小３体育「かけっこ・リレー【走・跳の運動】」指導アイデア

特集: 文部科学省教科調査官監修｢教科指導のヒントとアイデア｣

授業改善

2025.12.26

プリント

単元名

かけっこランドでダッシュ

年間計画表　

単元目標

●知識及び技能
かけっこ・リレーの行い方を知るとともに、調子よく走ったり、バトンの受渡しをしたりすることができるようにする。
●思考力、判断力、表現力等
自己の能力に適した課題を見付け、動きを身に付けるための活動や競走の仕方を工夫するとともに、考えたことを友達に伝えることができるようにする。
●学びに向かう力、人間性等
かけっこ・リレーに進んで取り組み、きまりを守り誰とでも仲よく運動をしたり、勝敗を受け入れたり、友達の考えを認めたり、場や用具の安全に気を付けたりすることができるようにする。

授業づくりのポイント

①運動の特性

「かけっこ・リレー」は、距離を決めて調子よく最後まで走ったり、走りながらバトンの受渡しをする周回リレーをしたりする楽しさや喜びに触れることができる運動です。また、体を巧みに操作しながら様々な動きを身に付けることを含んでいる運動です。いろいろな走り出しの姿勢からのスタート及び規則や場を工夫したリレーを行うことで、走ることが苦手な子供も楽しく、進んで運動することができるようになります。

②学習のねらい

授業では、低学年の「走・跳の運動遊び」で学習した内容をふまえ、距離を決めて調子よく最後まで走ったり、走りながらバトンの受渡しをする周回リレーをしたりしていきます。また、勝敗を受け入れ、誰とでも仲よく、励まし合いながら運動する素地を養うことも併せて大切です。

③子供の取組

子供は、調子よく走って友達と競い合ったり、友達とバトンを受渡したりする楽しさや喜びに触れることができます。その一方で、子供によっては競い合って勝つことができず、楽しさ・喜びに触れることができなくなってしまうことも考えられます。また、リレーでは、タイミングよくバトンを受渡すことができなかったり、チームの記録が縮まらなかったりすることも考えられます。

④指導の手立て

そこで、本指導アイデアでは、単元の前半は、かけっこに取り組む時間を多く設定し、規則や場を工夫したコースを用いることで、走ることの面白さや心地よさを感じられるようにします。そして、単元の後半では、徐々にリレーに取り組む時間を多く設定し、かけっこで身に付けた腕の振り方や体の傾け方などのポイントを生かしながら、友達とタイミングよくバトンを受渡すことができるようにしていきます。また、デジタル学習基盤を用いて動画撮影を行い、単元の序盤と終盤での走り方やバトンの受渡しの仕方を比較することができるようにします。これにより、子供はできるようになったことや自己の課題に気付くことができるようになります。

⑤指導ポイント

子供たちが楽しみながら運動に取り組むことができるようにするため、気持ちよく走れるような規則や場の工夫が大切です。競走の際は、体力や技能の程度にかかわらず、勝つことができるように活動の仕方を工夫していきます。リレーでは、腕の振り方や体の傾け方など身に付けたことを生かし、走りながらタイミングよくバトンを受渡すことができるように行い方を工夫します。また、自己の課題を見付け、その解決のための活動を工夫するとともに、きまりを守り誰とでも仲よく運動をしたり、勝敗を受け入れたり、友達の考えを認めたり、場や用具の安全に気を付けたりできるようにしていくことも大切なポイントになります。