合理的配慮【わかる!教育ニュース #81】

先生だったら知っておきたい、様々な教育ニュースについて解説します。連載第81回のテーマは「合理的配慮」です。
目次
次期学習指導要領の総則に「合理的配慮の提供」を明記する案が提示
障害のある子や情緒面に不安がある子など、学校には様々な子供が集まっています。どの子も安心して学べる場にするには、何が必要でしょうか。手掛かりになる方針が、次期学習指導要領の総則に盛り込まれようとしています。
先日の中央教育審議会の作業部会で、次期学習指導要領の総則に障害のある子供への「合理的配慮の提供」について明記する案が示されました(参照データ)。
具体的には、本人や保護者と話し合って意見をまとめた上で、学校にとって過重な負担にならない範囲で行うことを記載。意見が分かれることもあるため、合理的配慮や過重な負担がどういうものかなど、基本的な観点を指導要領の解説に記すことも提案しています。また、1人1台端末などデジタル学習環境の活用を合理的配慮の前提にし、音声読み上げ、文字サイズ変更などの支援機能や入出力を助ける装置の利用にも言及しました。
合理的配慮とは、障害のある人が不利益を被らないよう、必要な調整や支援をすることです。2016年施行の障害者差別解消法では、企業、店舗、行政機関などに対し、障害を理由に利用やサービスを制限することを禁じ、本人の申し出に応じて、負担になりすぎない範囲で対応するよう義務付けています。
