小4理科「とじこめた空気や水」指導アイデア
執筆/福岡県公立小学校教諭・川﨑紗也香
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、福岡県公立小学校校長・福田修二
目次
単元のねらい
空気と水について、体積や圧し返す力の変化に着目して、それらと圧す力とを関係付けて調べる活動を通して、空気と水の性質についての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。
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単元の流れ(総時数5時間)
一次
閉じ込めた空気と水を比べて学習問題をつくろう(2時間)
空気や水を閉じ込めたペットボトルを圧して手応えを感じたり空気鉄砲や水鉄砲を飛ばしたりする活動を通して、違いを比較することから空気と水の問題を見いだします。
・2つを比較する視点をもたせる単元を通して、空気と水を比べるという視点をもたせましょう。
二次
『閉じ込めた空気』の性質を調べよう(1時間)
閉じ込めた空気に力を加えると、空気の体積や圧し返す力がどのように変化するかを調べます。
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三次
『閉じ込めた水』の性質を調べよう(1時間)
閉じ込めた水に力を加えると、水の体積や圧し返す力がどのように変化するかを調べます。
見方 主として「実体的な見方」
目に見えない空気が筒の中に存在していることを子供たちみんなで確認してから、実験しよう。
考え方
閉じ込めた空気や水の体積の変化や圧し返す力を、「比較」したり「関係付け」たりして考える。
四次
空気と水の性質の利用(1時間)
空気と水の性質を利用したおもちゃや道具などの仕組みについて学んだことを適用し、表現する活動を行い、本単元をまとめます。
これでバッチリ! 単元の導入はこうしよう
ペットボトルに、空気と水を閉じ込めて手応えの違いを確認した後に、空気鉄砲と水鉄砲を比べましょう。
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空気鉄砲と水鉄砲を比べるためにゆっくり棒を圧しましょう!
【見るところ】
① どこまで圧すと弾が飛ぶか。
② 圧すときの手応え。
③ 弾の飛び方。
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空気鉄砲
① 空気はたくさん圧せた。
② 手ごたえが大きい。圧し返される感じ。
③ 弾は遠くまで飛んだ。
水鉄砲
① 水はあまり圧せなかった。
② 最初は手ごたえが大きいけど、すぐ手ごたえがなくなった。
③ 弾はあまり飛ばなかった。
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【話合い】
どうして、水より空気のほうが、弾が遠くまで飛んだのかな。
空気が圧されて、圧し返そうとして弾が飛んだんじゃない?
空気を圧すと、圧し返そうとする力が生まれるのかな。
空気を圧せるということは、体積が縮むっていうことかな?
【学習問題】
閉じ込めた空気や水に力を加えると、体積や圧し返す力はどうなるのだろうか。
活動アイディア
資質・能力の育成をめざして!
単元導入時の体験活動(①空気と水を閉じ込めた袋を圧して、手応えを感じる体験 ②空気鉄砲や水鉄砲を飛ばす体験)を大切にしましょう。この体験を根拠にすることで、閉じ込めた空気や水の性質を調べるときに、子供たちは根拠のある予想を発想することができます。さらに、子供たちの予想を交流し合うことで、根拠のある予想を発想する力の育成につながります。
単元の導入で空気鉄砲や水鉄砲で遊んでいる写真を撮っておき、子供が活動を想起できるようにしましょう。
授業の展開例(第二次 第1時)
イラスト/たなかあさこ、横井智美
『教育技術 小三小四』2019年7/8月号より