• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

【学年・教科別指導計画】5年体育 リズムに乗って跳ぼう! 大空に向けてジャンプ!【陸上運動~走り幅跳び~】

2019/4/23

国立教育政策研究所教育課程調査官の監修による、教科指導のアイディアと授業のヒントをまとめた指導計画例です。次時の授業にお役立てください。

執筆/広島県安芸郡熊野町立公立小学校教諭 河野紘範
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官 高田彬成
      広島県安芸郡熊野町立公立小学校校長 平岡弘資

授業づくりのポイント

新しいクラスにも慣れてきた時期です。さらに子供が相互に関わり合う授業に取り組みましょう。

今回の走り幅跳びでは、その行い方を理解するとともに、試技の回数や踏み切りゾーンの設置などのルールを決めて競争したり、自己の記録の伸びや目標とする記録の達成を目指したりしながら、リズミカルな助走から力強く踏み切って跳ぶようにすることを目標にします。

授業づくりのポイントは2 つあります。1 つ目は、課題発見・解決型で単元構成することです。学習を通して、助走・踏み切り・空中姿勢・着地の4 つの動きから自己の課題を見付け、試行錯誤しながら課題解決できるように、それぞれの課題に応じた複数の場を準備するなどの工夫をするとよいでしょう。

2 つ目は、子供相互で観察する際の視点の明確化です。友達との教え合いは子供の思考を伸ばすことにつながります。その際、教師がどの動きに絞って観察し合うのかを明確にしておかなくてはなりません。また、観察する動きについてICT 機器を活用して確認すると、イメージもわきやすく、アドバイスの質も向上していきます。

単元計画の例(全7 時間)

単元計画の例
PDFでダウンロードする

やってみる

ここではまず、正しい計測の仕方や記録計測の役割分担など、円滑に学習を進めるために必要なことを決めておきます。また、立ち幅跳びの記録から目標記録を決めることで、個に応じためあてで学習を進めることができます。
子供自身が自分の動き等の課題を見付けるために、正しいフォームの図や子供の動きを録画するタブレットなどの活用が有効です。これらの活動は子供の思考力の向上にもつながります。また、グループ学習を通して、同じグループで子供相互が課題解決に取り組むことで、さらに思考力や表現力が高まります。

チャレンジタイム(課題発見・学習を試す場)

子ども「スタートの位置をどうしよう?」「踏み切る前のリズムが大切!」「着地は『ん』の姿勢」「高く踏み切ると、遠くに跳べるね」

助走・踏み切り・空中姿勢・着地のどれかに絞って観察することが大切です。タブレットで撮影して、動きを確認してみよう!

レベルアップタイム(助走・踏み切り)

子ども「踏みきり足が一歩目」「タ・タ・ターン」

踏み切り足を決めて、1 歩目を踏み切り足からスタートするといいよ。

「最後の3歩が速くなるといい感じ」「タン・タン・タ・タ・タ・タ・ターン」

助走はリズムが大切! 3 歩→ 5 歩→ 7 歩→ 9 歩と、少しずつ伸ばしていきましょう。

レベルアップタイム(踏み切り・空中姿勢・着地)

子ども「高く跳び上がるぞ」「膝を引き付けて跳んでいていいね」

空中姿勢を確認してみよう。

<着地の場合>
台の上から、短い助走から
「ん」の姿勢

着地の姿勢はどうかな?

ふかめる

ここでは、自己の課題解決に向けて、さらに動きの質を高めていく学習です。その際に注意したいことは2 つあります。

1 つ目は、「観察し合う視点」を再度徹底しておくことです。練習の場の数が多くなると具体的なアドバイスをすることが難しくなります。「観察し合う視点」に基づいた子供相互の質の高い関わりができるようにすることが大切です。

2 つ目は、個々の課題を明確にすることです。この学習の段階では、子供の課題もさまざまになってきます。一人ひとりの課題を把握し、練習の場を設定したり、アドバイスしたりしましょう。

レベルアップタイム(助走・踏み切りコース)

「踏み切りを合わせるために、マーカーの位置を変えよう」「リズムを意識しよう」
家位置を丸めたポンポンを踏みきり足に付けます。
「踏み切り位置をしっかりと見なくちゃ」

踏み切り足にポンポンを付けると、踏み切り位置がわかりやすいよ。リズムが合わなかったら3 歩助走の場で練習してみよう!

レベルアップタイム(踏み切り・空中姿勢・着地コース)

「強く踏み切って高く跳ぶよ」
へそがゴムに当たったら、片方の子どもは手を離します
「目が合った」「目が合ったぞ」
足の裏で力強く踏み切ろう!
着地が「ん」の形になっているね


足の裏で力強く踏み切ろう!

着地が「ん」の形になっているね

チャレンジタイム(計測コース)

記録が伸びないなあ。どうしてだろう。

高く跳ぶことができていないからじゃない?

練習したことを試してみよう!

「よかったね。踏み切りがぴったりだったよ」「私、記録が伸びたよ。スタート位置がよかったみたい」「踏み切りの時、膝が高く上がっているな。後で動画を一緒に見てみよう」


授業のアイディア

走り幅跳びなどの陸上運動では、記録が数値として表れるため、苦手な子の意欲は下がります。そこで、立ち幅跳びの記録から目標記録を設定します。記録に向けて取り組むことで、意欲の向上につながります。

また、個人の記録の伸びを基にグループで競争することで子供相互のアドバイスも増え、関わり合いが深まります。そして、教師は、できるだけ記録の伸びに着目し、子供の頑張りを評価していきましょう。

ワークシートの例

【コラム1】役割分担を!

学習をスムーズに進めるためには役割分担が大切です。自分の役割をきちんと果たすことは、学習だけでなく、人間関係づくりにもいきてきます。
※子供の目標記録からグループ能力が均等になるようにグループ分けをするとよいでしょう。

「踏み切り位置の確認をするよ」「レーキで砂場をならすよ」「友達の跳躍を動画に撮ったり、アドバイスしたりするよ」「出発合図を出すよ」「記録を伝えるよ」
先生「自分の役割をきちんと覚えて計測しましょう」

【コラム2】砂場の工夫!

砂場は横長に使うと、多くのレーンが確保できます。また、着地する付近に50cm ごとに色を分けたゴムを張ると、跳躍目標にもなり、30cm のものさしで簡単に計測できます。

砂場の工夫

教育課程調査官からのアドバイス

学び合いを効果的に取り入れて、楽しい活動を!

国立教育政策研究所 教育課程調査官 高田彬成

走り幅跳びでは、リズミカルな助走から、調子よく踏み切って遠くに跳び、友達と競い合ったり自己の記録に挑戦したりすることをねらいとします。子供によっては、踏み切り足が決まらない場合や、かがみ跳びから両足で着地ができない場合もあることが予想されます。まずは、踏切板などのやさしい場を準備し、繰り返し跳ぶなかで、決めた足で踏み切ることと、膝を柔らかく曲げて両足で着地することを身に付けることができるようにしましょう。
次に、もっと遠くに跳ぶための動き方のポイントと、その動きを身に付けるための練習の仕方を示し、子供が自分の力に応じた練習方法や練習の場を選べるようにします。記録の伸びとともに、子供の意欲も高まってくるため、本稿にあるような得点方法などを活用し、グループで繰り返し競争するなかで、学び合いを効果的に取り入れるとよいでしょう。
場や活動の安全には十分に留意し、楽しく活動ができるようにしましょう。

イラスト/たなかあさこ
『小五教育技術』2018年5月号より

関連する記事

授業記事一覧

間違えたくない先生、必読! 教科横断的な外国語の授業づくり

新学習指導要領の作成協力者・佐藤美智子先生が「間違えない外国語」を解説! テーマは、「教科横断的な授業づくり」です。カリキュラム・マネジメントに基づいた単元例、…

子どもの明らかな誤発言、あなたならどうしますか?

学級経営・特別活動を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、教育現場で見て気になったことについて、ズバリと切り込みます。 今回は「子どものご発言」について考察し…

カリキュラムマネジメントイメージ
2020年の新学習指導要領で必要なカリキュラム・マネジメントとは!?

2020年に始まる、小学校の新しい学習指導要領の実現には、教育活動の質を向上させ、学習効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントを確立する必要があると言われて…

基本がわかる!家庭科~6年:ナップザックを作る~

家庭科での製作は子供たちにとって楽しい学習のひとつです。子供が、安全に楽しく活動できるようにするための指導のポイントや学習環境について紹介します。6年生は、日常…

2019/7/17

手縫いのパッチワークの作例
基本がわかる!家庭科~5年:学級旗を作る~

家庭科の授業でフェルトを使った小物作りを行うことで、手縫いに必要な用具の安全な使い方を理解し、手縫いの基本的な技能を身につけられるようにします。クラスの大切な思…

家庭科の道具のイメージ
基本がわかる!家庭科~指導のポイント~用具の使い方

家庭科での製作は、子供たちにとって楽しい学習のひとつです。子供が、安全に楽しく活動することができるように気を付けたい指導のポイントや学習環境について紹介します。…

4年3組学級経営物語(9)

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。イワオジの教師力の原点を聞き、自身の未熟さを反省をする渡来先生。そんな姿を見たイ…

学んだことが実践に結びつかない! 改善策はどうする? 

教師の一方的な講義法による知識の伝達だけでは、実践に結びつく学習活動となりにくいことは、誰もが感じていることだと思います。学習を通して学んだ知識が実践として結び…

「小学校教科担任制」推進へ! 小学教育はどう変わるか

2019年4月、文部科学省は小学校高学年で教科担任制を推進する方針を示し、小学校高学年で教科担任制をすでに実施している小学校もあります。令和の時代に求められる教…

2019/7/8

【学年・教科別指導計画】1年体育 のって はずんで だいへんしん! 【表現リズム遊び】

表現リズム遊びは、「リズム遊び」と「表現遊び」から構成され、自分の心身を解き放って、リズムやイメージの世界に入りきることが楽しい運動遊びです。低学年の子供たちは…

2019/7/7

もっと見る