ゴールを決め、必要な語彙や表現を学習し、プレゼンをする【「高校につながる英・数・国」の授業づくり #66】
前々回から、全国学力・学習状況調査の結果も良好で、今年、全国英語教育研究団体連合会(全英連)の全国大会が開催される静岡県で、文部科学省の元視学官、現関西外国語大学の直山木綿子教授が授業力を評価する、焼津市立焼津中学校の藤根聖太教諭の単元・授業づくりを紹介しています。最終回となる今回は、藤根教諭が「リアルな場面設定」や「魅力的な学習課題」などを意識して取り組み始めた頃の、3年生の授業「What plan is the best for Richard?~ALTに夏休みのデートプランを提案する~」を紹介します。

目次
教科書教材の学習後、よりリアルなコミュニケーションを図る授業
前々回は、単元を通してリアルな場面設定をすることで、子供たちが前のめりに学習を進めていく1年生の実践事例を紹介しました。今回紹介するのは、そのような「リアルな場面設定」や「魅力的な学習課題」に力を入れ始めた頃の実践で、教科書教材の単元を学習した後、その内容を使って、よりリアルなコミュニケーションを図るといった授業です。おそらく、自分でオリジナルの授業づくりに取り組み始めたいと考える若手の先生には、参考になる実践事例ではないでしょうか。
授業の展開について、藤根教諭は次のように説明します。
「この授業は3年生で、過去分詞と現在完了を新たに学習した単元の最後の部分で行ったものです。ですから、授業冒頭のスモールトークに当たる部分では、“Have you ever been to〜? ” “I have been to〜twice.”といった既習表現の練習をしています。また、クラス全体で行った“Let’s play Kahoot!”(Kahootは4択問題の早押しのようなクイズゲーム)でも、“How long has Richard lived in Yaizu?” や“Which place has Richard ever been to?”といった問題を出しています(資料参照)。
ちなみに、Richardは当時、本校にいたALTの名前です。Richardは非常に個性的な独身の男性で、子供たちはその個性に興味・関心をもっていました。そこで、ここで行っているRichardに関するKahootのようなものや、それに類するクイズを前時までに行っており、子供たちは彼に関する基本的な情報は知っています。
資料

そこから、Richardが考えて悩んでいることがあるということで、彼の話を聞いていきました。Richardはとても気になる日本人の女性がいると話し始めます。そして、『仲良くなるために、彼女を誘ってどこかへデートに出かけたい』と言うのです。
実はこの授業の約1年前、この子供たちが2年生だったときにも似たような話があり、それで、『またデートプランで悩んでいるよ』という話になりました。しかし、子供たちは『仕方ないな、ひとはだ脱いでやろう』という感じで、ではどんなところにデートに行くとよいか考えようとなったのです。
