困難に負けない、柔らかくて強い心を育てよう! 小学校の教室で育むレジリエンス ~中学年編~
困難や危機に直面したとき、それをしなやかに乗り越えて回復する力。それが「レジリエンス(回復力・復元力)」です。この力を養うことは、集団生活を送る子どもたちにとっても非常に有効です。前号に引き続き、小学校の教室で行う「レジリエンス」を育む指導アイディアについて、中学年編をお伝えします。
【連載】ストレスフリーの教室をめざして #17
執筆/埼玉県公立小学校教諭・春日智稀
前回の記事はこちら【しなやかな心を育てる! 小学校の教室で育むレジリエンス ~低学年編~】
目次
1 指導アイディア①
⑴ プログラム名
「感情の冒険」
⑵ ねらい
・困難な状況を理解し、対処する力を身に付ける。
・自他の感情を理解し、多様な視点や考え方があることを知る。
・自分の感情や行動が、周囲に与える影響を理解する。
⑶ 指導の実際
(※T:教師のセリフ)
⑷ 授業で使うもの
〇ワークシート
2 指導アイディア②
⑴ アクティビティ名
「勇気の木を育てよう」
⑵ ねらい
・困難を乗り越えた経験を可視化し、集団としての達成感を育む。
⑶ アクティビティの実際
・教室に、「勇気の木」コーナーを設置する。(模造紙などに大きな木の幹を書き、近くに付箋を置いておく)
・「友達にあやまって仲直りができた」「苦手な習字でうまく書けた」など、勇気を振り絞ったエピソードを付箋に記入し、枝の部分に貼っていく。
⑷ 使うもの
〇「勇気の木コーナー」イメージ
3 指導アイディア③
⑴ アクティビティ名
「ありがとう送り」
⑵ ねらい
・感謝の気持ちを言葉に表し、互いに送り合うことで自尊感情を育む。
⑶ アクティビティの実際
・教室のいつでも取れる場所に、「ありがとうカード」を設置する。
・学級生活で自分が「ありがとう」と感じたことについてカードに書き、その人に渡す。
・年間を通して実施することができる。
・「ありがとう期間」などを設け、期間中は毎日全員が必ず1枚は記入する、などのルールを決める。
⑷ 使うもの
〇「ありがとうカード」
イラスト/坂齊諒一
<プロフィール>
春日智稀(かすが・ともき)
2015年より埼玉県公立小学校教諭。体育主任・生徒指導主任・研究主任・教務主任などを担当。
学校心理士/ケアストレスカウンセラー/青少年ケアストレスカウンセラー/アンガーマネジメントキッズインストラクター/アンガーマネジメントティーンインストラクター
日本生徒指導学会・日本学校教育相談学会・日本教育心理学会・NPO日本教育カウンセラー協会/所属