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「分かった」で終わらせない! 学びが深まる「更なる一手」の実践法|3年生「電気の通り道」【理科の壺】

連載
理科の壺/進め!理科道~理科エキスパートが教える、小学校理科の指導法とヒント~
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國學院大學人間開発学部教授

寺本貴啓
【理科の壺】シリーズタイトルバナー

子どもたちの「分かった!」は本当に“分かって”いるのでしょうか。「理解している」子どももいれば、「分かったつもりになっている」子どももいます。そこで、再度自分自身が分かっているのかどうか振り返る手立てが重要になります。1単元に1回でよいというわけではなく、様々な場面で「揺さぶり」をかけることができます。子どもたちの理解をより強固なものにするには、このような揺さぶりの引き出しを増やすことが大切です。優秀な先生たちの、ツボをおさえた指導法や指導アイデア。今回はどのような“ツボ”が見られるでしょうか?

執筆/北海道教育大学附属釧路義務教育学校前期課程教諭・佐々木惇基
連載監修/國學院大學人間開発学部教授・寺本貴啓

はじめに

理科の授業において、子どもが自信をもって「分かった」と言い切る場面は、一つの到達点です。しかし、その言葉が示す理解は、必ずしも十分に吟味されたものとは限りません。子どもは、特定の事象だけを根拠に「分かった」と発言している場合もあります。さらに、そのまま授業が進むことで表面的な理解で止まり、知識が十分に身に付かないまま単元が終わってしまうということも考えられます。

本稿では、小学3年理科「電気の通り道」の授業実践を通して、子どもの「分かった」という認識をあえて揺さぶることで、次の授業の問題を生み出した実践について報告します。

回路ができているように見えるのに、明かりがつかない!?

本実践は、小学3年理科「電気の通り道」の単元に位置づけた授業です。単元の流れ、および本実践の授業場面は以下の通りです。

①豆電球と乾電池を導線でつなぐと、豆電球の明かりがつくことを知る
②「豆電球と乾電池を導線でどのようにつなぐと明かりがつくのだろうか」という問題を見いだす
③見いだした問題について、実験で確かめる
④見いだした問題に対する結論を導出する
⑤「電気を通す物はどのような物だろうか」という問題を見いだす(本実践)
⑥見いだした問題について予想を立て、実験で確かめる
⑦実験の続き
⑧見いだした問題に対する結論を導出する
⑨学習のまとめ

導入では、乾電池・導線・豆電球を用い、一見すると回路が完成しているように見えるものを提示しました。しかし、豆電球の明かりはつきません。なぜなら、導線が途中で切れているからです。導線が切れている部分を教師が手で隠した上で子どもたちに提示しました。

提示直後から、

「どこかにしかけがあるんじゃない!?」
「先生、手で隠しているところ、線が切れているんじゃない?」

といった発言が見られ、子どもたちは現象をそのまま受け取るのではなく、原因を探ろうとする姿が見られました。

その後、切れている導線部分を明らかにし、さらに、切れている部分同士つなぐと明かりがつくことを確かめることで、「たとえ回路の途中で導線が切れていても、その部分をつなぎ合わせることで電気が流れる」ことを確認しました。

「金属なら電気は通る」という理解

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