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教科担任制、ICT活用など「学校における働き方改革」取組事例

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過重労働が深刻な問題となっている日本の学校教育現場。子供たちに質の高い授業や指導を行うためにも、今「働き方改革」は急務の課題です。一部教科担任制の導入、誰もがとれる計画年休、授業・校務のICTフル活用を推し進めて、先進的な「働き方改革」を実現している横浜市立北山田小学校を取材しました。

お話をうかがったのは…

神奈川県公立小学校校長・板倉千鶴

板倉千鶴校長
先生のための「働き方改革」メイン
北山田小学校の先生方

学級崩壊を防ぐため教科担任制を導入

横浜市の「働き方改革推進校」の一校である、北山田小学校。同校では、一部教科担任制や計画年休の導入、ICTの活用など、さまざまな改革を行っています。その結果、横浜市が毎年実施している教員のストレスチェックでは、同校の教職員のストレス度の数値が市内でも最良値となり、さらに学力の向上にもつながったと言います。

取材に訪れた日、四年生の授業では、1組の担任が3組に体育を教え、三組の担任が1組に図工を、2組の担任は自分の学級で理科を教えていました。同校がこのような特定の科目を受け持ち以外のクラスでも教える「一部教科担任制」を取り入れたのは2016年。同年に着任した、板倉千鶴校長の発案です。

「一番の目的は学級崩壊を防ぐためです。私は教育委員会に長年勤務していたので、学級崩壊が起きてしまった学校や学級をたくさん見てきました。学級崩壊が起きると子供も保護者も先生もみんな傷つき、本当につらい思いをします。学級崩壊にはさまざまな要因がありますが、子供と教師の相性や、教師の指導力や経験値に差があることも大きいのです。教科担任制にすることで、クラスによる差がなくなり、さらに、学年の教員全員で子供一人ひとりを見守ることができます」(板倉校長)

教科を分担し準備の負担を軽減

一部教科担任制は先生方にとって他にもさまざまなメリットがあったと言います。教師になって3年目の4年1組担任の牧口先生に聞きました。

「自分は経験が少ない分、子供の指導や授業にまだ不安があるのですが、他のクラスの先生も一緒に自分のクラスを見てくれるので安心感があります。また、同じ内容の授業を複数回実践できるので、準備のしがいもありますし、改善しながら授業を高めることができ、指導力も向上します」

次の日から産休予定の2組担任・兼子先生は、「偶然ですが私は理科を担当したので、妊娠がわかったとき、体を使う体育や図工を他の先生にお願いできて本当によかったと思いました。また課題のある児童に対して、学年の先生たちと指導上の問題を共有できるので心強いですね。学年の先生がみんなで子供に関わるので、自分だけで見ていたら気付かないクラスの課題も見えてきたり、自分が見えていなかった子供のよさにも気付いたりすることができます」。

「図工・理科・体育は授業準備や教材研究が大変なんです。教科を分担すると、それらが3分の1で済みます。また全クラスを見るので、他のクラスの教室に入りやすく、授業以外でも指導しやすくなりました」と図工担当の3組担任・大津先生。

3組担任の大津先生
1組に図工を教える3組担任の大津先生
2組担任の兼子先生
1組から3組まで理科を教える2組担任の兼子先生

担当する教科を絞ることで教材研究や授業準備、評価にかける時間が減り、さらに複数回同じ内容の授業をするため、授業力も向上するとのこと。子供や保護者からも「たくさんの先生に関わることができて楽しい」「複数の先生に相談ができて安心」と好評。

時間割のホワイトボード

時間割は二つのホワイトボードを使い、先生同士で相談しながら2週分ずつ組む。慣れるまで、この時間割作成は大変だったそう。北山田小では、中高学年に1名ずつ、担任をもたない教師をチームマネージャーとして配置し、時間割の作成を担当。担任の負担を減らすことができた。

職員室の風景

連絡事項が多い週の初めは、担任が自分のクラスを担当する時間を増やすなど、学級経営をスムーズにする工夫も。

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