小5国語「やなせたかし—アンパンマンの勇気」【板書の技術】

今回の教材は「やなせたかし―アンパンマンの勇気」です。本単元の目標は、「伝記を読み、自分の生き方について考えよう」です。そのため、「たかし」の人生の出来事や、そのときの「たかし」の行動や考えについて年表をつくって整理したり、文章から読み取った人物像の根拠を明確にしたりします。その活動を支える板書の工夫を紹介します。
監修/元京都女子大学教授 元同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/埼玉県公立小学校教諭・正能茉莉(せせらぎの会)
単元名|伝記を読み、自分の生き方について考えよう
教材名|「やなせたかしーアンパンマンの勇気」(光村図書出版)
目次
単元の計画(全5時間)
- 全文を通読して感想や考えをもつとともに、学習の見通しをもつ。
- 伝記に取り上げられている出来事と「たかし」の言動や考えを確かめる。
- やなせたかしの人物像を考えながら、それぞれの場面について読み深める。
- 考え方に着目して「たかし」の人物像をまとめる。
- やなせたかしについて学んだことをまとめ、読み合う。
- 並行読書で読んだ伝記について友達と共有する。
※6については、単元計画外に時間をとり、話し合う場を設ける。
板書の基本
伝記文は実在の人物について事実をもとに記述したものです。内容は次の3つから成り立っています。
1つ目は、人物の生きた時代の出来事やそれに対する人物の行動(年代、年齢などの事実)です。
2つ目は事実をもとにして筆者が考える人物像を文章で伝えていることです。
3つ目は、栄光と苦労を通して人物の生き方を伝えています。
本教材では、筆者(梯久美子)が考えたやなせたかしの生き方について、エピソードを織り込みながら作品としてまとめたものです。単元計画においては5時間というなかで、上記の1つ目と2つ目の指導を行うことにして板書を工夫しました。
文章全体を概観できる板書
2/5時では、「たかし」の生き方や考え方を捉えるために、「たかし」の人生の出来事や、そのときの「たかし」の行動や考えについて整理していきます。年代や年齢ごとに、起こった出来事や「たかし」の考えたことを年表にまとめ、文章全体の流れを捉えやすくします。どの出来事も、「たかし」の行動や生き方、考え方に影響を与えていることに気付かせることを目的に工夫しました。
文章から読み取った人物像の根拠を明確にした板書
4/5時では、「たかし」の人物像について考える際に、根拠を明確にさせます。教科書のどの文章からそう考えたのかが分かるように書かせ、共有します。「たかし」の人物像については様々な捉え方があるため、友達の考えを聞きながら、様々な根拠・考えに触れて、自分の考えを広げたり、深めたりさせていきます。
