初授業はオンライン!【令和2年度新任教師のリアル】

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新任教師のリアル

これは、2020年4月に小学校の先生の道を歩き始めた、小学校教諭・優花と美咲(仮名)の対談連載です。ともに1997年生まれ、学生時代から仲がいい彼女たちは大学を卒業し、先生になりました。それから2か月。緊急事態宣言下で新卒の先生として現場に立った彼女たちが、休校延長となった5月の日々を振り返ります。

(2020年5月27日、ビデオ会議システムを利用してインタビューを行いました)

写真/金川秀人

●優花(ゆうか)……東京都出身。大学時代は道徳教育の研究に力を注ぐ。某県の教員採用試験に合格し、現在公立小学校3年生の担任。

●美咲(みさき)…… 東京都出身。楽器の演奏、運動や体操が好き。学芸会や運動会など大きな行事の運営を研究。私立小学校2年生の担任。

新任でもベテランから頼りにされるオンライン授業

――ゴールデンウィーク明けに行った「オンライン授業」の実際について教えてください。

優花・先生になって最初に行ったのが、動画によるオンライン授業だったというのは、とても感慨深いです。私が勤務する公立小学校は、動画を撮影して配信しました。

美咲・どんなことをしたの?

優花・週2回程度の出勤日に学年の先生が集まって、動画を撮影してYouTubeで配信するの。子供たちには学校の一斉メールでパスワードを送って、試聴してもらうんだけれど、見たかどうかの確認はできないんだよね。

美咲・そうだよね。それに、インタラクティブ(対話形式)ではないのが、もどかしいよね。内容についても教えてほしい。

優花・週に2本配信したんだけれど、授業をするというよりも、課題のやり方の説明が中心だった。漢字ノートの使い方、生活カードの書き方など。前の学年でやり残した課題について力を入れていて、算数の基礎的な考え方などを盛り込んだよ。オンライン授業って、新卒なのにベテランの先生から頼りにされて不思議な感じがした。

美咲・わかる! 40~50代の先生方が「私は昭和の化石だから、いろいろ教えてね」とおっしゃる。自宅にWi-Fiをつなげていない先生も少なくなかった。

優花・Zoom(ビデオ会議システム)での学級会をしたんだけれど、進めるための通信環境が整っていない先生もいたみたい。美咲ちゃんの勤務校はどんな感じで授業したの?

美咲G Suite for Education(ペーパーレスで課題の受け渡しができるGoogle classroom、ビデオ会議アプリなどがセットになったもの)を使って授業をしたよ。驚いたのは、クラス30人全員が参加したこと。

優花・先進的! Google classroomは、課題の出題と採点もできるし、フィードバックも可能。何より、相互にコミュニケーションが取れるから、授業になるよね。どのように進めるの?

美咲・事前に用意したのは、A4サイズのホワイトボード。これは、子供たちの自宅に教科書や課題、植物の栽培キットを送付するときに同梱した。私が質問したら、ホワイトボードに回答や意見を書いて画面に表示させられるように。

優花・可視化されていると、子供たちの理解状況が把握しやすいよね。一方的な動画配信だと、見たかどうかの把握もできないから、もどかしさを感じるよ。

美咲・とはいえ、時間は限られているし、表情がはっきりとはわからないから、実際にわかっているかどうかは、見えてこないよ。

優花・今後、授業のデジタル化は進むかもしれないよね。気付いたことを教えて!

美咲・進め方は前回話した通り、基本的なルール決めをすることで十分だと思う。あとは、保護者の方の協力を得ること。私は「ミュート(消音)にしないで」と伝えていたんだけど、保護者の方が在宅勤務で会議している音声が入ってきたりして、「協力いただいているんだ」と思った。子供用のタブレットやPCを用意する負担も大きかったんじゃないかな。あとは、先生同士の意思疎通も大切。私の勤務校は、オンライン授業に前向きな先生が多く、みんなで手こずりながら、どきどきしながら進めていた。

優花・そういう話を聞いていると、私の勤務校は、「対面授業以外は授業ではない」と考えている先生が多いと感じるな。

美咲・そういう意見があると知りつつ、できることをするのが先生の仕事だということがわかった。

どこまでが先生の仕事かがわからなくなることも

優花・学校ってどうしても、教育委員会から指示されたことを実行するという側面があるよね。オンライン授業もそうだけれど、準備期間に時間をかけられないことが多かったと思う。いきなりすごい指示が降ってくる感じ。学校が始まってから、担任が教室の消毒をしたり、時間も手間もかかる仕事が増えて、内心は「え? これも先生の仕事なの?」と思うような内容の仕事もある。それは言えないけどね…。

美咲・わかる。コロナ禍で「エッセンシャルワーク」という言葉が話題になったよね。ゴミの収集、荷物の配達、販売、製造工場の方などの「欠かせない仕事」を指す言葉。先生の仕事に、消毒、掃除、教室の保全などのエッセンシャルワークが多く盛り込まれるようになったと感じる。5月はいろいろあったけれど、子供たちに会えることを楽しみに乗り切っていたな。

頑張った子供たち一人ひとりに声をかけたい

――学校が始まったら、何をしたいですか?

美咲・子供たちに「よく頑張ったね!」ってほめてあげたいです。友達と遊べず、外にも出かけられず、一番頑張ったのは子供たちだから。

優花・私もそう。一人ひとりに消毒スプレーを噴射しながら、声をかけてあげたい(笑)。

美咲・行事も全部中止になってしまったし。私、運動会や学芸会などの行事を楽しみに準備していたから、がっかりした。

優花・今年はできなくても、いつかはできるようになるよ! その日のためにできることをしていこう。オンライン学級会で気が付いたことは、人は好きなことの話をしていると、元気になるということ。行事はなくなっても、子供たちと好きなことをたくさん話し合って、笑顔になろうよ。

美咲・そうだね。今日、一学期の成績について説明があり、基本的に成績は付けず、「意欲と頑張り」を評価することになった。振り返ると、子供たちは本当に頑張っている。私たちも、前を向いて進もう。

優花・うん、頑張ろう! 


取材・文/前川亜紀

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