来年度も無担任として働きたいがそれってダメなこと?

5年目で無担任を経験した20代の男性教諭から「みん教相談室」に相談が寄せられました。来年度もこのまま無担任でいたいが、周囲の目も気になりどうすればいいか悩んでいるそう。これに回答したのは、みん教の音声番組・ミサエラジオでの愛情深いポジティブトークで人気の佐賀県公立小学校教諭・小倉美佐枝先生。その内容を紹介します。

目次
Q.来年度も無担任のままでいたいが、それってダメなこと?
小学校教諭5年目です。4年目までは学級担任として働いていましたが、4年目に保護者や児童との間で問題が起こり、5年目は担任ではなく、無担任として過ごしています。
4年目の当時は、児童や保護者との関係が上手くいかず、精神的にも苦しい日々を過ごしていました。最初は無担任としての立場にやりがいを感じられませんでしたが、現在は、無担任として授業や児童とのかかわりにやりがいを感じています。
管理職には4月からは担任として働くことをすすめられますが、自分としては来年度も無担任として働きたいと思っていますが、周りの目なども気になりどうすればいいのか悩んでいます。今後教員としてどうしていけばいいのかアドバイスをいただきたいです。
(まお・20代男性)
A.担任でもそうではなくても、よい経験。でも、ネガティブな理由では選ばないで
教員をしていると、いろいろな出来事に出合いますよね。4年目での経験は、まお先生にとって、案外、大切な経験だったのではないでしょうか。
私としては、うまくいった経験よりも、うまくいかなかった経験こそ、しっかりと振り返り、今後に役に立つ材料だと思っています。
私も、悔やんだり苦しかったりしたことが何度もあります。そのたびに、担任としてふさわしいのかと思ってきました。
でもね、思うのですよ。
「そのとき、うまくいかなかった」ということです。つまり、「ほかでは、うまくいくかもしれない」ということです。
だから、担任として働くことにネガティブにならないでほしいなあと思います。子どもも保護者も、毎年かわるのです。メンバーはかわります。学級は作っていくものなので、必ず同じ3月を迎えることはありません。一期一会ですから。
もちろん、担任ではない立場にいることもよい経験です。
今年度、私も担任ではありません。ただし、学級担任の先生方にとって、どれだけ役に立てるだろうかということも私の目標です。学校全体にとって役に立てるようにとも考えて働いています。
そのとき、学級担任だった15年間の経験は大きく影響しています。担任の先生方の気持ちは少なからずとも分かりますから、その思いも踏まえて動いていますよ。
担任であった経験は大きな強みです。
ぜひ、周りの目のことを意識するのではなく、この学校で自分は何を頑張りたいのかを考えて、担任か担任ではないかを検討してみてくださいね。
「みん教相談室」新規受付停止のお知らせ
長い間、この企画を応援してくださり、ありがとうございます。
今後「みん教相談室」は新規のご相談受付を停止し、現在開発中の新たな取り組みの中に、これまで大切にしてきたコンセプトを活かしていきたいと考えております。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。