子供も先生も楽しめる! 雨の日の「教室レク」
梅雨時は外遊びができなくなり、子供たちのストレスもたまりがち。そこで教室内で安全に、学級全員で遊べるレクのおもしろアイディアを紹介します。
執筆/埼玉県公立小学校主幹教諭・藤井隆光
目次
1.ラインナップゲーム
学級全員でお題の順に並んで円をつくるゲームです。速さに挑戦して達成することで、子供たちの絆が深まるゲームです。チームに分かれての対抗戦も白熱します。
【時間】15分
【人数】学級全員
【準備物】なし
【1】立っている状態で、全員で一つの円をつくり、お題を聞いたら、目標タイムを話し合います。円の基準の位置を決め(チーム対抗戦で実施する場合は、列の先頭を決める)、合図でゲームをスタートし、順番に並び替えをします。教師はタイムを測定します。
【2】並び替えが終わったら、全員で「完成!」と大声で叫び、その場に座ります。
【3】順番通りなら全員で「万歳!」を唱えます。
【4】次のお題に移る前に、どうしたらもっと速く確実にできるか、話合いの時間をとります。
お題例
・誕生日順(バースデイラインと称し、しばしばアイスブレイクで使われています)
・出席番号順(苗字のあいうえお順)
・名前のあいうえお順
・背の高さ順
・学校から家までの近い順(何分か?)
・今朝早く起きた順
盛り上がりアレンジ
サイレントラインナップゲームにし、言葉を出すことをNGにすると難易度が上がります。その際は、ジェスチャーやアイコンタクトなどで並び替えをします。
2.おにぎり描き対決
制限時間内に、最も多くのおにぎり(三角形)を描けたチームが優勝です。スリル満点で、しかもチーム対抗戦なので応援にも熱が入ります。
【時間】5~6分
【人数】学級全員(1チーム7~8人)
【準備物】黒板・チョーク
【1】チームに分けた後、チーム内で描く順番を決めます。一人ずつ黒板におにぎり(三角形)を描いていきます。
【2】2番目、3番目と順番に内側におにぎりを描いていきます。おにぎりは重ならないように、内側にできるだけ大きなおにぎりを描きます。
【3】制限時間内に、最も多くのおにぎりを描けたチームが優勝です。
盛り上がりアレンジ
優勝チームのおにぎりには、教師がお漬物やおかずの写真を添えると喜びます。△おにぎり、〇おにぎり、□おにぎりなど、形を変えてもおもしろいでしょう。
3.デ・キ・タ・ラ・ス・ゴ
教師の合図に合わせて動きますが、途中から合図の言葉と動きが変わります。思わず笑顔が出てくるレクです。
【時間】10分
【人数】学級全員
【準備物】なし
【1】全員で一つの円をつくります。教師の合図に合わせて動くことを説明します。
【2】それぞれの合図の動きを、説明をしながら実際にやってみます。
「ゴー」は、時計回りに歩きます。「ストップ」は止まります。「ラン」は、その場で走るまね(ももを上げて腕を振る)をします。「ターン」は、進行方向を逆にします。「キープ」は、そのままの動作を続ける合図です。「電車( デンシャ)」は、進行方向前の人の肩に手を載せて歩きます。
【3】しばらくしたら、合図と動きの組み合わせを少しずつ変えます。例えば、「ゴー」は立ち止まり、「ストップ」は時計回りに歩くなど。
【4】最後にこのレクの名前が、なぜ「デ・キ・タ・ラ・ス・ゴ」になるかを伝えて終了します。
盛り上がりアレンジ
日直当番やじゃんけんに勝った子供が合図を出し、教師も円の中に入って一緒に活動すると子供たちの喜びも増します。
4.春巻きじゃんけん
3人でじゃんけんをして、出した手がみんなバラバラのとき、春巻きが完成します。1回の完成につき1ポイント付きます。ポイントをたくさん獲得した3人組が勝ちです。
【時間】5~6分
【人数】学級全員(3人1組)
【準備物】なし
【1】説明をしながら、実際に進めていきます。じゃんけんを3人一組で行います。グーは肉を、チョキは箸を、パーは皮を表します。
「春巻きじゃんけん、じゃんけん、ぽん!」
3人が何を出したか、結果を見ます。以下、3人で声を合わせて同じポーズをします。
【2】
グー、チョキ、パーがすべて揃った場合
「いただきます!」(合掌ポーズ)→1ポイント獲得!
二人が同じだった場合
① グーだけがない
「肉が、なぁい!」(ちゃぶ台返しのポーズ。以下同様)
② チョキだけがない
「箸が、なぁい!」
③ パーだけがない
「皮が、なぁい!」
三人とも同じだった場合
① グーだけしかない
「肉しか、なぁい!」 (開き直りの万歳ポーズ。以下同様)
② チョキだけしかない
「箸しか、なぁい!」
③ パーだけしかない
「皮しか、なぁい!」
【3】ポイント数を全体で確認し、ポイントをたくさん獲得した3人組が勝ちです。
盛り上がりアレンジ
1回のじゃんけんごとに組を変えて、個人のポイント数にする方法もあります。
5.食パンゲーム
ドキドキしながらテンポよく拍手を回していくことで、一体感を感じることができます。はじめは学級全員で行いますが、2回目以降は何組かに分けるとよいでしょう。
【時間】5分
【人数】学級全員
【準備物】なし
【1】全員で(チームで)一つの円をつくります。円の中心を向きます。1番を決め、そこから時計回りに言葉「食(しょく)」または、「パン(拍手)」を次の人にテンポよくつなげます。
【2】「食」、「パン(拍手)」、「食」、「パン(拍手)」、「食」、「パン(拍手)」、「パン(拍手)」で1クールです。
【3】2回目は、「食」、「パン(拍手)」、「食」、「パン(拍手)」、「食」、「パン(拍手)」、「パン(拍手)」、「パン(拍手)」。
【4】同様に3回目の「食」の後の「パン(拍手)」を一つずつ増やすことを繰り返します。増やす数を間違えたり、テンポが乱れたりしたらアウトです。間違えた子供からスタートし、最初から繰り返します。
盛り上がりアレンジ
メトロノームを使い、テンポを速くしたり遅くしたり、反時計回りにしたりと、少し変化を付けながら進めると飽きません。食パン以外にも、あんパンやジャムパン、チーズパンバージョンも楽しいです。
6.進化じゃんけん
じゃんけんで進化を楽しむ内容ですが、5つの進化には体力づくりにもつながる動きがあります。学級の中で最も速く進化できた子供がチャンピオンです。
【時間】15分
【人数】学級全員
【準備物】なし
【1】教室を動き回り、じゃんけんに勝つことで進化することを説明します。進化の順は ①タマゴ ②ニワトリ ③サル ④人間 ⑤神様(上がり)の順です。負けたら①のタマゴから再スタートします。
【2】教師と一緒に、それぞれの動きと鳴き声を練習します。
①タマゴ しゃがんで両手を頭の上に置きます。
②ニワトリ「コケコッコー」しゃがんで鶏冠と尻尾を付けます。
③サル「ウッキー」中腰になり、頭に手を載せ、顎に手を付けます。
④人間「やっほー」直立の姿勢で満面のピースサインです。
⑤神様「かーみーさーまー」両手を広げてスキップで喜んで、上がりです。
【3】じゃんけんは、同じ進化同士でしかできないことを説明し、タマゴからスタートします。
【4】ゲーム中、教師の「ポーズをオーバーリアクションでやると目立つよ」や「鳴き声が大きくていいね」などの声かけで、盛り上がりも増します。
盛り上がりアレンジ
2回目以降の活動には、進化の過程を子供たちで話し合うことで、学級オリジナル進化じゃんけんも誕生します。他にも、5つの進化を4つまでに制限するなどのアレンジを。
7.ウインクキラーゲーム
破壊力抜群の「ウインク」で、相手をノックアウトする「怪盗ウインク」がいます。探偵の子供は、歩き回っている友達(街の人)の動きを観察し、怪盗ウインクを探します。
【時間】15分
【人数】学級全員
【準備物】なし
【1】探偵役を3~5人、怪盗ウインク役を一人決めます。全員が顔を伏せた状態で、希望者は静かに手を挙げます。背中をトントンとされた子供が怪盗ウインク役です。学級のほぼ全員が街の人役です。
【2】スタートの合図で、街の人は全員歩き回ります。怪盗ウインクは、探偵に気付かれないようにウインクをします。
【3】ウインクをされた街の人は、5秒数えて「やられた〜」と声を出し、大げさに演技をしながらその場に倒れます。
【4】探偵は、怪盗ウインクが分かった時点で「怪盗ウインクが分かりました!」と言って手を挙げます。正解したらゲームオーバーです。
盛り上がりアレンジ
怪盗ウインクを2人以上にすると、ゲームのテンポアップにつながり、教室中から「やられた~」の声が響き渡ります。
イラスト/嵯峨根明日香(オーデザインチャンネルズ)
『教育技術 小三小四』2020年6月号より