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次期学習指導要領は保護者・地域にも理解してもらうことが重要 【次期学習指導要領「改訂への道」#18】

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中教審レポートと関係者インタビューで綴る 次期学習指導要領「改訂への道」
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次期学習指導要領「改訂への道」
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現在、現場の小学校を代表して教育課程企画特別部会で、審議に参加しておられる松原修委員(東京都武蔵野市立第二小学校校長)のお話を紹介しているこの企画。最終回となる今回は、学習指導要領の改訂後までも見据えながら、現時点から各学校で考えたり取り組んだりしてほしいことなどについて、お話を伺っていきます。

今回の学習指導要領は、教員に分かりやすいものになることを意図している

これは少し先の話になりますが、次期学習指導要領ができた後、その内容については、教員はもちろんのこと、保護者・地域にも理解していただくことが重要です。

諮問文には「学習指導要領の趣旨・内容について、保護者をはじめ社会全体と共有する」とありますが、これを推進していかないと、いくら未来の教育の姿を議論しても、学校と保護者・地域とのギャップが広がるばかりになってしまいます(資料1参照)。保護者をはじめ社会全体と簡単に共有する方法があるとは思いませんが、今回の学習指導要領自体が、教員にとって分かりやすいものになることは、大きなポイントです。教員にとって分かりやすいということは、保護者・地域にとっても分かりやすいということになるからです。

【資料1】初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(学習指導要領改訂の諮問文)より抜粋

第四に、教育課程の実施に伴う負担への指摘に真摯に向き合うことを含む、学習指導要領の趣旨の着実な実現のための方策等についてです。具体的には、以下の事項などについて御検討をお願いします。 …(中略)…

〇学習指導要領の趣旨・内容について、保護者をはじめ社会全体と共有するとともに、学校種を超えて一人一人の教師に浸透を促す方法をどのように考えるか。

学習指導要領改訂の諮問文。

何より、分かりやすい学習指導要領ができて、教員も「なるほど、この学習指導要領が目指しているのはそういうことか」「これは子供たちのためになるから、しっかりやろう」となり、保護者・地域にも自信をもって説明できます。例えば保護者会で、「今度の学習指導要領は…で、通知表は…となります。これは…という意図で、学校も一生懸命取り組みますのでご協力ください」と説明できるわけです。

それが、もし教員にとって分かりにくいもので、難しい説明をされたとしたら、「なんでそんなことをする必要があるのだろう…」という思いをもちながら、「授業も変える必要がある、通知表も変える必要がある」となり、保護者に「それは、どんな意味があるのですか?」と質問されても、説明に窮してしまうでしょう。

「学習指導要領が変わりました」「教員もみんな理解しました」「保護者・地域も理解してくださって…」となるのは簡単ではないかもしれません。しかし、分かりやすいものにしていくことで、多少時間はかかっても、次第に浸透していくことになるでしょう。

何より、教員が納得すれば授業が変わります。それによって保護者から、「最近うちの子はとても授業が楽しそうです」とか、「我が子がこんな深いことを考えているのかと夫婦で感心したんですよ」という話が出てくるようになれば、より保護者・地域の理解を得ることができるでしょう。保護者は子供の姿で学校の様子を知るものなのですから。

学習指導要領は示されるものということに慣れすぎていた

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