学級レクリエーションに最適!クラス作りに役立つ楽しいゲーム5選

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とっておきのアイデアいっぱい!小学校のゲーム・レク・アイスブレイク記事まとめ
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宮城県公立小学校教諭

鈴木優太

フリーランスティーチャー

田中光夫
こどもたちのイメージ

いよいよ新学期のスタート。改めて大切にしていきたいのは、ルールとリレーションです。楽しいゲームが成立するためには、ルールを守ることが絶対に必要。楽しくみんなで遊ぶことで、個人間のリレーションを高める効果も期待できます。レクリエーションとして、クラス全体や班単位で、紹介している『室内ゲーム』をやってみましょう。

そして、各ゲームで紹介されている「発展」の部分を先生だけで考えるのではなく、ぜひ子どもたちと一緒に話し合ってみてほしいのです。自分たちに必要なルールをつくる話合いを経験している子供たちのリレーションは、ちょっとやそっとのことでは崩れることがありません。

名前を、言って言われてカクテルパーティ効果【増殖していくボク】

埼玉県川口市立公立小学校教諭 紺野 悟

増殖していくボクの説明カット
イラスト/田中光夫

「相手の名前を呼ぶと好感がもたれる」という説を聞いたことはありませんか。ビジネスや恋愛で用いられるテクニックです。「おはよう!」より、「りょうさん、おはよう!」、「話そう」より、「たかとさん、話そう!」の方が心地よく感じるものです。名前を気軽に呼び合える教室が、心地よく感じるものです。名前を気軽に呼び合える教室が、心地よい教室の条件と私は考えています。

ねらい

•名前を呼び合う心地よさを体験する。
•名前を呼び合い、温かく友達とつながる。

進め方

① 教室の中を自由に歩いて、ペアをつくります。
この時、「長谷川さん、やろう!」と名前を言って声をかけられると◎です。
②お互いにフルネームで自己紹介をします。
 「こんのさとるです。よろしくね!」
 「はせがわともみです。よろしくね!」
③ じゃんけんをします。負けた人は、勝った人 の名前を、自分の名前の上
に追加していきます。
(例)「はせがわともみ・こんのさとるです」
(自分の名前の上に負けた分だけ名前が追加され、言うのが大変になっていきます)
④ 「ありがとうございました」と握手をして、次のペアを探しにいきます。
⑤ ①〜④を繰り返します。
⑥ 最も長い名前になって言えた人が優勝です。

増殖していくボク、名前がどんどん長くなって・・・
イラスト/田中光夫

発展・手立て

〈発展〉好きな食べ物や得意なこと、誕生日などで行う。
〈手立て〉たくさん覚えることがむずかしい実態であれば、「三つ覚えたら先生のところに来てリセット」などの手立ても可能です。

活動の様子

以前もったクラスで、休み時間ずっと一人で座っている子がいました。ある時「〇〇さん、やろう!」と声をかけられ、柔らかい表情をしていることに気付きました。そこから、このゲームで繰り返し遊びました。3月、彼は自分から「〇〇さん」と呼べるようになっていました。

教師の視点

名前を扱うゲームです。「どんな呼び方をされるとうれしいかな?」と、活動の前後に問いかけ、名前を大切にする態度を養うことも大切です。

カクテルパーティー効果と言って、どんなに騒がしい場所でも、自分の名前は聞き取ることができるそうです。子どもたちは、名前を呼ぶ・呼ばれることで、自分も大切なクラスの一員なんだと実感できるようです。これで、安心感のある学級づくりの時間に大変身します。

【関連記事】じゃんけんを活用したお手軽学級ゲームもチェック!→集会や異年齢でも楽しめる じゃんけん遊び2選

問題を起こす魔物に名前をつけよう
【手作りカードゲーム・クラモン】

宮城県公立小学校教諭 鈴木優太

クラモンのイラスト
イラスト/田中光夫

ロシア生まれのカードゲーム「ナンジャモンジャ」*が教室で大人気です。謎生物に名前を付けて早く呼ぶ、このシンプルなルールを応用した室内遊びを紹介します。

話を最後まで聞けない魔物、落とし物をする魔物…。小学校の教室にはときどき、魔物が現れるそうです。私たちのクラスの魔物『クラモン』をカードに描き出します。この『クラモン』をカードゲームにして遊んでみると、あら不思議!クラスの課題が嘘みたいに消えて無くなる…かもしれません。

ねらい

•学級の課題に向き合う。

作り方

① クラスの課題を話し合い、クラスに問題を起こす魔物『クラモン』を5枚のカードに同じ絵で描きます。(クレヨンで描くと味が出ます。PCやタブレットで描くのもおすすめ)
②12種類×5枚で、2〜6人で遊べます。(カードは厚紙を切ったものでOKですが、ラミネート加工すると、さらに丈夫になります)

進め方

① 山札から一人1枚ずつカードをめくり、山札の横にカードを重ねていきます。
② めくったカードが初めて出た『クラモン』だったら、ふさわしいと思う名前を付けます。付けた名前は、後で同じ絵の『クラモン』が出た時に素早く叫べるように、しっかり覚えておきます。
③ めくる→名付ける→重ねる…と繰り返します。
④ めくったカードがすでに名前を付けた『クラモン』だったら、その名前を叫びます。一番早く言えた人が、それまでに重ねられたカードを全てもらいます。山札が尽きた時に、集めた枚数が最も多い人がチャンピオンです。

クラモンでモンスターの名前を呼んでいる
イラスト/田中光夫

活動の様子

「廊下を走っているから…走り目こぞう!」
「それ、私が描いたの! ぴったりの名前だね」
「廊下は歩くように気を付けないとね」

自分たちがつくった愛着あるものだからこそ、こうした交流が自然発生します。名付け名人や名前覚え達人も誕生しました。

「ワルモンだけじゃなくイイモンもつくりたい」
と、一人で1セット(60枚)作った強者もいました。本家「ナンジャモンジャ」セットと一緒に教室に置いてあることで、外遊びができない休み時間も、教室は大爆笑に包まれています。

魔物に子供たちと一緒に向き合うことが、素敵な教室づくりに結びつくと考えます。

教師の視点

おかしなモンスターをつくり、おかしな名前を付ける…そんな活動だからこそ注意しなくてはいけないことがあります。モンスターの風貌や付ける名前が、誰かが不快な思いをするようなものや下品なものにならないようにすることです。

ゲームを気持ちよく成立させるための「約束」を子供たち自身に考えさせたいものです。いじめ問題や多様性理解と向き合うヒントにもなる、価値あるゲームだと私は考えています。

★カードゲーム「ナンジャモンジャ」はリーべディバ・アリョーナ作、フェドトヴァ・ナヂェズダ絵の著作物で、「ナンジャモンジャ」は株式会社すごろくやの登録商標です。日本国内では株式会社すごろくやが販売しています。公式サイト http://nanjamonja.jp/

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大食い王を決めろ【チーズバーガーじゃんけん】

フリーランスティーチャー 田中光夫

じゃんけんでチーズバーガーを作ろう
イラスト/田中光夫

本日は大食い王決定戦へようこそ! 皆様に食べていただくのは「チーズバー
ガー」です。果たして、制限時間でいくつ食べられるかな? 次々と仲間をかえながら、3人1組でじゃんけんをしていくゲームです! 

ねらい

• じゃんけんゲームを楽しみながら、仲間とのつながりを深める。

ルールの説明

①3人組をつくり、じゃんけんをします。
② グーは「ハンバーグ」、チョキは「チーズ」、パ ーは「パン」です。3人がそれぞれグー、チョキ、パーを出して三つがそろったら、「チーズバーガー」の完成です。
③ 完成したら3人で声をそろえて「いただきます!」と叫びましょう。これで1個食べたことになるので指を折って数を覚え、3人組を解散。また新たに別の人と3人組を組んで、じゃんけんをしましょう。
④ グーチョキパーが揃わないとき、例えば「グー・グー・パー」「パー・パー・グー」ならチーズがないのでチーズバーガーは食べられません。3人で声を揃えて「チーズがなーい!」と叫んで、3人組みを解散し、また新たな3人組になってじゃんけんしましょう。
「パー・パー・チョキ」「チョキ・チョキ・パー」なら「ハンバーグがなーい!」、「グー・グー・チョキ」「チョキ・チョキ・グー」なら「パンがなーい!」となります。
⑤ もし3人が同じものを出した場合、例えばチョキが揃ってしまったら、「チーズしかなーい!」、グーが揃ったら「ハンバーグしかなーい!」、パーが揃ったら「パンしかなーい!」と叫んで、次の3人組になります。
⑥ じゃんけんは、同じ3人組で連続して行うことはできません。最低でも、3人の中で1人はメンバーを替えて行うようにします。
⑦ 制限時間は5分間。終了の合図で時間内に食べられたチーズバーガーの数を聞いていきます。一番多く食べられた人が大食い王に決定です。

イラスト/田中光夫


活動の様子

チーズバーガーが完成し、大きな声で「いただきまーす!」と叫ぶのは気持ちがいいので、どんどん盛り上がります。2回戦目を告げると、1回戦目より3人組を組むのが早くなります。

教師の視点

3人組が組めない子がいたら、場に教師も入り、大きな声で温めましょう!

参考文献
『はじめの5分で頭の準備運動を!「頭ほぐし」 の学習ベスト50 』(学事出版)の鈴木優太さんの実践を参考にしました。お勧めの本です。

言いまちがいを楽しもう!【かみなりサンダーゲーム】

福島県二本松市立公立小学校教諭 菊地南央

かみなりサンダーゲーム
イラスト/田中光夫

リズムにのって、数字を数える。とても簡単そうなのに、たった一言が加わるだけで、ハラハラドキドキの「かみなりサンダーゲーム」に早変わり。みんなで言いまちがいを楽しみながら、楽しくスキンシップを図ることができます。

ねらい

•まちがいや失敗も楽しみ合える関係性を育む。

進め方

① 3〜6人でグループをつくり、内側を向いて円形に座ります。
② 左手の平を上向きにして自分の前に出します。「イチ」のタイミングで右手で自分の左手をたたきます。また、「ニ」のタイミングで右手で右隣の人の左手をたたきます。
③ ②を繰り返しながら、リズムに合わせて時計回りに数字を数えていきます。
④ 途中で誰かが「サンダー」と言ったら、次の人は「イチ」に戻って、また数字を数えていきます。
⑤ 数え間違えてしまったり、2回連続で「サンダー」を繰り返してしまった人は、両隣の人からわき腹にビリビリ光線(くすぐり攻撃)を受けます。

発 展

【スピードアップ】
シンプルなルールですが、テンポを上げるだけでかなり難易度がアップします。
【ボンバイエルール】
「イチ、ニ、サン」の次に限って「ダー」という掛け声を言っていいことにします。その場合は、全員で「〇〇、ボンバイエ、○○、ボンバイエ」という掛け声をかけます。そして「ダー」の次の人から「イチ」に戻って、また数字を数えていきます。「〇〇」は担任の名前など、学級で合言葉を決めるといいでしょう。

かみなりサンダーで盛り上がっているみんな
イラスト/田中光夫

活動の様子

「かみなりサンダーゲーム」は、隣の人の手をたたくことで、気軽にスキンシップを図ることができます。また、白熱してくると徐々に児童の距離も近くなってきます。ハイレベルではありますが、「ボンバイエ」の掛け声をかけるときには、グループの団結力が一気に高まって楽しい雰囲気を感じられます。

教師の視点

簡単そうですが、やってみると言いまちがいを連発します。はじめは、とてもゆっくりからスタートするのがコツです。また、始まる前には、みんなが笑顔で楽しめるビリビリ光線の強さの度合いや、隣の人の手をたたく丁度よい強さを共有するよう声をかけることも大切です。
楽しいスキンシップを通して、お互いの体温・身体感触を知ることが、相手を尊重する態度の土台を育んでいきます。

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小さな私の分身がアドベンチャー【分身の術かくれんぼ】

神奈川県横浜市立公立小学校教諭 藤丸裕基

小さな分身を隠そうとしている子供
イラスト/田中光夫

教室でかくれんぼ!? 普通にやったら怒られちゃうけど、紙で作った分身がかくれんぼするなら、楽しくできる!

ねらい

• ルールを自分たちでつくり、守る大切さを体験する。
• だれとでも温かなつながりをもてる。

進め方

① 適当に切った紙を、子供たちに配ります。子供たちは、その紙に自分の分身を描きます。
② 描いた分身を教室のどこかに隠してもらいます(教師が隠してよい範囲を決めてしまうのもよいですが、どの場所に隠されると困るかについて、子どもたちが話し合いながらルールをつくり変えていけるとよいです)。
③ いよいよスタートです。はじめは先生が鬼役(探す役)をするのがおすすめです。実況中継しながら行うと大いに盛り上がります。

発展

次は鬼役を子どもたちにバトンタッチします。
① クラスを半分にし、隠れるチームと鬼チームに分かれます(人数が奇数の場合は先生が入り、ぴったり半分に分かれるようにします)。
② 鬼チームは廊下で待機。その間に隠れるチームは、教室に自分の分身を隠します。準備ができたら、分身の術かくれんぼのスタートです。分身を見つけた人は、「〇〇さん見ーつけた」とコールします。
③ 分身を見つけた人は、見つけた分身に、一言コメントを書いて、本人に返してあげます(はじめは教師がテーマを決めるとよいと思います。「〇〇さんのすごいところ」「〇〇さんにありがとうのメッセージ」などとすると、分身が見つかって悔しい気持ちも、温かなつながりの場に早変わりします)。

小さな分身を見つけてくれた子へのメッセージ
イラスト/田中光夫

活動の様子

鬼チームの人は、一人につき一つの分身しか探せないルールにしておくと、分身を見つけた・見つけられた組み合わせのペアができます。そのペアでのメッセージ交換も「あんな場所に隠してあるなんて思わなかった! すごい!」「〇〇さん最近当番活動を頑張っているね」と、テーマがなくても徐々に温かなやり取りが生まれます。分身がまだ見つからない鬼チームの子も、隠れるチームの子が「黒板のほうだよ」「教室の右側だよ」と上手にヒントを出して、お互いに楽しむ様子が見られます。

教師の視点

自分たちでつくったルールを守っていけるかは、クラスのバロメーター。どの場所に隠されると困るか、どんなルールが必要か。遊びながら、自分も相手も楽しむことを学んでいけます。また、自然にペアができるので、一人ひとりのつながり方を観察することができます。何気ないメッセージ交換から、より温かなつながりを構築するきっかけになります。

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『小二教育技術』 2018年11月号より

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