休校明けの子供が感じる不安と心のケア【新型コロナ対策】

地域差はあるものの、さまざまな形で小学校も学校再開となっています。休校明けの子供たちの不安やストレスと教師はどう向き合い対処していく必要があるのか、児童心理理解について、追手門学院小学校講師・多賀一郎先生に解説していただきます。
執筆/追手門学院小学校講師・多賀一郎

目次
子どもたちがストレスフルなのは当然
子どもたちは、大きなストレスを抱えているという前提で対応を考えましょう。
長い間、抑制的な生活を強いられているのです。いつもの休みなら、テーマパークや遊園地に行ったり、様々な施設に遊びに行ったりすることもできました。友達とも自由に遊べました。でも、そういう遊びが一切できずに、主に家に籠もって過ごしてきたのです。休みで楽しいのは一週間もなかったという子も多いかもしれません。
「学校はやっぱり楽しいところだ」と、実感できるようにしていきましょう。
子どもは家庭では弱者である
新型コロナの影響で仕事の無くなったおうちもたくさんあります。イベント関係、飲食業界、観光関係…みなさん苦しんでいます。保護者の仕事が無くなったり家計がひっ迫したりすることは、子どもたちに関係のないことではありません。家族で心配したり、おうちでの言い合いが増えたりしているかもしれません。ものすごいストレスだと思います。子どもたちは家庭の弱者なのですから、そのストレスは学校が受け止めなければなりません。
また、残念なことですが、僕のところにはDVが増えているという情報が入ってきています。DVの多くは大人のストレスのはけ口が子どもに向くということですから、家庭にストレスが充満していたら、増えるのは当たり前ですね。学校は、子どもにとって逃げ場でもあったのだと痛感しています。よく観察しておかないと、DVを受けている子どもはなかなかわかりません。そういう子どもがいるのだという前提で子どもの様子を見ましょう。
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