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実習と通常授業の間にある大きな壁【令和2年度新任教師のリアル】

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新任教師のリアル

これは、2020年4月に小学校の先生の道を歩き始めた、小学校教諭・優花と美咲(仮名)の対談連載です。 ともに1997年生まれ、学生時代から仲がよく、歩みを揃えるように、先生になりました。それから3か月。休校→分散登校を経て、通常授業を始めた彼女たちが、これまでの日々を振り返ります。

女性教師の対談イメージ画像
photo by kobu-agency

●優花(ゆうか)……東京都出身。大学時代は道徳教育の研究に力を注ぐ。某県の教員採用試験に合格し、現在公立小学校3年生の担任。

●美咲(みさき)…… 東京都出身。楽器の演奏、運動や体操が好き。学芸会や運動会など大きな行事の運営を研究。私立小学校2年生の担任。

授業どころじゃない!ケガをさせないことが最重要課題

――分散登校から通常の登校になりました。それまで、十数人程度だった子供たちが、クラス全体として三十数人一気に登校しています。学校生活や、授業で感じたことをお聞かせください。

優花・授業もそうですが、それ以上にクラス作りが大変です。

美咲・毎日大変だよね。事務作業も本当に多いし。朝7時に学校へ行き、夜19時までは帰宅できないほど、やることがたくさん!

優花・私も同じ。今はもう「子供にケガをさせないこと」で精いっぱい。ケンカも多いし、危険な行動をする子供も多い。ロッカーに登る子供もいて、怖いし、ひやひやする!

美咲・元気に登校したら、元気に下校させる。これが一番のミッションだね。

優花・自分が先生になってはじめて、大学時代にした実習は自分の実力ではないとわかった。実習って、完成したクラスで、“お客さん”として授業をすること。自分が担任となって、授業を作るのとでは、全然違う。

美咲・実習のときは「この質問をしたら、〇〇さんが挙手して発言するだろう」と感じながら授業を組み立てていたけれど、今はそんなもの、全くない(笑)。

優花・私も挙手させて進める授業しか知らないから、苦労している。子供たちのいいところはたくさんあるのに、その引き出し方がわからないの…。

美咲・私もそうだよ。さらにうちの学校は、休校中の遅れを、授業時間を短縮し、教科を増やして全体的に巻きなおそうとしているの。だからある程度一方的に授業を進めなくてはいけないことが、心苦しい。

優花・45分間ってあっという間だよね。「導入→展開→まとめ」なんて手順通りには全然行かない。

「座りましょう」と言っても床に座る子どもにカチーン

美咲・クラスで気になる子供はいる?

優花・授業中にふらついている子供がいて、その子に「座りましょう」と言ったら、椅子に座らず、床に座ったの。カチーンと来たけれど、その感情をやり過ごした。

美咲・それはムカッとくるよ。私は1年生から持ち上がりだったから、ある程度クラスができている。問題行動を起こす子供はいるけれど、別の子供が「〇〇さん、その座り方は違うよ」とか「先生、授業するのを待ってるじゃん」などと注意してくれる。

優花・それは理想的だけれど、なかなかうまくいかないよね。注意した子供を褒めるのは、指導の本質ではないしね。やはり、摩擦を経て、調和が生まれ、時間をかけてクラスができあがるのを見守るしかない。だから私はなるべく子供たち同士がペアで話す時間を持つようにしている。話せばお互いのことがわかるから。

美咲・そうだよね。相手のことがわかるとぶつかり合いが起こりにくくなるから。私は個別指導方法に悩み中。これは、模索していくしかないかな。

優花・それにつけても、子供はなかなか静かにならないね(笑)。

美咲・休み時間は楽しく遊び、授業は静かに受ける……この切り替えは難しい。

優花・あと、意外だったのは、提出物がそろわないこと。提出物のために、時間を使うことが多いと感じた。

美咲・期日までに提出物が出されないと、連絡帳に「〇〇さんの保護者の方へ、〇〇〇〇が未提出です。〇月〇日までに持ってきてください」と書かねばならない。1~2分で終わることなのに、その2分が確保できず残業になる。

優花・ Googleの管理システム( G Suite for Education )を使えば、集計までできるのにね。未だに手作業ということに、もやもやする。

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