしたりしましょう。

レベルアップタイム(助走・踏み切りコース)

「踏み切りを合わせるために、マーカーの位置を変えよう」「リズムを意識しよう」
家位置を丸めたポンポンを踏みきり足に付けます。
「踏み切り位置をしっかりと見なくちゃ」

踏み切り足にポンポンを付けると、踏み切り位置がわかりやすいよ。リズムが合わなかったら3 歩助走の場で練習してみよう!

レベルアップタイム(踏み切り・空中姿勢・着地コース)

「強く踏み切って高く跳ぶよ」
へそがゴムに当たったら、片方の子どもは手を離します
「目が合った」「目が合ったぞ」
足の裏で力強く踏み切ろう!
着地が「ん」の形になっているね


足の裏で力強く踏み切ろう!

着地が「ん」の形になっているね

チャレンジタイム(計測コース)

記録が伸びないなあ。どうしてだろう。

高く跳ぶことができていないからじゃない?

練習したことを試してみよう!

「よかったね。踏み切りがぴったりだったよ」「私、記録が伸びたよ。スタート位置がよかったみたい」「踏み切りの時、膝が高く上がっているな。後で動画を一緒に見てみよう」


授業のアイディア

走り幅跳びなどの陸上運動では、記録が数値として表れるため、苦手な子の意欲は下がります。そこで、立ち幅跳びの記録から目標記録を設定します。記録に向けて取り組むことで、意欲の向上につながります。

また、個人の記録の伸びを基にグループで競争することで子供相互のアドバイスも増え、関わり合いが深まります。そして、教師は、できるだけ記録の伸びに着目し、子供の頑張りを評価していきましょう。

ワークシートの例

【コラム1】役割分担を!

学習をスムーズに進めるためには役割分担が大切です。自分の役割をきちんと果たすことは、学習だけでなく、人間関係づくりにもいきてきます。
※子供の目標記録からグループ能力が均等になるようにグループ分けをするとよいでしょう。

「踏み切り位置の確認をするよ」「レーキで砂場をならすよ」「友達の跳躍を動画に撮ったり、アドバイスしたりするよ」「出発合図を出すよ」「記録を伝えるよ」
先生「自分の役割をきちんと覚えて計測しましょう」

【コラム2】砂場の工夫!

砂場は横長に使うと、多くのレーンが確保できます。また、着地する付近に50cm ごとに色を分けたゴムを張ると、跳躍目標にもなり、30cm のものさしで簡単に計測できます。

砂場の工夫

教育課程調査官からのアドバイス

学び合いを効果的に取り入れて、楽しい活動を!

国立教育政策研究所 教育課程調査官 高田彬成

走り幅跳びでは、リズミカルな助走から、調子よく踏み切って遠くに跳び、友達と競い合ったり自己の記録に挑戦したりすることをねらいとします。子供によっては、踏み切り足が決まらない場合や、かがみ跳びから両足で着地ができない場合もあることが予想されます。まずは、踏切板などのやさしい場を準備し、繰り返し跳ぶなかで、決めた足で踏み切ることと、膝を柔らかく曲げて両足で着地することを身に付けることができるようにしましょう。
次に、もっと遠くに跳ぶための動き方のポイントと、その動きを身に付けるための練習の仕方を示し、子供が自分の力に応じた練習方法や練習の場を選べるようにします。記録の伸びとともに、子供の意欲も高まってくるため、本稿にあるような得点方法などを活用し、グループで繰り返し競争するなかで、学び合いを効果的に取り入れるとよいでしょう。
場や活動の安全には十分に留意し、楽しく活動ができるようにしましょう。

イラスト/たなかあさこ
『小五教育技術』2018年5月号より

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